古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

この風をなんとか追い風にできないものか

 大林宣彦監督の新作『転校生 さよならあなた』が公開されております。それから童貞ものもここまで来たのかという『中年童貞』という本が評判となっております。どうにかこの風を追い風にできないものでしょうかね。
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 大林監督の『転校生』は尾道三部作の第一作目を飾る大傑作青春コメディ映画です。かつてはモーニング娘。でドラマでリメイクされた事もありました。それをなんと大林監督ご本人が再び映画化するそうで、本当に驚いたわけです。何を隠そう、オレも原作小説『オレがあいつであいつがオレで』の山中恒先生公認で、『転校生 オレのあそこがあいつのアレで』という品の無いエロマンガでパロディにしたことがあります。大林監督が一体なぜあれほどの大傑作をリメイクしたのだろうと不思議な気持ちになります。主演の蓮佛美沙子さんは大胆に裸になったりするのだろうかとワクワクしたのですが、それはないみたいです。詳しくは発売中の映画秘宝に大林監督のインタビューが掲載されておりますので、ぜひ皆様にお読みいただくとして、この『転校生』再映画化に合わせて、オレの『転校生』もなんとか評判にならないだろうかと期待していたのですが、別に何にもありませんね。ぜひ、オレのマンガの読者の皆様には、映画に結びつけた形でブログやmixiの日記で感想を書いてみたりする行動をお願いしたい次第でございます! 残念な事にこの映画、新潟では上映がないみたいなんですよね。

 さて、オレが童貞マンガ『チェリーボーイズ』なんて下品なマンガを描いたのは2001年くらいの事で、当時は人前で「童貞」なんて言葉を発しようものなら「しーっ!!! そんな事言っちゃダメ!!」と言われるような風潮がありました。マンガの登場人物も二十代中盤で未だ童貞なのが、切実な悩みであるという扱いでした。みうらじゅん先生や伊集院光さんによる『D.T.』、ビビる大木さんのラジオで『童貞川柳』という面白いコーナーもあり、そういう文化による雪解けムードで次第に童貞の皆さんも息がしやすい社会になってきて、それはとてもいい事じゃないかと思っておりました。ところが、この2007年に露になっているのが中年童貞の存在で、性の格差社会とまで言われております。今やオレが描いたマンガなんて眠たいテーマとなってしまいましたが、そこは目を瞑ってこの風潮を追い風にならないものかと目論んでおります。『40代の童貞男』という映画もとても面白かったです。00年代初頭の時代をプレイバックしつつ、『チェリーボーイズ』を現代につなぐ糸口とするような感じの書評や感想などを、ぜひ読者の皆様にはブログやmixi日記で書いていただけたらなと思う次第でございます。でもこのまま行くと、そのうち『童貞老人』『中年処女』なんて問題が浮上しそうですね。

 『転校生 オレのあそこがあいつのアレで』も『チェリーボーイズ』も在庫は倉庫に唸るほどありますよ!