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古泉智浩の『オレは童貞じゃねえ!!』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

映画をたくさん見ました

 去年までは上京の中心となる用件はハロプロ関係のイベントでそれに近い日程のものを予定に組み入れていっておりましたが、それは止めました。人に会う用事もあったりでキツキツの予定だったのですが、今回は初代トークマスターを知人の宅に設置させていただき、ビビる大木さんのTBSラジオの番組を録音するというのがメインの用件で、展覧会を2件回って来ました。ちょうど会おうと思っていた人との予定が合わなくなって時間が空いたので普段しない事をしようと思い、ちょうど阿佐ヶ谷で田中登さんの映画の上映があったので3本見て、大越孝太郎さんの『猟奇刑事マルサイ』出版記念でタコシェでサイン会に行って、バーホーヴェン監督の新作『ブラックブック』を見て帰りました。映画についてこれから書こうと思うのですが、ネタばれに対する配慮はないので、気になる人は読まないでください。

 元はと言えば、『仁義の墓場』での芹明香さんがあまりに強烈で、他の出演作品を検索していたら田中登監督作品に突き当たり、今月の映画秘宝でも特集があり、どうやら田中登監督の作品は面白いようだとビデオ屋に行ってみたら『女教師』というのをレンタルDVDで発見し借りてみたら、大変面白くびっくりしたところでした。

 肝心の芹明香主演作品である『マル秘色情めす市場』は日程が合わず見れず仕舞だったのですが、その次に見てみたかった『マル秘女郎責め地獄』と『丑三つの村』をみる事ができて、その間に上映されいた『愛欲の標的』もついでに見ました。ラピュタ阿佐ヶ谷という円筒形の建物の映画館でした。

田中登監督作品
・『女教師』1977
 古尾谷雅人さんのデビュー作で、中学生役! ちょっとしたサスペンスもあり、大変おもしろかったです。挿入歌で泉谷しげるさんの『春夏秋冬』が掛かって大変切ない青春のやるせなさを見事に演出されております。

・『マル秘女郎責め地獄』1973
 やると死ぬと言われている死神おせん(中川梨絵)という女郎が遊郭(吉原よりずっとレベルの低いぼろぼろの街)でヒモ男に騙されて乞食に輪姦されたり、とにかく散々な目に会う。ほかにもいろいろあるのですが、面倒なので検索してレビューやあらすじを読んでください。物語は実に巧妙に練りこまれかつ、ざっくりとした趣もあり、芸術作品として洗練されながら、なおかつ人間臭くエネルギッシュで、感動してしまいました。見ると元気がでます。何から何まですごい作品なのですが、特に美術が素晴らしく、町並みのセットの汚さがすごいです。それからカツラの汚さもすごくて地毛にしか見ませんでした。

・『愛欲の標的』1979
 エロサスペンス映画で、これまで見た作品がどれも素晴らしかったのでこれもすごいのかと思ったら、案外ぐずぐずでした。日野繭子さんがフーテン娘役で出演しかわいらしいおっぱいを見せてくださってました。日野さんはCCCCというノイズバンドをやってらっしゃって、僕は台湾で一緒のイベントに出た事があります。取り壊し予定の日本酒工場が会場のブロークンライフフェスティバルというイベントで確か1995年だったと思います。CCCCの前の出番のバンドがうんことおしっこをバケツにためてそれを会場に撒き散らすというパフォーマンスをしたら、CCCCの機材に掛かったとの事で日野さんが怒って、CCCCの出番だからと見に行ったら、日野さんと前の出番のバンドと観客とでシャベリ場みたいな討論会になってました。なので日野さんはノイズのおっかないおばさんというイメージしかなかったのですが、可愛らしい女優さんの姿も知れてよかったです。

・『丑三つの村』1983
 古尾谷雅人さん主演の津山三十人殺しの映画化。古尾谷さんが夜這いしたり、完全武装して殺しまくりというこれまた強烈な映画でした。娘時代の田中美佐子さんがお風呂を覗かれたり青姦したりの大活躍でした。映画秘宝が大推薦するだけあって、すごく面白かったです。

 帰宅したら注文していた『実録阿部定』が届いていたのでこれから見ます。これも大変評価の高い作品なので楽しみです。

ポール・バーホーヴェン監督
『ブラックブック』
 新潟では上映の予定が不明なので新宿の高島屋の映画館で見てきました。客席がすごく急なひな壇形式の映画館でとても見やすかったです。映画は意外なほどにまっとうなエンターテイメントの戦時下におけるスパイ映画というかレジスタンス映画でした。主演のカリス・フォン・ハウテンさんの目と硬い表情が魅力的でした。悪趣味な過剰演出は控え目でしたが糞尿ぶっかけシーンには驚きました。人々の命が羽毛のような重さで描かれ、女優がみんなおっぱいを見せるのですごくよかったです。戦争映画で、群像劇になると誰が誰だか分からなくなり、物語も散漫になることがよくあるのですが、この映画は主演のカリスさん中心に据えてカリスの目線でずっと描いていたので、混乱しなくてよかったです。