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古泉智浩の『オレは童貞じゃねえ!!』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

ダメ男映画の傑作『蜘蛛女』

映画・テレビ

 『ピクトアップ』という雑誌でお薦め映画を紹介する記事を書かせていただいたのですが、廃盤はダメという条件だったのにロクに調べもせずに書いたらやっぱり廃盤で書き直しました。その廃盤DVD映画『蜘蛛女』の文章を、せっかく一生懸命書いたのでUPします。

 ダメ男が主人公の映画に実に共感するところが多いのですが、ダメ男ならなんでもいいかと言うとそうではなく、いい感じのダメ男ぶりが発揮されて魅力的に描かれていないとダメなのです。そんな私が認定したダメ男映画殿堂作品のうち『蜘蛛女』を紹介します。主演のゲイリーオールドマンは刑事で、妻もあり同僚ともうまくやっていたのだが、ギャングに警察が掴んだ情報を流しては謝礼で大金を受け取り、その金を庭に埋めてはワインを飲んで踊って、愛人とも楽しく不倫する生活を続けていた。そんな日々は長続きせず、ギャングからも同僚からも逃げ回るはめになり、すっかり半べそでみっともなく怯えてうろたえるばかりで、最後は散々な目にあって街を離れ、数年経っても果たされるのか分らない、わずかな希望にすがりつき、怯えたりベソをかいたりと本当に惨めったらしいまま終わってしまいます。そんなゲイリーオールドマンのダメ男ぶりの何がいいかと言うと、彼は自分でも破滅することが薄々想定しながらも目の前の甘い腐りかけの果実をむさぼらずにはいられず、そこは非常に共感できるところです。更に破滅が始まってからはその場でできる限りの足掻きを見せます。それは実を結んだとは言えないまでも、男ならそのくらいの根性は見せたいという見上げる部分で、彼は最後まで言い訳や泣き言だけは一切言わないのであります。物語はサスペンスに満ちていてとても面白いですよ。

 DVDは廃盤ですがレンタルでのDVDやVHSはいくらでもあるので是非ご覧下さい!