古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

体験版では限界がある

 例年と同じで手持ちの機材とDTMマガジンのおまけのソフトで映画の音楽を作っているのですが、ケチケチしているだけあって、どうにもだるい場面が多々あります。

 今月号で特集ではFL STUDIO7で「トランスを作る!」という記事がありました。ちょうど、ピンサロの場面があるからユーロビートかトランスがいいなと思っていたところだったでの、さっそくFL STUDIO7の体験版をインストールしてみました。ところが、これが全部英語版で、説明も先月号の続きのせいかさっぱり分かりませんでした。すぐにアンチインストールしました。アプリケーションの表示って日本語でもあんまり意味が分からないのに、英語なんて絶対分かるわけないです。

 これは参ったと、付録のDVDのソフトの解説ビデオを見ていたら、MIXTUREというソフトで随分簡単そうに音楽を作ってました。こちらの体験版は10日間限定で、オーディオファイルへの出力ができないという制限がついてます。操作は、以前にこれまた体験版で使ったACIDに似た感じでとても簡単でした。以前に使ったACIDはエフェクトが使えないのと、音声がモノラルという縛りでした。でもそれだと、別に気にしないだけで充分使えました。なにしろ自主映画の元々の音声自体、ステレオを気にしていないので大丈夫なのです。

 ユーロビートかトランスですが、ユーロビートはメロディが難しいので、トランスにしました。場面が3回あるので、テンポや音素材をちょっとずつ変えて3種類作りました。オレが言うトランスですし、素材にトランスって書いてあるからトランスなので、耳の肥えた人には聞いて欲しくないようなものです。それにそもそも映画の場面のツマみたいなものなので、個性もいらないです。いい音楽である必要もそんなになくて、2小節作って16回繰り返してるだけです。

「3.MP3」をダウンロード

 オーディオファイルで出力ができないので、スピーカー端子からICレコーダーにつないで録音するという実にかったる作業をしました。前のパソコンではステレオミックスだか、そんなのがウィンドウズのボリュームコントロールのプロパティで録音を選択するとあって、それでパソコン内部の音声をダビングできたと思っていたのですが、ASUSのマザーに付属のシステムではないみたいでした。だるい。それから体験版のせいか、一番最初の音がドカンと出て音が割れます。なんだろう。

 ソフトシンセはこれまでやろうとしてよく分からなくて断念していたのですが、今回は企画でソフトシンセを体験という記事があったので、これでヴェルベットアンダーグラウンドの「サンデーモーニング」のイントロのオルゴールの音みたいな感じのSEを作りたいと思ってやってみました。MUSIC STUDIO PRODUCERというDAWソフトにSynth1というソフトシンセを組み込んでやる方式で、やってみると仕組みが分かりました。「きらきら星」のメロディを打ち込もうという企画だったので、ちょっと違うけど、これをもじってそんな感じにならないかなーとやって見たところいじっているうちに全く違う感じになりました。オレの自主映画だしまあいいやという事になりました。こだわってたら終わらないですからね。

「2.MP3」をダウンロード

 ドラムの四つ打ちの激しいのを作りたいのですが、ドラムエディットのウィンドウがが体験版では付属している事が少なく、困ります。実を言うとDTMは8ビットパソコンの時代からオレはやっているんですよ。エプソンのPC286でハードディスクもない時代で、ペラペラの紙の5インチのフロッピーでやってました。それで、ヤマハDTMソフトを入手して、それでドラムエディットでやったらえらく簡単にできて魂消たものです。それ以前も以降もドラムマシンを買っても、結局自分でリズムを組む事ができなくて、半べそでした。ちっこいウィンドウで何番が何々なんてやって紙にメモしてやるやり方は半端じゃない根気と鍛錬が必要です。今持っているZOOMのMTRリズムマシンの機能が付いていて今回こそは絶対に投げ出すまいと心に誓って買ったのですが、すぐ断念しました。やっぱり無理。

 時代は流れてドラムエディットなんて初歩的な機能はパソコンやソフトの能力からしたらなんでもない機能のはずなのに、高いソフトを買わせるために、安いソフトや体験版からは取り外されている場合が多いです。Cubase LEも調べたらついてませんでした。それを目当てに何か買わなくてよかった。上位機種には付いてました。

 それで、Cubaseですけど、なんかこうかっこいいし欲しいですし、SE3なら2万円ちょっとで買えます。みんな使ってるしオレも「Cubaseで作ったんだよ」なんて言ってみたい気持ちがあります。しかし、多分恐らくオレに向いていて使い易いソフトは国産のSinger Song Writerなんですよ。名前が垢抜けないですし、人に言うのもどこか野暮ったい。鼻歌入力もできます。Cubaseの一番いいのは10万以上するのに対して、Singer Song Writerの一番いいのは4万ちょいです。しかもそんないいのは必要なくてオレが買おうと思っているのは2万ちょっとくらいです。一番やりたいドラムエディットもついてます。一年で今ぐらいしか使わないので、そんな上等なものは必要ないんですよ。

※この後、Singer Song Writer8.0の体験版を試してみたところ、ドラムエディットはありませんでした。買わなくてよかった。