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古泉智浩の『オレは童貞じゃねえ!!』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

自主映画は一人で撮りたい

 昨日は、にいがた映画塾に篠原哲雄監督がいらっしゃって、プロの撮影現場における作法を実習させていただきました。その後、打ち上げでは名作『月とキャベツ』での予算の使い方など実に興味深くためになる話をお聞かせいただきました。


 撮影現場実習では、『張り込み』という篠原監督の作品のシナリオを元に、新潟で活躍する舞台役者さんに演技をしてもらい、受講生はカメラや録音や助監督などの作業をしました。オレは記録係をやったことがなかったので、それをやることにした。

 監督の指示の元、リハーサルをやったのち本番となり、カメラを回す。記録はスタートからの時間を計り、役者さんの動作、「右手でコップを持ってコーヒーを飲んだ」などとシナリオに書き込んだ。3分ほどの1シーンを角度を変えて1時間半掛かって6カット撮影した。

 同じカットをなんてテイクもしているうちに、何番目のテイクの記録だったのかさっぱり分らなくなり、記録として意味がなくなってしまいました。プロの現場のきめ細かな神経の使い方に恐れ入ると同時に、オレがやろうとしている自主映画で、こんなことをやったら身が持たないと思った。

 篠原監督は『月とキャベツ』を○千万円で撮ったそうで、その予算の配分はほぼ人件費と食費であったと教えて下さった。40人くらいいるスタッフを2ヶ月拘束すると、食費だけで1千万を超えてしまうと言うのでありました。役者はともかくとして、スタッフのギャランティも膨大であった。映画がお金が掛かるというのはそういうことなのかと目から鱗が落ちる思いでありました。

 ということは、スタッフが少なくて撮影が早ければ予算はずっと少なくて済むのだなと思った。それにオレの場合、特に変わり者なので、現場に人が大勢いることに居心地の悪さを感じる方で、今まで2本撮った両方とも撮影スタッフはなしか、いても一人だった。なるべく人は呼ばない方向でやっております。人を呼んでも、何も仕事を頼まずにほったらかしにしていたら、申し訳ないじゃないですか。それに食費も掛かりますしね!

 プロの映画の細やかさは実に素晴らしいものであるのですが、それを自分の自主映画に活かすのは相当な困難が伴い、正直言って無理がある。自主映画には自主映画の利点があって、それが何かを追求しなくてはならないわけですよ。それは低予算であったり、フットワークの軽さであったり、他にもいろいろあるわけですが。

 とにかくオレはマニュアル撮影が大嫌い! カメラに関しては、オートでの撮影でよしとするならば、演出をやりながらでも全く問題ない。ホワイトバランスも気にしません。こんな事を言ってはあれですが、他の人が作った作品で、マニュアルで撮ったために失敗している場合の多いこと多いこと。それにそもそもカメラを回す度に調整をしていたら時間が掛かって仕方がないわけです。映画塾ではマニュアル撮影の講義を毎年受講して今年で4回受けているのですが、一切身に付いておりません。何度聞いても全然理解できず、むしろ、オートでの失敗をなくすようなテクニックを教えていただけたらなと思いました。

 カメラの扱いで余計に撮影が困難になる原因は、カメラの性能が良すぎる事と、いい三脚を使っている事が考えられます。オレが使っているカメラはパナソニックのNV-GS100Kという3年前の機種で、このカメラにはプロシネマモードという機能があって、フィルムっぽい撮影もできます。オレはこればっか使ってます。外部マイク端子もあり、便利なAEロックという機能もあります。当時は11万で買ったのですが、今は型落ちしてヤフオクで、運が良ければ3万円台で買えます。オレは3台持ってます。それからいいカメラはいい三脚を使わないといけない雰囲気で、よくいい三脚が推奨されます。オレのカメラは小さいですので、そんなに三脚にこだわる必要もなく、3千円くらいのを2台使っております。カメラを持ち運ぶ際には必ず三脚からカメラを外すようにと言われますが、そんな事をしていたら時間が掛かるので無視です。

 とにかく、プロの現場でも時間とコストが直結しているように、こっちの現場でもコストはそんなに掛からなくても、時間が掛かると疲れて撮影が嫌になってしまうので、さっさと片付けてしまうに限ります。それでなくても、撮影以外でも編集やらなんやらで時間が滅茶苦茶掛かるのだから、時間については無駄遣いは減らしたいものであります。撮影にたずさわった人にはなるべくなら日当を払いたいのですが、そこまでの余裕はないため食事をご馳走することにしています。日数が掛かるのをなるべく避けたい理由でもあります。コンテストか何かで賞金を得たら還元したいのですが、全くダメですね。

 それというのも今までガンマイクも使ったことがなく、カメラの内臓マイクでの録音だったので、音声のクオリティは極めて低かったのであります。さすがにこれではいけないということで、今年はガンマイクも購入し、録音はばっちり行う予定です。ガンマイクは物干し竿みたいなのにくっつけて、カメラに映らないギリギリのところまで寄せて使うものです。去年の映画塾では録音係をして、そういったやり方をやっていたのですが、自主映画でこれほどつまらない仕事はあるのかというくらいつまらなかった。もし自主映画の現場で録音を任されている人がいたら、立場の弱い人だなと思ってあげて下さい。最初は頑張ってカメラを寄せて撮影してたのだが、実験的に寄せずにやってみたら、別に大した違いはなかった。音源に向かっていれば、大抵録れていました。

 なので、オレはカメラをやりながらでも録れるように、拳銃みたいなホルダーの付いたタイプのガンマイクを購入しました。これで演出、撮影、録音が一人でできるよ!

 オレはこうして、なるべく自由に、出てくださる役者さん以外に気を使う必要なく撮影を行いたいわけです。

一人で撮影スタッフの作業をまかないたい人のための設備
・カメラ:外部音声入力の機能のあるCCDデジカム
・ガンマイク
・安い三脚