古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

音楽は素晴らしい

 先日の日曜日ご飯を食べながら『バンキシャ』を見ていたら、パッパラー河合さんが北朝鮮に行って女子高生にロックを教えるというのをやっていた。その場で見た限りなので、勘違いやうろ覚えの部分があると思います。もし見た人で間違いや補足すべき点に気がついたら、教えてくださいね。

 北朝鮮のバンドの女の子はそれまで『アリラン』の歌をすごく大人しく、ギターやベースは座ってとても丁寧に恐る恐る演奏してた。ギターは弦が3本しかなかった。そんな健気な姿に、オレはもうこの時点でうるっと来たわけです。

 女の子達はとても純情可憐で大変可愛らしく、特にドラムの子は可愛くてパッパラー河合さんが目の前で激しくドラムを叩くと、とても驚いて目を丸くしていた。そんな彼女達にロック風にアリランをエキサイティングに演奏させていた。ベースとギターの女の子には粗末な紐を括って下げられるように立たせて演奏させた。女の子は初めて触れたロックにとても驚き、表情が輝かせた。美少女が素直に嬉しそうにするのって感動的で、オレはまたしてもうるうるした。また、河合さんは宇多田ヒカルの『オートマチック』を聞かせ、日本では16歳のあなた達と同じ年の女の子が日本の音楽を変えたんだよと教えた。このエピソードにもまたもやうるるんでした。

 一旦帰国した河合さんは何ヶ月かして再び北朝鮮を訪れた。その時は『私はクエスチョンが好き』という意味深なタイトルのオリジナル曲で、激しいハードロックを彼女達に教えるのだった。北朝鮮で音楽をやるなんていうのは相当な才能を認められているわけで、レフトハンド奏法などをあっという間に習得して、見事に激しく演奏してレコーディングもした。それを河合さんはアメリカのゲフィンレーベルなどでヒットさせてエンジニアにアレンジを依頼し、かっこよく仕上げてスタジオで披露していた。北朝鮮では体制に疑問を抱く事など許されない事なので、そんな歌を覚えたらむしろ彼女達がこれからどれだけ苦しむのか分からないような気がしないでもなかった。

 でも、パワーオブミュージックをありありと見せ付けられ、彼女達の素直な嬉しそうな表情が本当に素晴らしかった。母と見ていたので、涙を堪えるのが大変だった。音楽って素晴らしい!と改めて思いました。