古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

雇用について考えてみた

 雇用問題が格差社会などに繋がる深刻な問題となっている。フランスでは雇用の条件に関する法案に反対した市民がストライキを起こし暴動も起こった。オレは昔から暴動には強い興味を持っていていつか参加してみたいと思っている。それはさておき、今回は雇用について考えてみた。

 企業がアルバイトやパート、契約社員ばかりで正式な社員を採用しないのが問題なのだそうだ。しかしながら実際問題、社員を採用せずにそれで済むなら企業として採用しないに越した事ないのだから問題の根本はもっと違うところにあるような気がする。

 オレもパソコンを導入する以前は仕上げ作業に人を雇って時給を払っていた。パソコンを入れたら人を雇うよりも一人でぱっぱと仕上げる事ができたのでそれからもうずっと一人で仕事をしいてる。時給を払うのに較べたらコストもず〜っと安上がりで、他の用事でも働いてくれるのでパソコンは本当に有能だ。

 企業が正式な社員を雇用するのは、バイトなんかよりもずっと責任の重い仕事をしてもらったり、継続的に仕事を任せる必要があるからであると思うのだ。しかしその必要がないのであったらわざわざリスクの高い社員なんて雇わないだろう。社員を雇うメリットがないと雇わない。正式社員を雇用しろと声を上げるだけでは解決にならないだろう。

 パソコンや機械のせいで仕事がどんどん減っているだろう。なので、雇用される側も何か能力を向上させて、企業から何が何でもぜひうちで社員として働いて下さいと言わせるようにならないといけないと思う。本当に厳しい世の中だ。

 その昔、身障者のシンガーソングライターのタスケという男にマネージャーをやらないかと頼まれたことがある。マネージャーと言っても売れてるわけでもなく、単にタスケが何を言っているのか電話でよく分からないので連絡係を求めていただけのことであった。その前はオレの友達の小沢がやっていたのだが、すぐに辞めていた。タスケは会う人会う人頼んでいたのだが誰も引き受けたがらず、オレは「お前は気軽に頼んでいるけど、頼まれた方にはなんのメリットがあるんだ。そんなの面倒なだけだ」と言った。するとタスケはう〜んと考え込み、「一番最初に新曲が聴ける」と言った。