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古泉智浩の『オレは童貞じゃねえ!!』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

2008年準・漫ぶらぁ〜大賞受賞/1月に見た映画

映画・テレビ

 発売中の映画秘宝は昨年の映画を振り返るベスト&トホホ10の発表があり、これが大変な読み応えで、何時間でも見ていられます。自分も参加していて恐縮ですが楽しくて仕方がないです。自分が参加する以前も楽しかったですので、それは関係がないです。今回のベスト30までで、見ていたのが22本でした。30までの中で見ていないのを1年かけてじっくり見ていくのが楽しみだったのですが、これではすぐに終わってしまう。

 それはさておき、この映画秘宝で昨年のマンガを振り返る大西祥平さんの記事でオレが去年連載していた『ワイルドナイツ』が準・漫ぶらぁ〜大賞を頂戴しました。大賞は小林まこと大先生の自伝マンガ『青春少年マガジン1978〜1983』で、これがまた大傑作だったのでその次の賞をいただけるなんてまったく光栄至極でございます! 小林まこと先生はオレのマンガの父ですからね。いつか東三四郎みたいなかっこいいキャラを創造してみたい、いつまでも竹夫みたいなのじゃ嫌だと常日頃考えております!

 大西祥平さん本当にありがとうございます!!今後ともどうぞよろしくお願いいたします。オレ以外にもアックス系のマンガ家のほとんどは大西さんに大変お世話になっていて、アックス作家にとっても大恩人です。いつかみんなで何かお礼をしないといけないね、なんて話は全くしたことがないのですが、これから呼びかけようと思います。

○1月に見た映画
『エレファントマン』(★★★)
ウィッカーマン』(★★★★)
『ワールドオブライズ』(★★)
ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』(★★★)
花とアリス』(★★★★)
モーターサイクルダイアリーズ』(★★)
『チェ28歳の革命』(★★★)
『K-20 怪人20面相・伝』(★★)

 『24』を見ていたのとモンスターハンターせいで映画が少なくなりました。この中では特に『ウィッカーマン』(古いほう)と『花とアリス』が、すごく面白かったです。今更何を言ってんの?って感じですが本当にお勧めです。『24』を全部みるというのは時間的に映画10本分に相当します。果たしてそれほどの価値があるのかと言えば、首を傾げざるを得ません。シーズン6まで付き合ってしまったので、今後も見るけど、もはや罰ゲームみたいな気分になりつつあります。

 『ウィッカーマン』は古い方を見たのですが、あんまり面白くてびっくりしました。テーマがとても珍奇で映像がアーティスティックでかっこよく、サスペンスとしてもとても面白い。超一級のエンターテイメントでした! 性に対しての向き合い方が堂々たるもので、そこも素晴らしくかっこよかったです。こんなすごいのをリメイクして一体どうするつもりなのだ?

 『ヘルボーイ/ゴールデンアーミー』は、ヘルボーイが世界の運命を担って戦うという神話になってしまい、そうするとどうしても乗れないです。ヘルボーイはさておき、それを描いているのが原作はマンガ家だったりするわけですが、このオレも含まれている世界の運命を描くなんて思い上がりも甚だしいではないかと思ってしまい乗れないわけです。でもヘルボーイはヒーローなのにハゲで不細工で気持ち悪い造形で、しかしそれでいてかわいい彼女がいて、無骨でタフでかっこいい。イケメンでもてるより、不細工でもてている方がかっこいいじゃないですか。戦いも単なる力持ちという、果たして子供は喜ぶのでしょうか。敵が前作よりも『パンズラビリンス』っぽくなっていたような気がします。

 『花とアリス』はあんまり興味がないまま、見たのですが、これが素晴らしい映画でびっくりしました。鈴木杏ちゃんのブスかわいさ!蒼井優ちゃんのバレエ! オレ的に若干ノーグッドなところもなくはないですが、映像も素晴らしいですし、本当に見る者をねじ伏せるような力のある傑作でした。

 『チェ28歳の革命』はチェの顔が、みんな制服でヒゲ面なので、ぜんぜん覚えられなくて大変でした。戦闘場面の生々しさが、本当に撃たれるようなすごい緊張感でした。カストロが、連合赤軍の人たちと同じような話をしていて驚きました。あの時代の革命家は頭でっかちで、そこがダメなイメージがあったのですが、カストロは頭でっかちでも革命が成功していました。それほど前の体制がダメだったというのもあるんでしょうね。

 ここからネタばれありです。

 『K-20 怪人20面相・伝』はストリームのポッドキャストで小西さんが星5つを付けていたので見ました。いろいろ頑張った作品だとは思うのですが、あんまり頑張りが機能していない面がありました。明智と二十面相が同一人物なら、その前の場面の意図がよく分からないのではないでしょうか。ちゃんと検証していないのでなんとなくですが。松たかこが「良家の子女のたしなみですわ!」と決め台詞のように言うのですが、本当に良家だったら自分のことを「両家の子女」なんて言うでしょうか。本当に良家ならもっと上の存在を知っていて、気軽にそんな言葉を口にできなくなるんじゃないでしょうか。また、貧乏人の小さな家を見て、「こんなに小さいところに人が住めるなんて」と失礼な事を、失礼に言います。だったらむしろ「茶室のようで素敵ですわね」なんて言って、言葉を選んだつもりがむしろ怒りを買うというような発言の方が表現として上等だと思います。せっかく戦争がなくて戦前のまま昭和30年代を迎え、極端な格差社会になっているというとても面白い設定だったのに、いろいろな面が薄っぺらで残念でした。街並みの映像はかっこよかったです。