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古泉智浩の『オレは童貞じゃねえ!!』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

石原まこちんさんとのトークイベントしました

 やっぱり凄かった!石原まこちんさんですが、ニートマンガ家として揺るぎないものがあるのは作品を通して存じていたつもりですが、『月刊ムー』を現役で愛読しつづけ、更にまさか霊能力まであったとは! とは言え、現在は子供時代ほどのものではなくなっているそうです。

 子供時代、一時期すごく悪い子になった時期があって、親が心配して霊能者に見てもらったら鬼が取りついていたというお話も衝撃的でした。この顛末はいずれマンガになるんじゃないかと思います。ひっくり返るくらい面白かったですよ。

 武富健治さんをある意味で超える凄まじいオナニーエピソードも一切躊躇無くご披露されておりました。ああもう言いたい、でも商売の邪魔になると悪いので言えない! 他にも高校時代ヤンキーにおべっかを使う目的でヤンキーが主人公で活躍するマンガを、旧日本軍の従軍絵師のように描いていたら敵対する高校のヤンキーにさらわれて泣いた話などなど、本当に捨て身の凄ネタの連発で度肝を抜かれました。本当にすごい男ですよ!!

 最初、スピリッツで3回だけの予定で掲載された『3名様』が読者さんからの反響があまりにひどく、とにかくひどいブーイングとバッシングでそれが無視できないほどで、編集長も「どこが面白いのかさっぱり分からないけど、反響が凄まじい」という理由で連載が始まり、7年もの長期に及ぶ人気連載となったという何が幸いするのか分からないお話を頂戴しました。とにかく、毒にも薬にもならないのが一番ダメなんでしょうね。いろいろな意味で示唆に富んだ、『カンブリア宮殿』で取り上げていただきたいようなエピソードじゃないですか。それが連載決定の評価基準だとしたら、最早やりたい放題じゃないですか。なんとかご免状を手に入れたようなものです。とにかく、背景を描きたくないという強い信念で一歩もファミレスから出ずに最後まで場面を構成しきり、あれほどファミレスを描いたにもかかわらず、ファミレス業界から蛇蝎のごとく嫌われてしまっているというのも頷いていいのか悪いのか複雑なお話でした。

 今回ご来場いただけなかった皆さんにも、きっと『GENGO』など自伝的なマンガでお目にしていただく機会があると思うので、どうぞお楽しみに!! その『GENGO』ももうすぐ単行本発売されるそうです。

 会場にはなんとあの『バグネヤング』の松永豊和さんもご来場いただきました。最前列にすごいぼうぼうに伸びたヒゲと髪の男性がいらっしゃっていて、「あの人がもしかしたら松永さんでは……」とBUBKAで拝見した写真を元に想像していて、あまりの風貌について目線をそらしてしまい気まずかったです。ところが、イベントが終わって読者の人がご持参くださった単行本やノートの切れ端などにサインなどをさせていただいていたら、松永と名乗る男性が現れました。すると、髪は伸びているものの、ひげはつるつるできれいなお顔をされていて、あれ?だったらさっきのすごい風貌の人は一体誰だったのだろうとちょっと混乱しました。

 松永さんは、作風とは違って大変ものごしと人当たりの柔らかい人でいらっしゃいました。小学館の担当編集が同じ人である以外に、BUBKAでお世話になった編集の人が同じであったり、頻尿と腰痛のトラブルを抱えていたり、父親を亡くしているところ、一人っ子である、土星人であるなどなど共通点がたくさんありました。

 打ち上げにもご参加いただき、と言っても石原まこちんさんはすぐお帰りになって、大西さんも日帰りだったためオレだけ図々しく残っていて非常に恐縮だったのですが、青木雄二さんのアシスタント時代のお友達のマンガ家さんもいらしてくださいました。大阪は大都会だけあって、在阪のマンガ家がたくさんいらっしゃるそうです。そういうのは実に羨ましいです。お友達の方から未発表原稿やネームを見せていただき、意見なんて述べさせていただいたりして、なんか大内アパートに住んでいたときみたいで、ちょっと泣きそうでした。

 翌日は新世界を散歩して帰ろうと思っていたのですが、なんだか疲れたので難波から一歩も出ずに映画見ました。『イーグルアイ』見たんですけど、すごく面白くなかったです。飛行機で行き来しているんですが、飛行機って乗り遅れると取り返しの付かない事になるじゃないですか。2時間前に飛行場に行ったらもう退屈できつかったです。国内線は10分前までに搭乗口に着けばいいので、次はだらだらしようと思いました。

 松永さんの『竜宮殿』がやっと揃ったので読んでみたら、すごく面白かったです! 確かに『バクネヤング』のような灰汁の強さはないですし、背景もずいぶんあっさりしてますが、イマジネーションの奔放さやアクションシーンの躍動感、構成のダイナミズムは『バクネヤング』と比べても全く劣っていないです。これから当分マンガをお描きになる予定はないそうなので、気長に待たせていただこうじゃないですか! マンガの作業がいかに精神を蝕む過酷なものか「自分もやっとったら分かるやろ?」と言っていただいたのですが、申し訳ない事にオレはずっと商売の片手間でやっていたのであんまり分からないです。マンガ専業になったのはほんのここ3〜4年のことなんですよね。

 ずっと高値の古本しかなかった『バクネヤング』の新品がアマゾンに出てるぞ! オレは早速注文したよ。