古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

『デスプルーフ in グラインドハウス』見ました

・『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』
・『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』
・『プラネット・テラー in グラインドハウス
・『インランド・エンパイア』
・『転校生 さよならあなた』

 今年の夏はこれからだと言わんばかりに映画はこれからが熱い!お楽しみが目白押しです。

 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』は良くも悪くも話題ですからね、早目に見ておくとネットの発言などすごく楽しめます。お祭り度で言えば一番じゃないでしょうか。『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』は今月の映画秘宝で大特集が組まれているので、そこまで言われると読者として見に行かないわけに行かない状況です。事前情報だけだとあんまり食指が動かないんですけどね。『プラネット・テラー in グラインドハウス』は期待度で言えばこの中で一番で『デスプルーフ』が良かっただけに、あんまり期待しすぎるのも良くないかとおも思うんですけど。

 『インランド・エンパイア』『転校生 さよならあなた』は新潟での上映がこれからなので、全く地域限定で申し訳ないですが、本当に楽しみ。東京で見なくてよかった。特に『転校生 さよならあなた』はまたお知らせしますが、初日にNAMARAの江口さんと一緒に記念トークショーさせていただく事となりました。ぜひいらして下さい!

 それから花くまゆうさくさんがポスターを描いているカナザワ映画祭2007 『青いオトコまつり』 というすごいイベントもあります。同じ日本海側在住として行ってみたいこと極まりありません。オレは今、一番人生で映画見てますから、そんな時期にこんな映画祭があるのも何かの縁と言うもの!

 それで、『デスプルーフ』ですが、以下ネタばれアリアリなので、これからお楽しみにしている方は絶対にここから先は読んじゃダメですよ! あらかじめ言っておきたいのは、公開二日目の日曜日に小新のワーナーで見たのですが、ガラガラとまでは行かないまでもあんまりお客さんが入ってませんでした。新潟でこういう素晴らしいアクション映画が今後上映されなくなるのではないか、そんな危機的状況です。90年代からタランティーノさんに、ずいぶん楽しませてもらっているわけじゃないですか。オレは『キルビル1』は全然好きじゃないですけど、それでもみんなでいいだ悪いだ言って楽しかったです。新潟の皆さん、映画秘宝見てそれで小新のワーナーにも足を運びましょう。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』なんて初日、深夜の上映まで満席で入れなかったんですから、それに比べるとあんまりな状況です。

 見ていてしばらくは、「何これもしかして、えらく薄くて浅い話じゃないの?大丈夫?」と不安になったものですが、後半に行くに従ってどんどんテンションが上がって、ぐいぐい引き込まれて、「THE END」が出たときには、あんまりなタイミングにずっこけて笑いました。実際えらくシンプルな話なのですが、そこがいい方向に作用していたんじゃないでしょうか。

・前半の殺された女は怖い。どんなに色っぽくても態度とお行儀が悪すぎて、あんなじゃ萌えれない。これがツンデレなのか。殺されるとスカッとする。
・ラップダンスって実際されたら困る。男がいいさらし者だ。
・カートラッセルが腕を撃たれて痛がる様! 大人が痛くて泣いている。ちょっと前に見た『ザ・シューター』がわき腹を撃たれながら無かったように活躍していた事に、違和感があったので、これだと思った。
・70年代の車は鉄で出来ているので、壊れていく様が色っぽい。現代の車だとバンパーがバカッと割れてみすぼらしくなりそう。
・全体的に予算が安そう。
・音楽がやっぱりすごくいい。サントラ欲しい。
・これ一本で相当お腹一杯。むしろ『プラネットテラー』を一緒に見ないで助かったような気がする。
・こんな映画をゲラゲラ笑いながら「今のカット最高だよ〜」なんて撮影していそうなタランティーノさんの姿が目に浮かぶようだ。

 幸福かどうかを視野に入れない生活を心がけているオレですが、そんなオレが見ても幸せそうだなと羨ましく思うのは、中川翔子ちゃんとジョシュバーネット、そしてタランティーノさんです。みんな心からヲタ生活を満喫してそれで社会で活躍できています。ファンも喜んでいて、きれいな円になってる感じがします。バカみたいに嬉しそうじゃないですか。本当に素晴らしい事で、才能と実力と状況が揃わないとこうはいかないと思います。この人たちには迷いが全然ないです。実際にはいろいろ嫌な事もあるんでしょうけど、清算すると嬉しさの方が断然勝っているでしょうね。もしこの人たちが自殺でもしたらどこに希望があるのか分からなくなってしまいそうです。