古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

長編が終わったらやりたいこと

 3月3日が締め切りの『ワイルド・ナイツ』が28日で描き終わって、意外と呆気ないような気もしたのですが『Cool Trans』の作画を後回しにしただけなので全く気が抜けないです。マンガを描き始めて15年くらい経ってますが、初めて締め切りに追われるという体験をしています。これまでの長編は大体描き終わりくらいに連載が始まって、連載終わったくらいに担当編集者さんに「打ち上げどうします?」と言われてもとっくに描き終わっているから「いいです」と断る始末でした。あんまり締め切りに怯えすぎてどんどん進行が早くなっているような気もするのですが、ストックが1〜2本あるくらいじゃないと全然安心できないです。

 先月は上京したのと『アニメ夜話』の収録を見に行った以外休んでないですよ。確定申告もしないといけないし、いやまいった。テレビもろくすっぽ見てません。ラジオだけはガンガン聴いてます。TBSラジオの『アクセス』もほぼ毎日聞き始めているので、社会や政治に詳しくなっちゃいます。

 3月は『DREAM』や『戦極』といった格闘技の熱いのが始まるじゃないですか。スカパーをデジタルにしようと思ったらBSアンテナが古いらしくe2byスカパーが受信できないみたいなんですよ。PRIDEもなくなってUFCの中継もなく、CSでマイナーな興行を見ていたのですが、それもすっかり見なくなり、だんだんどうでもいいような気分になって来たのですが、3月からは熱いのをちょうだいして気合が戻るといいなと思いました。

 長編に携わっていると何も他に手が回りません。終わったらやりたいことがあれこれありますが、そんなの去年の暇だった時にやっておけって話なんですよ。

・自費出版
 1ページとか2ページとか3ページとか4ページとか5ページとか、4コマとか単行本に納まりの悪い原稿がけっこうたまっているんですよ。あと、数年前からぽつぽつ書かせていただいている文章の仕事も単行本に入らないので、そういうのをまとめて自費出版したいんですよね。
 
・パソコンでの直接作画を試したい
 ちょっとまえのアスキーでしょこたんが、ペンタブレットの液晶モニタのノートパソコンとコミックスタジオでマンガを描いてました。今のパソコンは改造したりシステムの変更をすると調子悪くなると嫌なので、それに、ノートパソコンだったらよそに出かけたりした時にも作業ができるじゃないですか。これができたらいよいよ紙が不必要になります。ぜひ試してみたいです。

・アシスタントの雇用
 一人で仕事するのにすっかり慣れ切ってしまい、全然問題ないのですが、世界が広がらないですし後進の育成にも携わりたいという気持ちもあります。オレなんかに育成されてもたまらないかもしれないですが、そういう場合はすぐ辞めてもらいます。背景とパソコンでの仕上げ作業を頼みたいんですよ。背景もゆくゆくはデータベース化してはめ込みで全部できるようにならないかと思ってます。そうするとオレは人物の線画を描いたら後は全部丸投げして遊びに出かけることもできるのではと目論んでいるんですが、そこまででなくとも作業日数が軽減したらとてもありがたいです。はっきり言ってオレのマンガの背景なんてこの調子ですからね、そんなにややこしくないと思うんですよね。自給で払うべきなのか出来高制にするべきなのか、能力にもよるのでしょうけどいろいろ検討しないといけないです。

・ちゃんとした自主映画
 こういうと申し訳ないのですが、毎年自主映画作っていますが、時間とか作業ノルマに追われて結局妥協の産物、悪く言えばやっつけ仕事になっている事は否めません。オレの気合の問題も非常にあります。今年も長編の最中になるので、できるかどうかすら怪しいもので、5分くらいのでいいから夏に自主映画作りたいです。山形の佐藤監督による『透視せよ!タケオ』を見て以来、こんな事ではいけない、自主映画だって頑張ればけっこうな作品が作れるのだと目を開かされて以来、きちんとしたものを作ってみたいんですよ。長編が終わったら気合入れて自主映画のキャリアの集大成のような作品を作ってみたいです。録音にもきちんと気を配って作りたいです。

 あと、『カラマーゾフの兄弟』など文学の名作を読みたいです。それからPS3を買って酔いそうなゲームをしてみたいです。