古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

東京でいろいろな方とお会いして来ました 1

3月1日
 ロフトプラスワン三本美治さん主催の『紙-1グランプリ』をマンガ家の尾上龍太郎さんと見に行きました。尾上さんと歌舞伎町を訪れるのは2年前に一緒にエロDVDを買いに行って以来で、開場するまで中華屋さんでビールを飲んでました。

 尾上さんはその昔オレがまだ東京に住んでいた時に『新世界ブラッドストリート』というマンガを出版されて、パチンコマンガにとどまらず、ペーソスありの行き場のない青春マンガに仕上がっていて大変素晴らしかったのです。当時、一般マンガ雑誌ではにっちもさっちも行かず、麻雀マンガやパチンコマンガなどマンガ家でも競争が激しくないジャンルマンガで創作の場を求めようとしておりました。特定のジャンルのマンガって、そもそもそういうジャンルに関心のないマンガ家は描かないので、仕事として成立しやすいのではないかという目論見がありました。その上で、尾上さんのお仕事ぶりは重要な指針となって眼前に現れていたのです。

 初めてお会いしたのは竹書房の麻雀大会で、当時はヤングチャンピオンで『新世界ドラゴン』という現代をファンタジックに描く青春冒険活劇マンガを描いていたのか、連載が終わったあたりだったのか、その辺でした。単行本が一向に出ないので、どうしたことか聞いたら、全然出版してくれないとぼやいておられて、全部読みたいんだと強く訴えると貴重な雑誌の刷り出しをポン分けてくださいました。早速通して読んだら、極めて面白く、アパートの連中に回し読みさせた覚えがあります。当時オレのマンガの売り上げが80万かそのくらいだったのに対し、1千万を超える売り上げを達成されていて、驚愕しました。周りが貧乏人ばっかりだったので別世界の話って感じでした。なにしろ都内でパジェロを所有してましたもんね。オレは中古のGB250を15万で買って乗ってました。マンガってすげーなと思いました。

 それ以来年に一度くらいお会いさせていただいて、スーパーボールをマンションで見せてもらったりもしております。

 そんな尾上さんと三本さん主催の紙芝居イベント、『紙-1グランプリ』を見に行きました。アックスから花くまさん、堀さん、かつて同じアパートに住んでいた芸人の元気いいぞうさんまでも出場するというので、絶対に行こうと前から決めてました。

 イベントはすごく面白かったです。セーラーチェーンソーさんの『おいしんぼ』の映像付き紙芝居も面白かったです。堀さんのダンス付き急展開紙芝居が作品としては一番笑いました。花くまさんのはマンガのそのままで、ギミックなしでもっとも正統派な紙芝居だったのではないでしょうか。そしてまさかの三本さんが一回戦ビリで脱落の結果にも驚きました。内容はトップレベルの面白さだったんですよ。オレが投票した時は、堀さんが1個しか得点がなかったから堀さんに入れたんですが、結果堀さんがトップで決勝進出でした。こんな事なら三本さんに入れればよかったです。

 イベントの詳細はこちらのサイトをご覧ください。

 会場では元気いいぞうさんがオリジナルCDを販売してました。昔、元気さんはカセットを売っていてそれが1本2500円もするので買えなかったのですが、今回は1枚千円だったので5種類全部大人買いしました。僕はバンドで元気さんの名曲『狂っている』をカヴァーしているので、きちんと音源を聞いてちゃんと演奏できるようになりたい! 元気さんの『狂っている』はレコード会社からCDを出している人以外の人の作った歌の中では一番感動した歌なんですよね。初めて聞いたのは、元気さんがお神楽に行っていた時の打ち上げか何かで演奏したのを録音していて、それで聞かせてもらいました。元気さんは録音できるウォークマン的なカセットレコーダーを持ち歩いていて、お神楽に一緒にやっている人の珍奇な言動や奇怪な言動を録音していました。

※思いつくままに作文しているので初日でこんなに書いてしまい疲れたので、続きは気が向いたら書きます。ライブレポートがメインのはずだったのに、果たしてたどり着けるのか。