古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

大人計画社長日記

 『大人計画社長日記』という本を読み終わりました。
 大人計画のお芝居は松尾スズキさん演出のものは『ファンキー』以降一昨年くらいまでのものをほどんど見ているはずです。新潟に戻ってからも上京して見ていたのですが、何しろ忘れっぽいので、どの芝居がどんなタイトルだったのかさっぱり思い出せません。
 そんな中でも特に面白かったのは『なついたるねん!アホの坂田 東京放し飼いライブ』という、大人計画ではなく、吉本のアホの坂田さんを主役に据えたお芝居で、大人計画では、最後感動作になるのが多いのですが、それとは雰囲気が違って始めから最後まで笑いで構成されていて、どこまでも腹を抱えて笑った記憶があります。
 他には『マシーン日記』という、4人くらいで上演したお芝居も構成がすばらしく、結末に向かって多々あるエピソードが収束していくカタルシスがたまらなかったです。
 目が悪く、また人物を把握する能力が極めて低いので、本公演など役者さんが大勢出演する芝居は誰が誰なのかよく分からないまま終わってしまうことが多いのです。一緒に行った友達と、あの人は最後こうだったよね、なんて言っても、その人は違う人だよ、なんてこともよくあり、恥ずかしい話です。
 この本でもいろいろな役者さんについてのエピソードが紹介されるのですが、何しろ役者さんのことがよく分からないので、役についての記述で薄らぼんやり分かる程度なので、実に歯がゆいものであります。
 劇団は志を同じくした人が一同に会し、皆でわいわいやるっていうのが、楽しそうで羨ましい。しかし、自分に勤まるかと言えば、まず無理なので、無いものねだりは良くないですね。