古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

『孤高の遠吠』『NIGHT SAFARI』シネウインド

 不良映画ばかりを撮り続けている小林勇貴監督にカナザワ映画祭2015で小林勇貴監督にお会いしたら、おっかない人かと思ったら大変気さくなお兄ちゃんみたいな人で大変応援したくなるタイプでした。それで一肌脱いだというわけではないのですが、新潟の市民映画館シネウインドのシアター会議に上映企画を持ち込んでみました。すると、すんなり上映企画を通していただいてこのような上映イベントの運びとなりました。

 

シアター会議孤高企画第一弾 古泉智浩プレゼンツ

2016年2月6日(土)

19:45~ 「孤高の遠吠」

21:55~ 「NIGHT SAFARI

23:00~ 小林勇貴監督 × 古泉智浩(漫画家) × 南拓郎 トーク

 料金・当日のみ・大人1800円 ウインド会員1000円

 

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 シアター会議がとても楽しくて他にも今度発売する銀杏BOYZのライブDVDの上映企画なども持ち込んでおります。毎週出席して最近見た映画の話をするだけでも楽しいです。

 

 去年の素晴らしい映画作品、『カンフージャングル』を始めとして『悪党に粛清を』『ヴィジット』『ピッチパーフェクト』といった傑作で新潟では上映されなかったものがいくつもあります。なぜか『ピッチパーフェクト2』は上映されていたけど、オレが見た回は2人でした。なぜ1も一緒に上映しないのだと思いました。今年もデル・トロ監督の最新作『クリムゾン・ピーク』、『イット・フォローズ』などは上映予定がなく東京で見ました。ポール・トーマス・アンダーソン監督作品は全然上映されず、『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』すら新潟はスルーでした。『マグノリア』はユナイテッドで見ましたが。傑作とは言えアクション映画やホラー映画、SF映画の地味な作品は新潟で上映されるのがむしろ奇跡のような不入りぶりが目立ち企画を持ち込んで実現したとしても、あんまり収益に貢献しないどころか大損させてしまう場合もあるわけです。なので、今回の『孤高の遠吠』上映は試金石と考えております。これがそこそこいい具合にお客さんに来ていただけるようなら、アクション映画やホラー映画の上映機会を増やせるかもしれません!

 

 

 『孤高の遠吠』はカナザワ映画祭で異例の2回上映された作品で、映画秘宝2015ランキングでも30位に入るほどの作品です。日本映画だけなら4位です。ライムスター宇多丸さんもTBSラジオ『ウィークエンドシャッフル』で大絶賛しております。しかも2014年カナザワ映画祭賞受賞作品『NIGHT SAFARI』との同時上映は東京でも実現しておらず、京都に次いで新潟だけ!!

 

 

 特に誰がやるわけでもないため、チラシもオレが自作して印刷の発注までやりました。そんなチラシの裏に厚かましくもオレによる推薦文を掲載しました。

 

ウォルター・ヒル監督の大傑作映画『ウォリアーズ』(1979年)は当時最悪の治安の NYの本物の不良をキャスティングして最悪の治安のNYの地下鉄や公園、路地裏や廃 墟を舞台に作られ、本物の持つ凄味にあふれたバイオレンス映画の金字塔です。 先日久しぶりに見返すと『孤高の遠吠』『NIGHT SAFARI』と印象がとても似ていて 驚きました。 映画を見ることの楽しみの一つは日常生活では触れることのない世界を垣間見ることで あります。普段我々の生活のすぐそばにありながらもなるべくなら距離を置きたい、 ちょっとでも目が合うものなら恫喝されかねない、そんな不良の世界……そのあまりに 物騒で荒々しく禍々しい世界にどっぷりと身を浸すように見せつけてくれます。元気で 恐れを知らない己のメンツにかけて意地と意地をぶつけ合い、激しく命の火花を散らす この2作品を同時に見ることができるのは現在、京都と新潟だけ! カナザワ映画祭でも アップリンクでも実現しておりません。今後おそらく新潟でもこの2作品を同時に見る ことができる機会はそうそう滅多にないでしょう。 深作欣二監督に大いに影響を受けたという若き新鋭、小林勇貴監督は、深作欣二監督 の正当後継者の最右翼であると僕は見込んでおります。今後日本を代表する暴力映画の 監督に出世すること間違いなし!ぜひご来場ください!    (古泉智浩・漫画家)

 

 当日は、三平映画館改め、ファミレス映画館の公開収録として南拓郎くんと小林勇貴監督とのトークもあります。小林監督の物騒な不良エピソードが盛り上がりすぎた場合はお蔵入りすることもあり得ます!

 

 さて、シネウインドでは万代シティ第2駐車場の3時間無料券があるのですが、映画が3時間くらいあってトークもあるのでちょっと時間が足りないんですよね。すぐ近くのタイムパーク八千代駐車場が20時以降朝まで200円で、映画が19:45からで、合計300円で朝まで駐車できます。そっちの方が安上がりですよ。

 

 

 いつも愛読しているカミヤマさんのブログ『三角締めでつかまえて』でも『孤高の遠吠』を95点と大絶賛しております!

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 僕はカナザワ映画祭、企画持ち込み時に送っていただいたサンプルDVD、シネウインド試写会で合計3回見ているのですが登場人物が多くて未だに理解できていないところがあるくらいなので、ネタバレして見ても充分面白いと思います。実際、1回目は場面場面に圧倒されたもののストーリーは把握できず、2回目以降の方が断然面白かったです。カナザワ映画祭で2回見たヂョーさんがそうおっしゃっていて、本当にそうでした。1回しか見る予定のない人、新潟では1回しか上映しないから結果的にそうであると思うのですが、そんな人はいろいろと下調べして見るのもいいかなと思います。

『スターウォーズ』乗ってみたい乗り物ベスト3

 明けましておめでとうございます!2016年も『オレは童貞じゃねえ!!』どうぞよろしくお願いします。

 

 さて、去年見た『スターウォーズ フォースの覚醒』が面白かったので、4,5,6をちゃんと見返してもう一度見たいと考えていました。ところがDVDがどこもレンタル中で全然見ることができず、買えばいいんですが、買ったDVDは見ない習慣があるので買ってしまったら最後、絶対に見ない自信があります。そうこうしているうちに年の瀬を迎え、一年を締めくくる何かすっきりする景気のいい映画が見たい、ここ数年、年末年始は景気のいい映画を見ることにしています。

 

 そこであたらめて『スターウォーズ』4~6をまとめてみようと思いました。うちのテレビはパナソニックVIERAという機種でhuluやdTVといったネット配信用のアプリがインストールされていてます。配信ならレンタル待ちすることなく見ることができるし、未来の扉も開いて景気がいいではないですか。評判のいいhuluをやってみようとしたら『スターウォーズ』はラインナップされておらず、dTVで見ることにしました。会員登録してクレジットカードの登録をしてスマホとテレビと行ったり来たりしてとても面倒くさかったです。

 

 それでやっと見た『スターウォーズⅣ新たなる希望 特別編』はこれまで何度も見ているのにやっぱり面白く、あっさりとした表彰式で終わるのも景気がよかったです。次に『帝国の逆襲 特別編』を見ました。ハン・ソロレイア姫を始終口説いていて、他に女が一人もいないから比較しようがないんだけど、全然いい女とも思えず気持ちが置いてきぼりにされていました。ルークは冒頭で毎回襲われて気絶していました。昔映画館で見た時は、ハン・ソロのカーボンフリーズが恐ろしかったのと、ルークの手首が機械化されたのがかっこいいと強く思ったことを思い出した。

 

 2本続けてdTVで見て、見終わって説明を見たら「テレビではHD画質で配信しません」という説明があり、字幕が小さくて読みづらいのとなんとなく画質が汚いような気がしていて、それがSD画質だったのかと非常に損した気分になった。それで、頭に来てdTVの会員登録を取り消してTSUTAYA TVにまた登録しなおして『ジェダイの帰還 特別編』を見た。画質はすごくきれいで字幕も大きくてよかったんだけど、早送り巻き戻しができず不便でした。3分ごとにスキップできるけどちょっとだけ戻りたくても3分も戻ってしまう。多分これは、うちのVIERAだけなのでしょう。とにかく不便な上に、すっかり忘れていたけど『ジェダイの帰還』はあんまり面白くないんですよね。ルークがすっかり達人になって応援しがいがないし、クライマックスも、重々しいだけで中身の薄っぺらい問答をくりひろげるベイダーと暗黒皇帝とルークの戦いと、イウォーク族が大活躍するお遊戯みたいな戦いで眠くなります。シリーズを締めくくるには残念な感じで、オレの年末の締めくくりもしょぼくなってしまいました。

 

 当時『ジェダイの復讐』でしたが、オレが高校生の時に公開されて、それまでは映画館で見ていたけど、高校生ともなると『スターウォーズ』なんかガキが見るものだという気持ちでパスしていました。その後『ホビージャパン』で模型化されたスピーダーバイクなどを見て「なんてかっこいいんだ!」と見過ごしたことを後悔しました。大学の時にどこかの名画座でやっと見ました。

 

 HD画質とSD画質両方見比べて、SD画質も悪くなかったです。頭に来て思わず登録を取り消したdTVでしたが、むしろHDの方が変にツルツルしていて気持ち悪いというか、SDの荒さが『スターウォーズ』に合っていなくもなかったです。負け惜しみのようですが、そんな印象がありました。でもあえてSDを選ぶ人もいないでしょう。今時VHSを液晶ハイビジョンテレビで見るとあまりの画質の悪さに愕然とします。しかし、ブラウン管テレビのじわっとした画面でビデオテープを再生したい、そんな気持ちになる時もあります。いろいろな思いも含めて『スターウォーズ』にはそれが合っている気もします。名画座でガサガサでボロボロのフィルムで見る映画は味わい以上の何かがあります。

 

 さて、やっと本題ですがオレの大好きな『スターウォーズ』乗り物ベスト3を発表します!

 

第3位 AT-ST

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 帝国軍のウォーカーと呼ばれていた戦車みたいなものですね。AT-ATという四足のもあるけど、それが自動車だとするとバイクみたいな身軽な感じがすごくいいです。乗ってみたい!  ただ、乗り物酔いがひどそう。三半規管を鍛えていないと厳しいのではないでしょうか。

 

 映画では、イウォーク族に丸太を左右からぶつけられてぺちゃんこにされたり、丸太を足元に転がされてひっくり返っただけで装甲がつぶれたりと、非常に弱々しく悲しい気持ちになります。『スターウォーズ』シリーズで、アナキンが狂ってジェダイを皆殺しにした場面と並んで2大ガッカリ場面です。あんな偉そうにしていたのに、ジェダイ連中の弱さ!

 

AKIRA』のフライング・プラットフォームも大好きで乗ってみたいんだけど、四角いのの下にバルカン砲みたいなのがにょっきり生えている形が好きなのかな。

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第2位 スピーダーバイク

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 森をとんでもないスピードで疾走する帝国軍の乗り物です。自動で木を避ける機能でもついていない限り激突が避けられないような、オレが運転したら一瞬で自滅するか、ゆっくり運転をすると思うんだけど、スマートな形がかっこいい! その昔、ヤマハのSDRというバイクを中古で買って乗っていました。このバイクはすり抜けキングと呼ばれていて、車幅がすごく狭くてかっこよかったです。

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 信号待ちの車をすり抜けする際にはエンドアの森の木立をすり抜ける気分で走っていました。今ではすり抜けはおろか、バイクすら怖くて乗れなくなってしまっているし、車も法定速度で走っています。

 

第1位 Xウィング

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 小4で『スターウォーズ』を映画館に見に行ったら字幕の漢字が全然読めず物語はさっぱり理解できなかったんですが、とにかくXウィングのかっこよさが抜群で、それまで『宇宙戦艦ヤマト』のコスモゼロなどとも全く違う異次元の魅力を放っていました。プラモだったかおもちゃを買ってはいろいろな角度から眺めてはうっとりしていた記憶があります。今回、エピソードⅣを見たら終わりの方にちょっとしか出番がなくて、それなのにあれほど鮮烈なインパクトを与えていたことに改めて感動しました。

 

 一人乗りの戦闘機でありながら惑星間航行ができるしハイパードライブというワープみたいなのもできて、とんでもない燃費です。操縦席の後ろにドロイドをむき出しで載せるのも雑でアメリカンな感じがいいですね。一人乗り、とんでもない燃費、攻撃力も相当なものであると、ありとあらゆる意味で自由を感じさせます。滑走路も必要なく、水没しても全く問題なく稼働するのもいいですね。

 

次点 ランドスピーダー

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 これまでのベスト3は実際乗ってみたいですが、オレみたいな者が『スターウォーズ』世界にたとえいたとしてもおいそれと乗れるわけがないし、乗ったとしても即死するに決まっています。日常の足として使えるランドスピーダーがせいぜいです。これだってかなり楽しいのではないでしょうか。フルオープンだし、青年ルークはド田舎でおじさんに怒られながらこの機種を選んでいたと思います。

 

 実際オレが今本気で金に糸目をつけず乗りたい車に乗っていいと言われたら何を選ぶだろうとよく考えます。その後の維持費を考えると燃費が悪いのは、給油の度にストレスになってしまう。ハイオクガソリンも嫌だし、大きい車はうちの狭い車庫で絶対にぶつけてしまうし、そもそも小さい車が好きです。コペンかな。丸ライトが好きなのでコペンセロだな。

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 ツーシーターなので助手席に釣竿を載せて釣りに行きたい。屋根を閉じると短い竿しか載らないかもしれない。オープンカーを所有したい。でもそれほどオープンにする機会も度胸もないと想像できます。軽なのに207万円!なんという贅沢、5速MTを選びたいですね。

似顔絵イベントと池袋マンガ教室、京都でアックスイベント

ご当地 アニメ・マンガフェスタ in 熊谷

 26日から始まっている『ご当地 アニメ・マンガフェスタ in 熊谷』というイベントで12月29日に似顔絵を描きます。1回500円で、ムラタコウジくんや武富健治さん、佐藤秀峰さん、麻々花さん、長野亨さん、池田鷹一さんと一緒です。

 

初開催!ご当地 アニメ・マンガフェスタ in 熊谷

 

 日替わりでいろいろな漫画家が似顔絵を描きますよ! 他にもサンキュータツオさんのトークイベントもあって楽しいイベントです!

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○池袋マンガ教室

 池袋コミュニティカレッジで開催されていたマンガ教室ですが、5年目を迎えた10月から開催の第9期が申し込みがさっぱりなくて中止となっており、1月17日(日)からの後期日程で仕切り直すことになりました。このまま申し込みがあまりなかったら終わってしまうような気がしています。これで最後となるかもしれませんので、もし漫画を習いたいと思う人がいらっしゃったらぜひ申し込みください! まるっきり描いたことのない初心者向けのマンガ教室ですが、不思議なことに何人もデビューしてますし、卒業生の獲得した漫画賞賞金は200万円以上です! 初心者向けですが、取り組み次第ではこの教室をきっかけに漫画家にもなれると自負しております。

 

日程

2016/01/17(日)
2016/01/31(日)
2016/02/07(日)
2016/02/21(日)
2016/03/06(日)
2016/03/20(日)

時間は15:30~17:30です。

 

持ち物:鉛筆かシャープペンシル、消しゴム、ノート

 

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○「ガローアックスー長井勝一」展 長井勝一 没後20年企画

 京都で「ガローアックスー長井勝一」展があります。その一環で島田虎之介さんと対談させていただくこととなりました。元々それほど熱心なガロ読者ではなく、長井さんの存命に間に合わず薫陶をいただいていないのでガロ系を名乗ることにいくらか躊躇いがあるのですが、アックスがホームであることは間違いありません。非常に光栄です! 

 

 長井勝一(1921-1996年)は、その出版人渡世を敗戦直後の露店商売から踏みだしました。
 赤本漫画、貸本漫画の出版人を経て、62年に青林堂を設立。白土三平の劇画発表の舞台として、64年7月、月刊漫画誌『ガロ』を創刊。『ガロ』の軌跡は《カムイ伝》を柱に、水木しげるつげ義春、忠男、永島慎二らを擁し、新人として林静一佐々木マキつりたくにこらが異彩を放ったことは夙に知られています。71年、《カムイ伝》第1部が終了するとともに『ガロ』は第2期を迎え、花輪和一川崎ゆきおますむらひろし蛭子能収杉浦日向子根本敬らの異才たちがオルタナティヴな領野をいっそう拡げました。その衣鉢は現在、青林工藝舎からの『アックス』に引き継がれています。
 来年(2016年)1月5日は、『ガロ』という広場を守った長井勝一の没後20年を迎えます。
 メリーゴーランド京都では、「ガロ - アックス - 長井勝一」展と題し、歴代作家の原画展示や『ガロ』創刊号から『アックス』の最新号までを一堂に並べ長井勝一の見守った広場の無辺さを実感していただきたいと思います。また、初日には、長井さんの菩提寺・徳正寺本堂にて〝長井勝一20周忌勤行〟とトークイベントも開催されます。ご予約が必要ですので、観覧ご希望の方はお早めにご予約下さい。

会期:2016年1月16日(土)~27日(水) 
   11:00~19:00 ※ 最終日17:00まで(木曜日・定休)
場所:メリーゴーランド京都
   京都市下京区河原町通四条下ル市之町251-2 寿ビル5F
   TEL/FAX:075-352-5408
   MAIL:mgr-kyoto@globe.ocn.ne.jp
   URL:http://www.merry-go-round.co.jp 
   ※メリーゴーランド本店HP内《京都店》案内を参照ください。

★トークイベント:「ガローアックスー長井勝一」の20年(※要予約!)
場所:徳正寺本堂(京都市下京区富小路通四条下ル徳正寺町39)
日時:2016年1月16日(土)13:00(開場は12:30) ~ 17:00
参加費:2,500円
定 員:70名
ご予約:メリーゴーランド京都
     mgr-kyoto@globe.ocn.ne.jp

◎タイムテーブル
13:00 - 20 長井勝一20周忌勤行
13:30 - 14:30 南伸坊 - 呉智英 - 林静一 鼎談「『ガロ』の時代」
14:40 - 15:40 島田虎之介 - 古泉智浩 対談「『アックス』の光源」
15:50 - 16:50 林静一- 南伸坊 - 呉智英 - 島田虎之介 - 古泉智浩 座談「長井さんのこと」
17:00 終演

青林工藝舎のHPより

 

 関西の皆様、ぜひいらしてください!

 

 

 

 

 

 

 

音楽映画ベストテン

 せんだい文学塾でもお世話になっているワッシュさんのブログ『男の魂に火をつけろ!』が毎年やっている映画ベストテン企画に参加します。今年は音楽映画で、これを機会にいろいろ見返したかったんだけど、まったくそんな余裕がなくて、いつまで考えていても決まらないので適当に選びました。近年に見た映画が多くなりました。

 

ファントム・オブ・パラダイス

②ジャージー・ボーイズ

③セッション

④くちびるに歌を

Ray/レイ

ウッドストック 愛と平和と音楽の3日間

ドアーズ

⑧すかんぴんウォーク

アイデン&ティティ

アンヴィル! 夢を諦めきれない男たち

 

 ①は去年カナザワ映画祭で爆音上映で見たら腰が抜けるほど感動して、佐村河内守さんの一件でまた感動がぶり返した。②はあまりに感動して去年のベストワンに選んだ。③④は今年の映画で、今年は音楽や舞台パフォーマンスの映画が豊作でその中でもトップクラスで面白かった。⑤は随分前に見たんだけど、セックス、ドラッグ、ソウルミュージックという内容で素晴らしかった。⑥はスライ&ザ・ファミリーストーンのパフォーマンスが凄くて、かつて見たライブ映像でも3本指に入る名場面。今年公開のドキュメンタリーもよかった。⑦評判が悪かったけど見たらすごく面白かった記憶があってまた見返したい。⑧山田辰夫が荒んだパフォーマンスをする場面が最高。⑨峯田くんが素晴らしかった。⑩クライマックスの日本人が優しくて誇らしかった。

 

 はてなブログトラックバックができないみたいだ。

 

 

『うちの子になりなよ』発売中

 実はずっと不妊治療に取り組んでいたのですが結果に恵まれず去年の末より、里子を預かって養育しています。不妊治療と同時に里親研修も受けておりました。だんだん、自分の子供でなくても、子供なら誰でもいい、子供がいないことにはにっちもさっちもいかないという気持ちになっていたので救われた気分です。

 

 男の子の赤ちゃんを預かって暮らしております。赤ちゃんと言うのは変化が目まぐるしく、うっかりするとちょっと前の事をすっかり忘れてしまうので、これはいかんぞと成長の様子をフェイスブックに友達までの公開でだいたい10日に一度くらいのペースで記録していました。それを枡野浩一さんがすごく面白がってくださって、本にすることを勧めてくれて、それを見たイーストプレスの編集者の圓尾さんが声を掛けてくださいました。大半は文字の本です。 文字の本は自費出版の『オレは童貞じゃねえ!!①』以来となります。

うちの子になりなよ (ある漫画家の里親入門)

うちの子になりなよ (ある漫画家の里親入門)

 

 

 里親は守秘義務があって、赤ちゃんの出自などは一切漏らしてはならないし、個人が特定できるような情報も出してはなりません。フェイスブックで友達までの公開でも、それらには触れないようにしています。そんな状況でありながら本にするというのはいかがなものかと躊躇いはあったのですが、『悪魔を憐れむ唄』の単行本の売れ行きがさっぱりで最終巻が刊行されない状況にあり、自分の漫画の市場価値が地の底に落ちているような感覚があり、藁をもすがる思いでありました。文字ベースの本なら図書館で置いてもらえるかもしれない、そしたらそれだけでも初刷り分は大分捌けるのではないかと、文字の本を出してもらえるのは嬉しかったです。エピローグ、プロローグの漫画と、子育てエッセイ1本につき、1本ずつ4コマ漫画も描いております。

 

 発売から2週間くらい経過していて、これがありがたいことにかつてない売れ行きなんですよ! 大半は子育てエッセイで、里親になったいきさつや、その段取りなども書いております。アマゾンでは「里親制度についての本かと思ったら普通の子育て本でがっかりした」というので辛口の星一つのレビューがついていますが、本当にその通りで、もうしわけない気分です。大半は子育て本です。しかも里親制度についても本に描いた以上で言えることが大してあまりないんですよね。お住まいになっている自治体の里親研修に申し込むくらいしか説明のしようがなく、赤ちゃんについても詳しい事情を述べるわけにはいきません。里親に関心がある人はぜひ、お住まいの地域の児童相談所にお尋ねください! 疑問に思っている事があったら、言える範囲でなんでもお答えしますよ。ぜひご質問ください!

 

 漫画は出せば、自然とそのうち増刷になるものだと思っていたのに、ここ10年くらいそんな声を聴いておらず、本当に久しぶりに、まだこれからなんですが増刷が掛かりそうで、もしそうなったら、弟子とサイゼリヤで忘年会をしようと思います。枡野さんにも食事を、肉か何かをごちそうさせていただきたいです。

 

 家に子供がいて、かれこれ1年になりますが毎日とても楽しく暮らしています。

 

 ウートピという女性向けのサイトで取材していただきました。どうもありがとうございました!

wotopi.jp

 また、『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』で、しまおまほさんが、秋の推薦図書特集でご紹介くださいました。まほちゃんどうもありがとう!

www.tbsradio.jp

古泉智浩ネーム教室in漫画空間

 漫画家の深谷陽さんが店長を務める漫画喫茶、高円寺漫画空間というお店があります。ここは漫画喫茶と言っても、世にも珍しい漫画を描くための漫画喫茶で、漫画を描くための設備が整っております。

www.mangakukan.com

 

 池袋マンガ教室の第9期の申し込みがさっぱり集まらず中止となっており、その代わりというわけではないですが、池袋マンガ教室ではできなかったことをやらせていただくこととなりました。初心者向けの教室ではなく、本格的に漫画家になりたい人向けに超実践的にネームのワークショップをします。池袋の経験で学んだことがあります。締切があると人は漫画を描くという当たり前のようで、しかし自力で締切を設けるのはなかなか難しいものです。池袋は四コマやショートなのですが、漫画家を目指す人は新人賞に応募するのが大半なので、読み切り漫画のネームを教室の時間内にやっていただきます。16~24ページといった分量のネームを5時間で考えます。

 

 いきなり5時間でネームを描こうというわけではなく、3日間かけて、そこは段階を経てやります。

 

①11月23日(月)13時~18時 プロット、箱書き
②12月7日(月)13時~18時 ページ構成、コマ割り
③12月21日(月)13時~18時 ネーム作製

定員5名 1回5千円(3回で1万5千円)

 

 1開催ごとに2週間あるので、その間に直したり、進める人は先に進んでいただいても構いません。できるひとはこの期間に2本でも3本でも描いていただくのもいいと思います。毎回、じっくりディスカッションして少しでも作品の内容を高めるようにします。なので、多くの人は見れないので、定員は5名です。幸いな事にもう現時点で4名の申込みをいただいております。満員だと思ったら一人申し込みが重複していました。あと一人分なので、お早目に!

 

 新人賞の奨励賞は最低でも取れるネームを目指します。オレは新人賞は7回取ってますので、そこは自身があります。実際こんなのは自慢にも何にもならないんですよ。普通は1回新人賞を獲ったらその雑誌で連載をして単行本を出すのですが、オレはその実力がなくどこに行ってもプロ未満の新人扱いされていただけなんです。賞を取るのはそんなに難しくなく、そこそこきちんとしていれば賞は取れます。

 

 お申し込みは漫画空間のTwitterまでお願いいたします!

twitter.com

 漫画空間は他にもいろいろな教室が開催されているので、漫画家を目指す人はチェックだ!!

映画秘宝12月号、文學界11月号

 映画秘宝12月号で、今週から公開の映画『トランスポーター イグニッション』の紹介を書かせていただいております。これまでジェイソン・ステイサムが主演のシリーズだったのが、若手にバトンタッチしており、ハゲをかっこいい髪形として認識させていたのに、スポーツ刈りになっております。映画の面白さはこれまでのシリーズでも屈指の出来です。僕はサンプルDVDで見たのが非常にもったいなかったので、スクリーンで見返したいです。とても楽しい映画でした。 

映画秘宝 2015年 12 月号 [雑誌]

映画秘宝 2015年 12 月号 [雑誌]

 

  

 

 

 文學界11月号でコラムを書かせていただいております。文芸誌という格式高い舞台にオレみたいなブログ上がりのヘタクソな文章でいいのかなと思いつつも厚かましく載せていただきました。特集が映画で、阿部和重さんが黒沢清監督の『水辺の旅』について大変重厚な評論をしていたり、園子音監督インタビューがあったりと、とてもとっつきやすくて面白かったです。オレが描いたコラムのテーマは赤ちゃんについてです。 

文學界

文學界

 

 

 こうして文章のお仕事を時々させていただいておりますが、5月からせんだい文学塾という小説家を目指す人のための教室に毎月通っております。これがすごく面白くて、あわよくば小説家になりたいという気持ちもないことはなく、又吉さんみたいに受賞したりベストセラーを出したりしたい。漫画がなんだか商売にならなくなって来ているようだからなんとか他の道を探りたいなどという気持ちもありますが、すっかり失っていた向上心をちょっと取り戻せた感じが嬉しいのと、何より顧問をされている池上冬樹先生のお話がすごく面白くて、毎回やる気が鼓舞されます。

 

 あまりに漫画が売れず、先行きが不安で取りあえず何か、なんでもいいからヒットを一発くらい出さないと終わってしまうという気持ちでつい受けそうなものは何かないかどうすれば人気が出るのかといろいろなものを見失いかけていました。そんなものをオレが目指したって無理に決まってるんだから、20何年もやっていて人気もなければヒットもない、そんなのもう無理なんです。自分にできる精一杯の面白い作品を作るよりどうしようもないと改めて気づかされました。

 

 でも小説は毎月1本ずつ練習で描くことにしています。でも忙しくて9月の小説が描けなかった。今月2本描けるかな。そういうのも漫画にフィードバックできるのではないかと考えております。

 

・せんだい文学塾 https://sites.google.com/site/sendaibungakujuku/

ゾンビ漫画作品集『青春と憂鬱とゾンビ』、映画『死んだ目をした少年』DVD発売中

 漫画アクションで連載していて菱沼康介監督により映画化もなされた『ライフ・イズ・デッド』というゾンビ漫画があります。普通のゾンビ作品は、ゾンビに噛まれたら数時間か半日くらいでゾンビになってしまって、噛まれていない人々を襲い始めるのですが、僕のゾンビは噛まれたり性交渉で感染して、半年くらい掛けてゆっくりと進行する、難病ものとしての側面が強くあります。そんな世界観で主に田んぼの真ん中を突っ切る国道や、車で20分くらいの場所にある森を舞台にドラマが進行します。他に舞台がないのかというほど、どれも森が出てきて、リンクしているエピソードもあります。『ライフ・イズ・デッド』以降描きためていたゾンビ漫画作品集を太田出版より発売しております。 

  担当してくださった太田出版の村上さんが表紙はアクリル画にしよう、とか、タイトルはこれでいいのか、もっと頑張りましょうと尻を叩いてくださって、力の入った本となっております。

 

 この単行本に収録されている『地下芸人がゾンビに噛まれた結果ww』は太田出版ぽこぽこで試し読みできますよ!

 

  こちらも合わせて読もう!こんな事をいうと自慢みたいでなんですが、電子書籍でずっと売れていてゾンビというジャンルのお陰ですか、清算時期によってはけっこうな印税をいただくことがあります。

ライフ・イズ・デッド [DVD]

ライフ・イズ・デッド [DVD]

 

  映画も見よう!面白いよ!

 

 さて、2月にテアトル新宿で劇場公開された映画版『死んだ目をした少年』がDVDとなって発売&レンタル中です。東京と大阪の人しか見ることができなかったのですが、これで全国の皆さんにご覧いただくことができます!

死んだ目をした少年 [DVD]

死んだ目をした少年 [DVD]

 

 予告編です!

 

  三平映画館、カセット館後藤さんの上半期ベストテン第5位、古泉の第10位でもある傑作です。加納監督の見事な演出と素晴らしい役者陣のお陰で、登場人物に本当に会って来たかのような錯覚があるほどの実在感で描かれています。 

 

死んだ目をした少年

死んだ目をした少年

 

  映画の後は、ぜひ原作漫画もお楽しみください!!

 

 

池袋マンガ教室第9期生徒募集

 いよいよ池袋マンガ教室が5年目となります。発想の練習とネームの構成を中心とした初心者向けのマンガ教室なのですが、発想に初心者も熟練も違いはないせいか、時々プロの人も受講してくださっております。でも基本は初心者で、全く漫画なんか描いたことがない人向けの教室です。四コマ漫画やショートコミック、エッセイ漫画などのネームを作成します。絵の指導はありません。持ち物は鉛筆かシャープ、消しゴムだけです。今週末10月4日より始まります。

 

 以前は非常に繁盛していて月2回の往復の交通費と中野のアパートの家賃をペイしても余るくらいの収益をあげていたのですが、最近ではずっと交通費にも足りないくらいの赤字運営です。それでなぜ続けているのかというと、運営しているこっちも大変勉強になり、大いに刺激を受けているからです。この教室がなかったら『悪魔を憐れむ唄』の連載もなかったかもしれないし、エッセイ漫画の描き方を開発することもなかったです。

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 ここ最近は多くて10人くらいで、少ない回は3人なんてこともありました。大体5人前後です。5~6人がディスカッションで班分けせずに済み一番やりやすいです。それだと赤字ですが! 10人くらいいたとしても班分けせずにたっぷりディスカッションした方がいいかなと最近は考えております。ディスカッションというのがこの教室の肝で、いろいろな人の考えや意見を聞いて、そこから漫画にどう活かすのかアイディアをチョイスして発想の練習となります。でも話をするのが苦手な人はいますので、向き不向きはあります。僕はこれがすごく好きなんです。そして以前は宿題だったのをその後15分くらいで四コマ漫画を大急ぎで描くのがまたすごくいいです。生徒の皆さんもオレも必死こいてやります。締切があるとコマを埋められる事が実感できます。

 

 ともすると四コマ漫画一本考えるのに一日掛けてしまうこともザラにあるのが漫画です。良くても悪くても15分で描いてしまうえば、後でやっぱりこうした方がいいかなと直すのは、最初に0から1に持って行くよりずっと楽です。

 

 毎回授業中の課題で2本、宿題で2本やっていただいて、やりたかったら何本でもやっていただいていいのですが、そういうわけで半年の教室でかなりの本数のネームがたまります。先日卒業生の人と自費本の打ち合わせで課題のネームを見せてもらったらすごいボリュームとなっていました。ともすればマンガ専門学校に2年通った人より多いのではないかと自負しております。

 

 僕は漫画はネームができれば8割完成と考えていて、でも世の漫画の学校でネームをみっちり教えるところはあまりないのではないでしょうか。僕もみっちりは教えないのですが、習うより慣れろでガンガン課題をやった方がいいと思います。自分で掴まないとどうにもならないです。数をこなして慣れて自分のものにするしかありません。

 

 これまで第2・4日曜日でしたが、第1・3・5日曜日に変更となります。年末年始など変則開催もあります。時間は15:30からです。会場は池袋コミュニティカレッジ。

 

 冒頭に絵の指導はないと記載しましたが、あまりに絵心がない人には基本的な人物の描き方などお教えしますよ。エッセイ漫画の超絶に簡単な描き方もやります。 

秘伝エッセイ漫画超絶簡単技法 (池袋マンガ教室スペシャル)

秘伝エッセイ漫画超絶簡単技法 (池袋マンガ教室スペシャル)

 

 

※今回は申し込みが少なくて中止となりました!(10月3日)

 

カナザワ映画祭2015

 カナザワ映画祭には開催日程の内、2泊3日くらいで都合に合う映画を見ていたのだけど、今年は5連休で北陸新幹線開通でホテルが高騰し、3泊しようと思っていたら4連泊の方が安いプランがあったため思い切って4泊5日で臨んでみました。4連泊のプランは清掃が一日おきで、それでも1泊7千円もした。例年は3300円で宿泊していたので目玉が飛び出そうだった。しかも会場である都ホテルからは2キロくらいの距離の片町という繁華街で、用がないのに繁華街にいるのもしんどかったです。直前になると安い宿もあったそうなので、来年はもし高かったら予約せずに行きたいと思いました。それか高かったら都ホテルで2泊にするとか、もうちょっとやりようはあったな~。4泊は長くて途中で帰りたくなりました。

 

 見た映画の感想は映画.comやフィルマークスに書いたのですが、ここではそこでの扱いがない映画について記録をしておこうと思います。2日目9月20日に上映された最新のアジア映画が素晴らしい作品でどっちも日本公開の予定がなく、これぞカナザワ映画祭ならではであると非常に貴重な機会でした。カナザワ映画祭に初めて行った時に見た映画が『It is fine,everything is fine』という車椅子の身障者で非モテのおじさんが連続殺人鬼になってしまうというとんでもない映画で、しかもファンタジックで感動的な結末で度肝を抜く傑作でした。それが監督のクリスピン・グローヴァーが自分立会いの下でご自身のスライドショーとセットじゃないと上映しないという方針であるためか、それ以降日本で上映されたという話を聞きません。何の気なしに見たんだけど、見ておいて本当によかった。もう一回見たい。ブルーレイ欲しい。

 

 今回のアジア映画は、そのような厄介な条件がないので、そのうちシネマカリテやヒューマントラストシネマといった熱心な映画館で上映されるんじゃないでしょうか。

 

○『無人区』(中国映画)

 橋下徹大阪市長の弁護士時代みたいな、若手弁護士が主人公。この人は勝てばなんでもありみたいな冷徹な人物で、ハヤブサ密漁をしている兄弟の弁護を引き受ける。裁判に勝ったけど報酬が払えないため、代わりに車を担保に都会に帰ろうとしていると、その道中トラックの運転手といざこざがあり、途中に立ち寄ったドライブインでぼられたり、密漁の兄弟が追いかけて来たりと、そのみんながみんなで争い合うような展開となる。弁護士がとにかく負けん気が強くてトラブルを招くのだが、全員が全員負けん気が強く、キャラクターとして性格の描きわけがあまりできていないのではないかと思う。おそらく脚本家か監督がそんな負けん気の強い性格なのだろう。

 最初見た時は、ごちゃごちゃしすぎてお腹いっぱいだな~と、面白かったけどそれほど傑作であるとは思わなかった。しかし後から反芻しているとやっぱり凄かったぞと改めて思いました。カーアクションも素晴らしかったし、殺し合いも生々しくてよかった。特にドライブインの一家の生活感がすごくて、何もないし警察が滅多に来ないことをいいことに好き放題やっている。ちょっとした帝国を築いているような、メンバーは家族だけだけで、貧しくとも誰が来ても恫喝してぼったくってやればいいと思っているような感覚が完全に自由でいいじゃないですか。最高だなと思いました。

 あと、銃もどんな仕組みかよく分からなかったけどかっこよかった。劇場公開されたらまた見に行こうと思います。中国映画は去年からちょっとずつ見ていて『罪の手ざわり』『薄氷の殺人』かっこよくて面白い作品ばかり。『無人区』もそうなんだけど、心にべっとり貼りつくような何か印象深いものがある。

 

○『印度国道10号線』(インド映画)

 インド映画の楽しければなんでもありみたいな、時にリアリティを度外視するトーンが好きじゃなくて、この映画はスルーする予定だったのですが、カセット館の後藤さんがすごく推していたので見ました。すると、すごく面白かったです。完全にリアリズムで描いていて好きなトーンでした。

 都会の大会社で働くエリートサラリーマンの夫婦が、奥さんの実家に里帰りする途中のドライブインでカップルが拉致される現場を目撃する。後を追いかけて行くと、殺人現場を目撃してしまい、夫婦が殺人集団に追いかけられてしまう。奥さんが助けを求めて警察に行ったり、村長の自宅に駆け込んだりすると思わず田舎の闇に触れることになる。

 構成が見事で最後までどうなるの?どうなるの!とハラハラし通しでした。映像がくっくりはっきりしていて、見やすいのはよかったんだけど、奥さんがどことなく松坂慶子みたいな雰囲気があって映像の雰囲気も含めて火曜サスペンス劇場みたいな感じがありました。

 

 

 今年は映画17本、トークショー2本見て、完全に寝てしまった映画4本、ウトウトした映画5本という残念な側面もありました。以前に見ていたり、あまり好きじゃなくて、見なくてもよかった映画が2本あった。せっかくスクリーンだからとか爆音上映だからと言って無理矢理見るのではなく、冷静にチョイスして見るべきであると思いました。

 

 映画祭のサポーターに申し込んでいたら、パンフレットで入会順で3番目に名前が掲載されていて嬉しかったです。来年は1番を目指します! ちなみにスペックスさんが5番、カセット館後藤さんが7番です。サポーターになると入場の列に並ばずに済んで、席を取ってからゆっくりと1階のサンクスに買い物に行くことができます。上映までの時間でサポーター用の椅子で弁当を食べるというのが食事の大半でした。上映時間前に弁当をかっこんでいる男がいたと思いますが、それがオレです。

 

 今年もカセット館の後藤さんとラジオを録ったので、そのうち三平映画館特別編で配信しますね! 来年も楽しみです。