古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

来年の仕事

 来年は、どうしようか迷っているんですけど、今やらせていただいているCool Transとマガジン・バンとパスマガジンの仕事が分量としてはすごくいいんですよ。これだけでは生活に心もとないので、レギュラーのショートマンガがあと1〜2本あったら普通の会社員よりちょっと賃金が物足りないくらいで、そんなに悪くないです。オレはあんまりお金使わないですからね。でもですね、現状の仕事もいつまで続けさせていただけるのか不明ですし、出版業界も不況と言われて久しいですし、雑誌がどんどん減っていくとも言われています。やばい、うかうかしていられない!

 これまでやってきたような長編をネームまとめてやって、それからOKを頂戴して連載を始めるという形は、いい加減もうしんどいので、きちんとレギュラーで連載して、それで人気がなくなったら終わりというような、一般的なマンガ家みたいな仕事をしてみたいんですよ。今は完全に一人で仕事してますが、そうなるとそういうわけに行かないです。人を雇用してみたいとちょっと考えているんですよね。せいぜい一人、背景から仕上げまでの人ですが、いよいよオレも人を雇用して社会に貢献できるのか!?どうせ気まずくなってすぐ辞めていただいて、また一人で描いて、締め切りがきつくて音を上げるなんて未来がアリアリと浮かびもします。

 ネームが完成していたら一人でもやれない事ないんですよ。今18枚を6日くらいで描いてます。人物の下描きとペン入れは3日くらいで終わるので、そしたら人に来てもらって、一日で背景から仕上げまでと考えています。2日短縮すると、けっこういいじゃないですか。日給がいいのか時給がいいのか、時給だったらできれば1,000円くらいは支払いたいですよね。マンガ家のアシスタントで一般的にどうなんでしょう。新潟だったら時給が安くてもいいのでしょうか。それはこれからリサーチしたいです。

 なので理想は、地元でマンガ家を目指していらっしゃって、実家暮らしの人がいいかなと思います。自分のマンガ描く時間がけっこう取れると思うし、日数が少ない分賃金はあんまり発生しないですからね。10万円くらいはなんとか払えるようにしたいですが、それはオレがどれくらい仕事を取れるかに掛かっているので、あんまり大きく出られないです。

 そうなると亀田なんかじゃなくて、どこか駅南辺りに仕事場も借りたいですね。物件を雑誌で見てますが、ほんの仕事場程度でいいのだったら5畳半で2万3千円なんてのもあるんですよ。風呂付ですよ。なんじゃこりゃあ新潟恐るべしです。アパートだからうるさくできないですが、大人しくマンガ描いてるだけですもんね。家賃が安いと、契約も断然安いですから、失敗してもあんまり痛くないです。実にありがたい。駐車場も安いところ見つけて、なんとかうまいことやりたいですね。

 ゆくゆくは弟子を取って、オレのマンガ技能を全部伝授したいです。作画レベルがオレ程度では、あんまり商売にならないですが、作劇方式の古泉流として誰かに継承して欲しいです。そんなの習いたいなんて人がいるかどうかがまず問題ですが。新人でデビューしたきりどうにもならないまま何年も経過してしまい途方に暮れている、ここで何か流儀を変更してみたいなんて人がいたら一番いいと思うんですよね。オレも、自分の作劇方式がもっとメジャーな絵柄でどう評価されるのか、検証してみたいところでもあります。