古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

全国共通の多チャンネル放送?

 こんなニュースがありました。
「デジタルラジオ:本放送開始が大幅遅れの見通し」

 この記事の終わりに「デジタルラジオは、専用の受信機を使ってデータ放送画面や高音質の放送が視聴できる全国共通の多チャンネル放送。」との記述があり、これは本当なのか? 全国共通の放送が行われるということは、関東のラジオ番組が新潟でも普通に聞けるようになるのか?

 オレは以前にもこのような誤解で痛い目に会っている。2001年のBSデジタル放送が始まったとき、在京ラジオ局がチャンネルを持っていると言うのでBSデジタルチューナーを買いました。当時10万円!

 地上でやっているラジオ放送をそのまま衛星を使って放送してテレビだけど全部聞けるんなら安い安い!と大喜びで買いました。

 ニッポン放送がやっていたLFX488は一部放送を衛星で放送していて『ビビるのオールナイトニッポンR』など聞きました。放送日をずらして夕方にやっていた。文化放送のBSQRでは生で『吉田照美のやる気MANMAN』を放送していたけど、スポンサーの都合で『やる気大学』のコーナーはクラッシックが流れていた。最も期待していたTBSは大学生が作ったラジオ放送という全く聞く気が起こらない編成で、期待していた『深夜の馬鹿力』などは丸っきり放送されなかった。放送時間も夜はさっさと終了しておりました。

 そのうちコンテンツが充実していくんだろうかと思っていたら次第に番組が無くなっていき、LFX488では一日中音楽が流れるだけのような状況になってしまいました。久しぶりにしらべたらネットラジオに吸収されてしまいるようですが、放送時間も朝9時から夜9時までというやる気のなさは変化なし。せめて逆にして深夜放送のみとかすれば活気が出そうな気がするのですが。
LFX488

 全然聞く人がいなかったみたい。オレのBSデジタルチューナーはもう何年も稼動してません。ラジオに関しては屋根にAMラジオ用のアンテナを立ててみたり、巨大なループアンテナを買ってみたり、アホな投資をバカバカやりましたがどれも期待はずれに終わり、遠距離受信はすっかり諦めました。部屋でラジオが「ザー」と鳴っているのを聞きつけた母が「なんでこんなの聞いてんの!」と怒鳴り込んできたのを「好きでこんなの聞いてねえよ!!」と半べそで怒鳴り返したこともあります。

 デジタルラジオになって、それこそ本当に全国共通で放送が始まったらビッグバンですよ。21世紀を向かえながら東京の人はただで地方の10倍楽しい放送が聞けているのに、田舎者は全く省みられていない。誰も好き好んでファイル交換ソフトなんて使ってないわけで、そこには止むに止まれぬ事情があるんですよ。オレは絶対に使わないですけどね。