古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

空手の試合を見てきました

 自分が習う前は空手の試合をテレビで試合の中継を見ても、ボディの突き合いが退屈に思えて、K-1などに比べると地味で面白くないと思っていたものですが、習ってから見るとこれはきつそうだと想像が働くし、何より知り合いの人が出ていると熱いものあります。昨日は朱鷺カップという大会があって、中高生中心で一般は初心者部門だけという馴染みすいというかあまり敷居の高くない大会でした。

 試合がそもそも、1分半か2分で終わるのでサクサク進行していいです。それでも試合数がやたらと多いので、最後にプログラムされていた目当ての一般初心者部門が始まったのが夕方6時で、用事があったので焦りました。時間のせいか何なのか分かりませんが、欠場者が3人もいたお陰で、同じ道場の人の試合が早くやってきたので見る事ができました。二人出ていて、二人とも攻められるとすぐ引いてしまうところが目に付いて判定負けでした。残念。

 オレもそういうのあるので凄く気持ちが分かります。気合の問題なんでしょうけどね、相手が前にぐいっと出てくるとつい後ろに引いちゃうんですよ。試合に際して先生は「相手を殺す気で行って下さい」とおっしゃるのですが、見ず知らずの相手ですし、お互い初心者ですしね、そんな気持ちになりにくいですと言うと「相手は殺す気で来ますよ」と言われてしまうわけです。無理ですよね。

 高校の時、剣道部に所属してました。その時も試合がすごく嫌いで、『ジンバルロック』にも描きましたが、とにかく別に強くもなんともないですし、試合に勝ちたいという気持ちも全然でした。早く終わりたいという気持ちしかなくて、わざと隙を作ってみたりもしてました。なんかひどいですけど、みんなどうなんですかね。麻雀とかは勝ちたいですよね。負けると大損するので。でもこういうので、何も掛かってない状態で勝ち負けってそんなに重要ですかね。団体戦だとみんなに迷惑が掛かるので重要ですが。だったら試合なんて出なければいいと、まったくそうなんですけどね。

 一所懸命やっている人は試合に出て勝って、練習の成果を確かめたいというのはあると思います。オレも空手で試合に出た時はそんな気持ちもありました。でも試合が始まったらとにかく嫌で嫌で、一応最後まで頑張ったつもりですが、早く終わりたいというのが一番の感情でした。やっぱり向いてないと思いました。オレにはなにクソ根性が全然ないです。一人っ子だったせいだと思います。金を賭けてやったらもうちょっと強くなれるかもしれません。

 ここ何ヶ月かずっとやってる中年の空手マンガの取材を兼ねて見に行った試合で、こんな事を思い出して複雑な気分になってました。マンガではもうちょっと普通のメンタリティで人並みの闘争心を描きたいと思っていますが、描いているのがオレですからね、不安はあります。

 今週は、アックスの締め切りがあって、『ところでここどこ』もあるし、週末に自主映画の撮影があるので準備も怠りなくやらないと手伝ってくださる映画塾の皆さんに迷惑が掛かります。選挙も面白すぎるし、大変だ。ステディカムの自作がしたい。今回は使わないので不必要ですが。このクソ忙しいのにニコニコ動画の有料会員になりました。見逃していた『わたしたちの教科書』の冒頭1分半が見れましたし、ずっと見たかった『めちゃイケ』の台湾との対戦のが見れました。もう元を取った気分。UFC見ていたらみんなが突っ込み入れていて面白かったです。ニルヴァーナのアルバムの最後の曲で30分くらいあるけど真ん中に長い無音がずっとあるの、本当に邪魔。当時は一曲1秒の無音が何十曲入っているのがあったりもして、こういうのが洒落てたんですね。