単行本の作業をしています
ひっそりと連載が終わった『ワイルド・ナイツ』ですが、2月の発売に向けて単行本の作業をしています。去年ネームをやって今年作画と、ほぼ2年がかりの仕事になったわけですが、改めて作画したのを通して読んだらこれがひどい内容で自分でもあんまりに最低なのでずっしり来ました。そこははなから意図して徹底するつもりで描いたのですが、本当にろくな事が描かれていないわけです。こんなのみんなに読まれたらどれだけ軽蔑されるか分からないぞ。非難の嵐が巻き起こっても全く不思議じゃない。非難されないのは単にマイナーでほとんど読まれていないからって事です。
作画の最中は1話ずつは読んでみて、ひどいなと失笑していたわけですが、作画したものをまとめて通して読むと、ひどさ4倍くらいじゃないでしょうか。
こんなの本にしていいのか?ましてや親や親戚の人にもし読まれでもしたら本当に最悪です。しかしそうは言っても双葉社さんも原稿料を払っただけでは大損なわけなので、ちょっとでも本が売れて損を取り戻さないと仕方がないです。今からこんな話をしてもしょうがないですが、もし本を読んであまりのひどい内容で腹が立ってもオレに直で非難しないでいただきたいです。反省は大いにしてます!
内容がほぼ暴力とセックスで、どっちも本当に心無い行為としてしか描いておらず、いいところはちょっと友情めいた部分があるかないかくらいですかね。その友情にしても生産性は皆無です。矮小な精神は大いに描いています。暴力も誰かを助けるためとかそうのが無さ過ぎてつらい。セックスも本当に砂を噛むようなものばかりです。誰かの役に立つのかなこれ? そういう意味では芸術性がちょっとあるかもしれないです。
これまでもひどいマンガしか描いて来てないですが、今回は特にひどいです。結婚の失敗以来、特に心して正義は語るまいと徹底して、むしろ逆の立場で物を語ろうと試みているその一つの到達点ではあるとは思うのですが、これはちょっと残念すぎる結果ではないかと思いました。