古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

『NEXT!』最終回

 すっかり定着していると思っていた新潟放送の深夜バラエティ、『NEXT!』(niigata exiciting TV)が視聴率不振で本日の放送をもって終了となります。NAMARA芸人やこわれ者の祭典の皆さんの他にもプチミットの小林や、mimizの福島さんなど知り合いも多数出演して、新潟のサブカルの人が本当にお世話になった番組でした。オレ程度のマンガ家が東京に住んでいたら絶対にテレビに出るような機会があるわけがないのですが、新潟というゆるい土地のお陰で、杉作J太郎先生やみうらじゅん先生のような気分を味あわせていただきました。實石さんや田中さんといった美人女子アナにお会いでき、ビンタまでしてもらえて本当に面白かったです。

 番組のディレクターの伊藤さんとの縁は、そもそもオレが東京で一緒にバンドをやっていた小林賢輔さんが、文通のような事をしていて、「新潟で一人でノイズ活動をやっている人がいる」と教えてもらったというところから始まっています。その後、プチミットの小林が古町のWOODYでライブイベントをやってくれて、フィーバーズで出たときに始めてお会いしました。伊藤さんのmiminaryというノイズバンドとの対バンでした。一昨年もイベントに誘っていただいて、ライブをしました。miminaryはロック魂溢れるノイズバンドでかっこいいのです。

 そんな伊藤さんが昨日の収録の打ち上げで「人前に出るのは苦手」とおっしゃっていたので、あれ?ステージで鉄板をぶっ叩いて轟音をとどろかせている人が何をおっしゃっているのだ!?とびっくりしたわけです。

 サブカルは金にならないとはよく聞く話で、しかもそれが地方では更に悲惨な事になるわけです。『NEXT!』も実はそんなにサブカルが中心ではなく、ファッションやメイクや競馬などの企画が数多くありました。オレが何か上映会などイベントを開いても集客は最大で30人くらいなので、商売としてはパッとしないです。でも本当に面白いものができればDVDなどで全国展開できなくはないと思います。例えば『水曜どうでしょう』のように地方のテレビ局発で全国展開するような番組もあり、可能性はあるわけです。オレのマンガを新潟でテレビドラマ化してそれこそアナウンサーの皆さんに出演してもらってそこそこのクオリティのものができたらDVDなどでいくらか商売なるんじゃないかと思います。原作料は格安でけっこうです。マンガそのものが全くヒットしていないので、まずはそこから頑張りたいです。とにかく新潟だけをターゲットに考える方が商売としては厳しいと思うのです。日本酒や米や煎餅みたいに新潟のサブカルも全国に流通させたいじゃないですか。

 実は新潟のサブカルはマンガ業界では相当なコンテンツを誇っているんですが、みんな東京で商売をしているので新潟にあんまり住民税などが落ちてこないんですよ! 新潟色もあまり出てないです。小林まこと先生、高橋留美子先生や水島信司先生、小幡健先生にぜひとも新潟に仕事場を、せめて住民票だけでも移していただけたらと切に願います。むしろ逆でオレも東京に出た方が商売としてビッグにできるのかとも少し思いますが、オレの絵や内容では勝負にならないですね。 

 新潟をエキサイティングにするテレビ『NEXT!』が始まって1年半で終わりましたが、打ち上げでは惜しむ言葉が交わされ、次世代の人たちも熱い魂をたぎらせておりました。確実に種は撒かれたと思いました。『NEXT!』はなくなってしまいますが、ここで培われた次の何かが新潟をエキサイティングにするんじゃないかと期待しましょう。

 テレビにはそんなに携わっているわけではないので、オレは出版を中心に新潟発のサブカルで何か中央や日本中がビックリするようなエキサイティングな活動ができるように頑張っていきたいと思いました。