古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

6月に読んだ本

 本と雑談ラジオのイベントが、6月10日に豊橋であって、それで久しぶりに鶴見済さんの『人格改造マニュアル』を読み返したら改めて素晴らしく、20年前の本なのに実用性が未だにありました。いろいろ極端なテーマはあるものの、「人格なんていくらでも簡単に変えることができる」というメッセージが本当に心強かったです。大島弓子先生の本やナギサノコニーさんなど猫の本もたくさん読みました。17冊も読んだのだけど、9冊は漫画なので、漫画を読むと読書数が増える。仕事場のトイレではノンフィクション、自宅のトイレでは雑誌と漫画を読むことにした。寝る前に小説を読もうと思っているんだけど、あんまり読めておりません。
 
 育児漫画の連載が隔週で、それでいい感じに締め切りが巡って来ればいいのですが、月末や月頭に重なるととんでもないことになって、こんな事なら先週のそこそこだった時期に進めておけばよかったと後悔しきりです。、まさに今、今日と明日でネームを10ページ、4ページ、1ページで3本やらないと今週の締め切りがにっちもさっちもいかなくなってしまう。明日、秋葉区のマラソン大会に申し込んでいたんだけど、キャンセルせざるを得ない状況です。天気予報が雨なので、まあいいかな。
 
 今年はキスが不調だそうなんだけど、それを確かめに海に行きたい。代わりにヒラメがよく釣れているそうで、ヒラメ用のワームとジグヘッドを買って仕事部屋の近くの漁港で投げてみたら本当にヒットしてびっくりしました。ただ、スレがかりだったみたいで、あげようとしたらバラしてしまいました。ヒットしただけでとんでもなく興奮したので、元をとった気持ちになりました。そうこうしているうちに梅雨になってしまいました。
 
 
koizumi69の本棚 - 2017年06月 (17作品)
キャットニップ
キャットニップ
大島弓子
読了日:06月14日
評価4
キャットニップ 2
人格改造マニュアル
KAMINOGE vol.67
KAMINOGE vol.67
-
読了日:06月30日
評価4
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プロット教室とネーム講座と初心者漫画教室

 読書報告と漫画教室の告知ばかりでなんとも申し訳ないのですが、今回も漫画教室のお知らせです。池袋コミュニティカレッジで開催しているネーム講座の定員が足りず開催が滞っているのですが、その代わりに南阿佐ヶ谷の枡野書店で試しに開催したプロット教室が思わず好調で、今後も不定期で開催させていただくことにしました。ネーム講座はネーム講座で7月期で申し込み受付中です。混乱が生じそうなのでここで整理しておこうと思います。

 

○プロット教室

 プロットとは「あらすじ」の事で、物語の大まかな筋を考える教室です。元はと言えばネーム講座の初日に行っていたものですが、単発でネームを作るわけではないので、漫画以外でお話を考えたい人もOKかなと思って開催しています。すると、小説を書いてみたい人、アニメを作っている人、お笑いのネタの人、絵本を作ろうと考えている人、なんでもいいからお話を作ってみたい人といった人もご参加くださって、漫画は半分くらいです。世代も20代~50代とばらばらで非常に風通しがいい感じがしております。

 ネーム講座の中でも一番楽しいのが初回で、その後はどんどんしんどくなっていくので、その楽しい部分取りしている感じもします。簡単な企画書を作り、それを元にディスカッションして、プロットを作っていきます。

 次回の開催は今週末の日曜日です。今後も不定期、単発で開催予定です。

 

プロット教室4

6月25日(日)13時~18時 

南阿佐ヶ谷枡野書店

料金5千円(リピーター4千円)

定員6名、3名以上の申し込みで開催します。

お申し込み:UGK39188@nifty.com (古泉)

 お申し込みは古泉のツイッターのDMでもOKです。

note.mu

 

 

○ネーム講座

 本格的にプロを目指し、新人賞での受賞レベルの読みきり漫画のネームを全4回の講座で完成させることを目指します。16~24枚のネームを想定しています。企画書、プロット、箱書き、シナリオ、ネームと順を追って段階的に仕上げていって、その間に何度か修正します。ネームは2回は直した方がいいと思います。

 このような段階など必要ないという人はいきなりプロットからネームに行ってもいいと思います。修正が必要ないくらい完成する場合もあることでしょう。しかし、この段階を経た方が楽にネームを作ることができると、僕の場合はそうでした。読みきり漫画のネームは本当にしんどくて、この過程を経ることでしんどさが減ります。

 読みきり漫画とネームには壁があります。その壁を楽に越えられる人もいますが、苦労して超える人もいるし、超えられない人もいます。漫画を全く描いたことのない人は初心者漫画教室をお勧めします。

 新人賞と言う、コンテストで勝ち残るための力のあるネームを作ります。

 7月期の生徒さんを募集中です。新人賞の受賞を目指している方、みっちりネームを仕上げてみたい方、ぜひどうぞ。平日の夕方から5時間という狂ったスケジューリングのせいか、開催できたりできなかったりで困っております。

 

池袋コミュニティカレッジ

7月11日(火)16時~21時

8月15日(火)16時~21時

8月29日(火)16時~21時

9月12日(火)16時~21時

定員6名、3名以上の申し込みで開催します。定員に満たない場合は単発でも受講できますよ。ただ、事前に3名以上の申し込みがないと開催できないので、ぜひご予約くださいね。

 詳細とお申し込みはこちらでお願いします。

cul.7cn.co.jp

 

 

○初心者漫画教室(4コマ、ショート、エッセイ漫画教室)

 この教室はかれこれ6年開催させていただいておりまして、新人賞受賞者、プロ漫画家を10人以上輩出しています。近々では、卒業生のナギサノコニーさんが単行本デビューされました。それから『物男』の永田一由くんが、講談社のイブニングで30万円の賞を受賞しました。初心者教室でありながらプロへの最短距離などと言われておりました。この教室だけだった時は、漫画なんて誰でも描けるという信念でしたが、読みきり漫画、長編漫画は人を選ぶ、経験が必要な場合もあると変わってきました。しかし、今でも4コマ漫画、ショート、エッセイ漫画は誰でも楽しく描けると強く信じております。この初心者教室では、そんな漫画の楽しい側面を目いっぱい感じていただいて欲しいです。

 単発の受講もできます。当日での申し込みもできるのですが、申し込みがあまりに少ないと開催がなくなるため、よかったらご予約ください! 最近は、毎回開催があるかないかぎりぎりです。

 

池袋コミュニティカレッジ

第2・4月曜日18時30分~20時30分

定員なし

詳細、お申し込みはこちらです。

cul.7cn.co.jp

 

 

ダーリンは無職、でも猫が好き (Vコミ)

ダーリンは無職、でも猫が好き (Vコミ)

 

  

物男 1

物男 1

 

 

5月に読んだ本

 あっという間に5月が終わって6月になってしまいました。5月はマイサウンドというヤマハのネットサイトで新連載『バンドしようぜ』が始まって、Vコミの『うちの子になりなよ』、カミノゲの『仮面サンクス』も入れると固定で32枚となりました。ありがたいです! 四コマで難波meleのフライヤー、新潟日報、他に隔月で奇数月のパスマガジンやアックスもありました。奇数月は特に忙しい。それから自費本用に5ページの、よそでぼつになった清水富美加ちゃんの漫画を描きました。いっぱい描いた。ずっと進行中だった原作漫画の3話目のネームを描いたと思ったら2話目をやり直しとなり、忙しさで手が回らなかった。それから電子書籍の作業もしたいんだけど、これじゃ無理だったな~と思いました。6月はどっちも絶対にやろう!
 
 そんな中けっこう本も読みました。『新装 餓狼伝1』は4冊の単行本を1冊にまとめた本だから、実質13冊読んだと思って間違いないのです。若い時からそれこそ本が出た時から気になっていて、ずっと読もう読もうと思っていたらすっかりバリバリの中年になってしまったのですがようやく読んだ大槻ケンヂさんの『グミチョコレートパイン グミ編』がとても楽しかったですが、その後に『サブカルスーパースター鬱伝』を読んだら、もしかしたらモデルとなったお友達が亡くなっていたのではないかというような記述があって愕然としました。
 
 釣りにあんまり行けていなかったのですが、連休前と明けにイナダとサゴシを釣って、今年もジグで40センチ級の魚がつれてよかった。去年初めて釣ってそれはまぐれだったけど、今年は釣り方を確信して、早巻きでガンガンやったらボウズがなくなりました。ヒラメが釣れているそうなのでやってみたいです。アジもやらないといけないし、そうこうしているうちにキスも始まる。
 
 それから、白根ハーフマラソンという大会の10キロ部門で出ました。10キロなんていつも走っているからチョロいと思っていたらものすごくバテて、最終的に誰からも抜かれる多分一番遅いランナーだったのですがなんとか完走しました。その顛末をアックスのコラムに書きました。6月末に出ますので読んでください! その後も走っているけどどんどんタイムが下がっていて、暑くなっているせいだと思いたいです。
 
koizumi69の本棚 - 2017年05月 (9作品)
KAMINOGE vol.65
KAMINOGE vol.65
-
読了日:05月05日
評価4
ある日うっかりPTA
KAMINOGE vol.66
KAMINOGE vol.66
-
読了日:05月31日
評価4
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4月に読んだ本

 4月は長編の最終回など、原稿40枚くらい描いた割りに読書が進んだ。Vコミの『うちの子になりなよ』のストックが尽きていよいよ自転車操業になってきた。どうにか時間を作って電子書籍の作業がしたいんだけど、釣りシーズンが開幕した。映画も観たいし子どもとも遊びたい、非常に困っています。
 
 ずっと積読状態だった水道橋博士さんの『芸人春秋』が素晴らしかった。芸人本流れで伊集院光さんの『のはなしし』も読んで、柳澤健さんの『1984年のUWF』も圧巻で、その時代流れで夢枕獏さんの『餓狼伝』を読み始めた。大昔に途中まで読んだきりだったので最初から読み直しております。
 
 当事の格闘家は全く恵まれていなかったけど、強烈な選民意識があった。現在のMMA時代の感覚で同じテーマで描くとしたらどうなっていたのだろう。夢枕獏さんはいつごろUWFがフェイクであったことに気づいたのだろう。そんなことを考えながら読むのがとても楽しいです。
 
koizumi69の本棚 - 2017年04月 (10作品)
観なかった映画
観なかった映画
長嶋有
読了日:04月08日
評価4
1984年のUWF
1984年のUWF
柳澤健
読了日:04月11日
評価5
のはなしし
のはなしし
伊集院光
読了日:04月29日
評価4
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プロット教室

 池袋コミュニティカレッジで、開催している漫画教室の初心者漫画教室とネーム講座のうち、ネーム講座の方が参加者が足りず中止となりました。元々、火曜日の午後4時から5時間という無理がある設定で、しかも漫画を描いたことがある人が対象なので、しかたがないと思います。定員が6人で、前は一人でも二人でも開催していましたが、ディスカッションが中心のため、少ないとあんまり効果がないことが分かり、3人以上で開催させていただくことにしました。申し込んでくださった方、せっかく申し込んでいただいたのに、すみませんでした。

 

 それで、代わりと言ってはなんですが、日曜日に枡野書店でプロット教室を試しに開催させていただく事にしました。ネーム教室は全4回で読み切り漫画のネームを完成させることを目標にしているのですが、その初日はプロット作成をしています。そのプロット作成に特化した単発の教室です。プロットだけなので、漫画を描いたことがない人でも、原作を作りたい人でも大丈夫です。その後、ネームまで完成させたいという人も大歓迎です。原稿まででも大丈夫です。何か機会を設けてアドバイスします。もしかすると、映画の脚本や小説などにも役立つかもしれませんが、僕は漫画家なので漫画以外は責任が負えません。

 

 プロットとは、お話のあらすじや大まかな内容のことです。文章で行います。僕は以前からプロット、箱書き、ネームの順番で漫画を作っていましたが、漫画家ではそんな段階を踏まない人もたくさんいると思います。とにかくネームがしんどい作業なので、その負担を軽減させるために、箱書きの後に最近は小説を描くことにして、小説を書く練習を兼ねています。小説を導入したのは去年からで、その前はシナリオをしていました。シナリオの方が作業的には直結しているし、作成も楽です。小説は、時間がシナリオの3倍くらい掛かりますが、登場人物をより身近に感じることができるという発見がありました。今、漫画on webで連載中の『夏の予備校生』の途中から小説を導入しているので、雰囲気が途中で変わったかもしれません。

 

 漫画のネームの元となるプロットを、ディスカッションを中心に発想の練習をしながら作っていきます。プロットを作るにあったって、その前に企画書を作り、ディスカッションして、参加者全員で揉んで一人で考えていたら思いつかないような発想を頂戴したり、人に上げたりして、プロットに構成します。それをまたディスカッションで揉んでより精度の高いプロットを作ります。同じお話を何度もいろいろな角度から検討することでどんどん豊かなものになっていきます。

 

 参加希望の方は、すでにお話が思いついているのであれば、その問題点を解決するのに使っていただいてもいいですし、ぼんやりとした企画であれば教室で筋道をつけていただくのもいいと思います。手ぶらで来ていただいても大丈夫です。筆記用具はお持ちください。

 

 とにかく、20年以上やっている僕ですらネームが未だにきつくて仕方がないので、始めたばかりの人がどれほどか、さぞ大変だろうと思うのです。その大変さを軽減するためでもあったネーム講座でしたが、今回は単発の教室で楽しくお話作りをしてみましょうと言うプロット教室です。プロットは僕もするのがすごく好きで、お話作り作業の一番楽しいところではないでしょうか。ネームがとにかくきついので小説もシナリオも楽しいです。

 

 ネームを一から描き方を教えるなんてことは無理なんですよね。テニスのコーチのように二人羽織みたいに手取り足取りでこうしなさいみたいなのはありません。本人が取り組んでみるしかないんです。最初は本当に見よう見まねでやってみるしかなく、やってみたら意外とできたとか、難しかったとか、できなかったとか結果が出ます。その後、どうしたらもっといい具合にできるのか試行錯誤しかありません。僕は、初心者教室、ネーム講座ではなるべく最短距離でというか、距離を短くなるようにマンガの創作ができるようにお手伝いしております。

 

日時:4月23日(日曜日)16時より21時(5時間)

場所:阿佐ヶ谷、枡野書店

定員:6名

対象:漫画のプロットを作りたい人

料金:5千円

申し込み:UGK39188@nifty.com (古泉)

※大変申し訳ありませんが、参加が3名に満たない場合は中止とします。

 

 5時間も頭をずっと使っているとヘロヘロになりますが、充実した時間になるようにがんばります!

 

※今回は定員いっぱいになりました!どうもありがとうございました。好評でしたらまた5月から定期的に開催させていただこうと考えております。ご予約承ります!第2・4月曜日の前日の隔週日曜日です。

 

マンガ on ウェブ第9号 [雑誌] (佐藤漫画製作所)

マンガ on ウェブ第9号 [雑誌] (佐藤漫画製作所)

 

 

4月からの初心者漫画教室とネーム講座

 池袋コミュニティカレッジで漫画教室をやらせていただいて、かれこれ6年目に入っております。当初は初心者向けの四コマとショートの講座だったのですが、1年間、三月まではエッセイ漫画とネーム講座の二本立てでした。4月から、エッセイ漫画教室をリニューアルして、初心者向け四コマ・ショート・エッセイ漫画教室にとなります。これまでやってきた初心者教室の集大成としてこのようにしようと思います。生徒さんには、フィクションの四コマでもショートでも、ノンフィクションのエッセイ漫画でも描いていただけるようにします。

 

・ 四コマ・ショート・エッセイ漫画教室

 

 例えば、4月の1回目はエイプリルフールもあるので「うそ」というテーマで、四コマ漫画でもエッセイ漫画でも描いていただこうと思います。エッセイ漫画でも何か一つ嘘をまぜればフィクションになるので、ショートコミックの創作においてはフィクションもノンフィクションも行ったり来たりしていいかなと、要は面白いのが出来上がればいいと思います。

 

 エッセイ漫画ではやっていなかった「続きを考えよう」もまたやってみようと思います。僕が適当な最初のコマを描くので続きを考えてください。

 

 講座は次のような流れで進みます。

 

1 続きを考えよう(四コマのネーム実習)

2 宿題の講評

3 テーマの四コマ(ネーム実習)

4 テーマの四コマについてのディスカッション

5 ディスカッションのショートか四コマ(ネーム実習)

 

 宿題で講座中に描いたネームを完成原稿にしていただきます。1回の講座で頑張れば3本ネームが完成するという、これまでにない実践的ボリュームです。これは締め切りがあると嫌でもコマを埋めるという習性に基づいております。「描けない」「何を描いたらいいか分からない」と悩んで漫画を目指していて暗礁に乗り上げている人、ぜひ試してみてください。

 

 教室で発想の練習をして、ネームを完成させて宿題で原稿をして、原稿を作る作業に慣れましょう。これまで10人以上のプロ漫画家を輩出しておりますが、これまで以上に実践的内容でますます輩出できる気がします。

 

・ネーム講座

 火曜日のネーム講座は新人賞での受賞を目指す読み切り漫画のネームを3ヶ月で4回の講座で完成させます。漫画新人賞はそこそこ面白くて分かりにくくなければ割とすぐに取れます。そこから先が大変なんですけど、そこまでお手伝いします。新人さんの投稿作を見ていると本当にちょっと直せばすごくよくなる漫画がたくさんあって、なんとももったいないなと常々考えています。一人で描いていると客観性を持ちづらく、伝わった気になってしまいがちです。

 

 定員が6名で毎回5時間たっぷりやります。企画書、プロット、箱書き、シナリオ、ネームの段階を踏んで最終的に16〜24ページの読み切りネームを完成させます。段階を踏むことで、新しい発想がありますし、ディスカッションでいろいろな目線からの発想を得られます。途中段階で何度でも直します。普通漫画は一人で作りますが、僕は漫画なんて誰が考えてもいいと思っています。最終的にはご本人のセンスによるチョイスで生まれるものです。

 

 ただ、こちらのネーム講座は漫画を描いたことがある人対象です。けっこうなボリュームのネームを描くには壁があり、中には全くの初めてでも乗り越える人もいますが、壁を超えられず脱落する人が毎回います。漫画を描いたことがない人はぜひ初心者教室から始めてください。初心者教室で楽しく漫画を描いてぜひ表現に慣れてください。

3月に読んだ本

 山形小説家講座で吉村龍一先生の回が会ったので著作を読んだらめちゃくちゃ面白かったです。講義も素晴らしかった。佐藤亜紀さんの『ミノタウロス』という20世紀のはじめの方のキエフとかその辺が舞台の戦争&青春小説を読んでいるんですけど、文章が入って来なくて全然進まないまま月が空けてしまった。3月は原稿多めでやっていたせいであんまり本が読めませんでした。その代わりラジオはざくざく進んで、そろそろ過去のアーカイブも聞きたいです。
 
 2月末にぎっくり腰をやってからランニングを2~3日間隔でやるようにして、その分距離を10キロくらい走るようにしました。基礎体力がついてきたようで、あんまり疲れなくなったけど、階段などは相変わらず疲れるし、体重も減りません。
 
koizumi69の本棚 - 2017年03月 (5作品)
KAMINOGE vol.63
KAMINOGE vol.63
-
読了日:03月05日
評価4
アックス 115
焔火
焔火
吉村龍一
読了日:03月21日
評価4
KAMINOGE vol.64
KAMINOGE vol.64
-
読了日:03月23日
評価4
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2月に読んだ本

 ネームや原作シナリオばっかりやっていたので読書がはかどりました。作業に集中するのに、アイドリング的に読書します。とはいえ漫画が4冊なのであんまり大したことは言えないのですが!
 
 一番面白かったのは『我が一家全員死刑』で、すごかったです。
 
 作画が少なかったせいで、ラジオが全然はかどらず、未だに2月の頭の放送を聞いています。
 
 体力づくりのためにランニングを始めて、月末にぎっくり腰をして、毎日走ることを目標にしていましたが、今はほどほどに休みを入れながらやっています。体重は全然減らず逆に太っています。
 
 
koizumi69の本棚 - 2017年02月 (11作品)
KAMINOGE vol.62
KAMINOGE vol.62
-
読了日:02月06日
評価4
しんせかい
しんせかい
山下澄人
読了日:02月16日
評価4
ラメルノエリキサ
ラメルノエリキサ
渡辺優
読了日:02月21日
評価4
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1月に読んだ本

 もはや原稿料で1万円が普通にもらえた時代は終わった、しかし原稿を描かないと漫画家でいられないとのことで方針をぐっと転換して量産体制に入って1月も原稿を46枚、四コマ3本描いてました。原作のネームも39枚きつかった、原作のシナリオの初稿もやって、すると本を読む時間が全然とれず、特に小説が『本と雑談ラジオ』用の1冊だけでした。ムラタコウジくんの『ぽちゃこい』、永田一由くんの『物男』2巻送ってくださってありがとう、まだ読めておりません!ごめん! 
 映画の『海賊と呼ばれた男』がダイジェストみたいな構成で、原作が面白そうだったので買いました。旬を逃すとモチベーションが下がるので早めに読みたい。
 
koizumi69の本棚 - 2017年01月 (4作品)
あひる
あひる
今村夏子
読了日:01月08日
評価4
はかせのはなし
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ぽちゃこい ( 1) (ニチブンコミックス)

ぽちゃこい ( 1) (ニチブンコミックス)

 

  

物男 2 (COMICAWA BOOKS)

物男 2 (COMICAWA BOOKS)

 

 

『となりのトトロ』は変だ

 大学の時に当時住んでいた町田の映画館で見て以来だったのですが、子どもが2歳になってそろそろ映画でも一緒に見たいと思って輸入版のブルーレイが安かったので買いました。毎年1枚ずつ誕生日にお勧め映画を買っていて2歳のが『となりのトトロ』で、1歳用は『おまえうまそうだな』で、まだ見せていません。そうして見せてみたところ、おおはまりで毎晩多い時は3回も見させられる羽目になってしまいました。最初は感動していたんだけどもう飽きてつらい。そろそろ次の映画に行って欲しい。こんなに見るなら設定をいちいちしないといけない輸入版じゃなくて国内版にすればよかった。 

となりのトトロ [DVD]

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  ただ、そうして何度も繰り返し見ているといろいろ気づくことがありました。

 

・トトロの出番は少ない

 ホラー映画や怪獣映画で実はモンスターの出番は少なく、出ていないのに存在感を発揮するところは作家の腕のみせどころです。ただ、子どもはトトロや猫バスが見たいにも関わらずなかなか出てこなくて、特に病院から電報が届いてめいちゃんが迷子になって探し回る場面が延々長い。トトロが出るまで早送りしてあげたい気持ちはあるものの、映画はそういうものではない、楽な方法を覚えるとよくないのでじっくり再生していますが、ここで寝てしまうことが多いです。この映画のすごいところは日常からはみださないのに、不思議な出来事がいい具合に混ざり合っているところです。特にいいのが、その電報をもらって、お父さんの勤める大学にさつきちゃんが電話を掛けに、かんたくんの本家に電話を借りに行って連絡するところです。その時、待ってなさいと言われためいちゃんは言うことを聴かず、本家に向かうさつきちゃんとかんたくんを追いかけます。ところが途中で見失って軽く道に迷うのですが、うまい具合のタイミングで再開して事なきを得ます。お父さんに連絡して、お父さんが病院に電話して、またお父さんからの結果を待つのとめいちゃんが迷子になっているのかどうか、二つの不安が同時進行します。しかもこれが後のめいちゃん迷子事件の振りになっていて、構成と演出のすごさを見せ付けられます。

 

・トトロはおばけ?

 さつきちゃんが住む家は実際にまっくろくろすけが住んでいたり、トトロが出没したりして、家主の子どものかんたくんにも「お前のいえ、おーばけやーしき」と言われる。また、主人公のさつきちゃんもおかあさんに「お化け好き?」と問うなど、トトロがお化けだと認識されています。主題歌でも「ずぶぬれおばけ」という歌詞があります。妖怪みたいな、猫みたいな狸みたいなののへんげだと思っていたけど、実は死んだ人のへんげなのかもしれません。子どもの白いトトロと中くらいの青いトトロもいて、親子なのかどうかも不明です。猫バスも謎の存在です。

 

・さつきちゃんが変

 さつきちゃんの声がとても大人っぽくて、実際小学3年生なのにお弁当を作るなど自炊までこなします。妹のめいが5歳で、お母さんが長期療養中のため、お母さん代わりに頑張っているうちに大人びてしまったのかもしれません。なので子どもらしくはしゃぎまわる場面が妙に、頑張って子どもらしい素振りをしているような違和感があります。声だけ聴いていると高校生くらいな感じがします。そして更に、それだけ成熟した精神を持っている割に、パンチラに対して無防備すぎる。やたらと短いスカートを好むだけでなくカメラワークもローアングルで、僕はロリコンでないためパンツが見える度に複雑な気分になります。精神年齢を鑑みると、無防備であるとは言い切れず、意図的に短いスカートで飛び回っている可能性もあります。この映画の中で、その対象となるのは家主の息子のかんたくんくらいのもので、彼に対しての挑発行為なのでしょうか。童貞丸出しの同級生のかんたくんは女子に対して意地悪をしてからかったりする割りに、雨宿りをしているさつきちゃんに、傘を貸して自分はずぶぬれになって帰宅したり、また、めいちゃんがいなくなった時には自転車を三角乗りでさつきちゃんの元に駆けつけるなど非常に男らしい側面があります。家の手伝いの野良仕事もします。そんなかんたくんを挑発して精神をもてあそんでいるのかもしれません。女の子はどんなに幼くても意地悪なところがあると水道橋博士の『はかせのはなし』にも描いていました。利発なさつきちゃんの秘めた部分がパンチラに現れているのかもしれません。 

はかせのはなし

はかせのはなし

 

 

・子どもは毎回同じところで同じ事を言う

 僕が乗っている車が日産マーチであるため、冒頭で引越しの車を見るたびに「マーチかな」と言うので「トラックだよ」と言います。学帽をかぶっているかんたくんを見ると「おまわりさん」と言い、引越し先の家の庭が広いため、さつきちゃんとめいちゃんが走り回り、さつきちゃんは倒立前転をすると「さつきちゃん何してんのかな」と言うので「走り回ってるんだよ」と言います。バス停に猫バスが来ると「トトロが乗るかな?」と言うので、何度も見て知ってるはずなのでからかって「さつきちゃんが乗るよ」と言うと「ちがうよ、トトロが乗るんだよ」と言います。「めいちゃんどこにいるのかな?」「おじぞうさんのところだよ」など、本当に何度も何度も毎晩毎晩繰り返しております。

 

・宮崎監督の投影はトトロか

 町山智浩さんなどがよく宮崎駿監督はロリコン説をとなえていて、どうかな~?と思っていたのですが、何度も繰り返し見ていると確かにそんな気がしてきました。この映画で宮崎監督ご自身をどこに投影して描いているのだろうと考えて、それがトトロだとしたら非常に腑に落ちます。昼寝していると困り果てた少女が頼ってきて、猫バスを呼んで問題を解決してあげます。その際、抱きついてきたさつきちゃんに大興奮して、目を見開いて大声で叫んで、宙に舞い上がり、木に駆け上ります。心拍数や血圧が異常な数値を出していそう。本当に嬉しそうで、宮崎監督も困っている少女を喜ばせてあげたくてしかたがないのかもしれません。

 

・都市伝説について

 実はさつきちゃんとめいちゃんは死んでいるという都市伝説があります。くだらないと思っていたのですが、見れば見るたびに不気味な感じがしてあながちないこともないと思うようになりました。特にトトロや猫バスまっくろくろすけがお化けだとしたら、この世とあの世を行き来するような物語です。また、お母さんもまだ医療が今ほど進歩していない時代で、長期入院していたらあの後、どうかなってしまっても不思議ではありません。かわいい盛りの子どもと離れて暮らすのも断腸の思いであることでしょう。エンディングでは、さつきちゃんがズボンをはいて年相応のこどもらしい表情を見せています。お母さんも退院してそれで楽しそうに暮らしています。ただ、それが実際の未来の事なのかさつきちゃんが夢見たことであるのかは不明です。

d.hatena.ne.jp

 

 そういうわけで、散々『となりのトトロ』は味わいつくしてつらくなっているのでそろそろ『崖の上のポニョ』か『LEGOムービー』か『おまえうまそうだな』を見せてみたいです。 

崖の上のポニョ [Blu-ray]

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おまえうまそうだな [DVD]

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