古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

小林邦明対斉藤彰俊 大田区体育館

 ミスター高橋本でも三大ガチンコ試合として上げられていたと思う試合ですが、オレは当時東京で働いていて、新日本プロレスに乗り込んで来た青柳館長率いる誠心会館軍団の不穏な雰囲気がとても気になって、いても立ってもいられず、職場の伊崎さんと一緒にバイクで仕事の後、大田区体育館に行ったものでした。

 ノーTVでしたからね、これは見に行かなければならないと強く思いました。今ほどざっと調べてみたら92年の冬だったみたいです。

 それにしても記憶力のなさが本当にふがいないというか、そんなに熱くなって見た試合ですら、ほとんど覚えていないので嫌になります。現場にいたと言うことが、自慢であるにも関わらず忘れてしまったいるので、自慢に対しての意味がない。

 確か、その試合がメインで、それまでは橋本真也や武藤も出いていて、橋本がすごい人気だったのでオレは「ひっこめブタ!」と別に嫌いでもないのに野次を飛ばしたような記憶があります。オレはどうもおかしな事をしたくなる癖があって、UWFインターで北尾と山崎が初めて対戦した時も、あまりの山崎人気に嫌気が差して北尾を一人で応援してました。もうそんなことしないです、大人だから。

 メインの斉藤と小林の試合は、見たことないくらいのマジの空手打撃が小林の顔面を直撃して小林が動かなくなって終わったんじゃなかったでしたっけ? ノーコンテストだったかもしれないです。漠然としたイメージしかないです。一緒に見に行った伊崎さんととにかく興奮して、誠心会館軍を出待ちしました。
 
 ところが、出口で誠心会館の車だと思っていたのは、そうではないようで、いつの間にか人気がなくなって伊崎さんとバイクを止めたところまで歩いていると、通り道のファミレスで藤波が奥さんと弟子と食事をしてるのが見えました。あれだけの試合があったのに、こいつはのんきに食事なんかしやがってと、なぜか腹を立てました。

 試合をさっぱり思い出せないのに、どうでもいい記憶ばかりが蘇り、まったくふがいないです。

 しかし、ノーTVとは言いながらも映像は存在しているみたいですね。いつか見る機会があったらいいなー。こちらのサイトのリスト番号641です。

 2回目の対戦はテレビ中継されて、完全にプロレスで、ミスター高橋の親指のバンテージに仕込まれた剃刀で斉藤の額が切られるような場面を確認したような記憶があります。それでもオレはミスター高橋本を読む前までは、時にはプロレスルールで本当の試合というのはあるのだと信じていたので、本当にお人よしでした。

 その後、職場の伊崎さんはすっかりインディープロレスにはまって、W★INGの試合をすごい勢いで見に行くようになって、しょっちゅう観客として週刊プロレスに出てました。ちょっとうらやましかったです。