古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

今更ですが亀田問題

 長男の興毅さんの謝罪で沈静化しつつありますが、どうにも腑に落ちない点があるので言わせていただきたいです。オレはお行儀の悪いところがあんまり好きじゃなかったですが、それでTBSの『ZONE』の始めから亀田一家はDVDに保存しているくらいチェックしていました。やっぱり面白いですからね。

 それで、「悪さ」を売りにして来たわけじゃないですか。そこが受けて人気も出たわけですが、気に入らない人もたくさんいて今は亀田興毅さんが謝ったもんだから、やれマスコミが悪いだTBSが悪いだとかそういう流れになってます。それも含めて面白いですが!

 腑に落ちないのは「悪さ」を売りにして来た連中がちょっと叩かれたくらいで、大毅選手は精神的にえらいまいってると泣きを入れてるわけですよ。ファイトマネー1億の男がまいってんじゃねえよ。お父さんの史郎さんが侘びを入れたのが全くの逆効果であったのも最高に面白いじゃないですか。興毅さんも始めは反則の指示についても「あれは亀田流の言い回しや」とファックスで何か言ってたじゃないですか、ヤンキーの同志の理屈では通るんですかね。

 もっと言わせてもらうと、この件で損した人って誰もいないですよね。トレーナーができなくなったお父さんくらいじゃないですかね。それでも懐はあったかいじゃないですか。特に内藤選手なんてファイトマネー一千万とは言え、これまでないくらいの待遇だったはずでしょ。それに好感度と知名度を限りなく上げたわけじゃないですか。これからCMがばんばん来るだろうし、次回のファイトマネーも高騰しますよ。紅白の審査員かなんかするんじゃないでしょうか。ちょっと意地悪な書き方してますが、オレは内藤選手好きですよ。全然知らなかったですが好きになりました。次の試合も見たいです。TBSだって目論見通り高視聴率を叩き出したじゃないですか。次の亀田戦はスポンサーは勇気がいるかもしれないですけど。次の亀田戦は見ないなんて言ってる人も絶対見ますよ。オレは絶対見ます。楽しみでしょうがないです。ますます視聴率は上がるでしょうね。

 それで、いろいろ情報が出て、オレなりに考察してみたところがあります。

 内藤選手は屈指のハードパンチャーだったそうで、TBSラジオのアクセスで誰かが言ってたんですが、これで大毅選手の作戦に合点が行きました。当初、ハードパンチャーの大毅選手対テクニシャンの内藤という図式でオレは試合を見ていたんですが、大毅選手があんなに腰を曲げて試合を進めていたのは、内藤選手のパンチを本当に怖がっていたんですね。時折、体を起こしては首を捻っていたのは、実際内藤選手のパンチを受けて、想定外の威力に「やばいこんなはずでは……」と首を捻ったのではないでしょうか。

 記者会見の大毅選手とお父さんが詫びた際に、大毅選手が無言のままさっさと引き上げたのは、とにかく大毅選手が可愛くて仕方がないお父さんにとって、こんなに可愛い大毅がこんなにも弱った顔をしているのを見たら、誰もが可愛そうに思うに決まっている、だからもう引き上げても大丈夫だと思ったんじゃないでしょうか。ところが世間の皆さんは憎たらしいヤンキーがこれまでさんざんふんぞり返っていたのに一言の詫びもないとはどういうことだと怒りが爆発という皮肉な流れを生んでしまった……。

 オレは史郎さんはトレーナーとして高い能力があると思います。仮にも世界チャンピオンに育てたわけじゃないですか。それに今時あんなマンガみたいなクレイジーな練習を真剣にやってる人はいないです。父親以外にあんな指導で選手を鍛えられるわけないじゃないですか。みんな逃げますよね。膝や腰を故障する危険はすごくありますが、トレーナーのライセンスを戻して欲しいです。

 ぜひとも三男の和毅さんには国内の新人戦など普通の路線で勝ち進んでお父さんの指導が正しかった事を証明して欲しいものです。それでちゃんとした手順で勝って歌うなり踊るなりすればいいと思います。

 他にもなにか思いついた事があったような気がしたんですが忘れてしまったので、また思い出したら書きますね。