古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

『エヴァンゲリヲン新劇場版・破』を見た

 水曜日にユナイテッドでチケットを買って、見てきましたよ! 『序』の時は夜中の回でも満席で見れなかった経験があって、新潟の映画館でそんな状況はかつてなかったのでとてもビックリしました。どんな話題作でも楽勝で見れるのが新潟の映画館です。なので、今回はそういうように、前売り指定席を溜まりに溜まったポイントでタダで見ようとしたわけですが、初日の昼間の回なのに、ほぼ満席でしたがあれれ?空席もチラホラありました。やっぱり続編なので『序』で熱狂した人も時間の経過で興味がなくなったりした人もいたのかもしれませんね。初回は完売のシールが貼られていましたよ。たまにはブロガーらしく最新の話題に食いついたっていいじゃない!

 それで、作品はというと、これが!いろいろな意味ですごかったです。自慢ですが、ガイナックスのHPのトップページイラストを描かせていただいたこともある男ですよ、そんなオレとしてもビックリするような映像体験でした! 圧倒されました。『序』で抱いた、結局テレビを焼きなおすだけなのではないかという懸念は見事に払拭されました。物語としても、そう来るか!と骨格としては同じでも違う展開や見せ方による攻めの姿勢をすごく感じました。見た方がいいと思います。

 ここから先はネタバレなので、これから見に行くという人は、絶対に読まないでください!絶対に読んではダメですよ!! 一言だけ、最後の最後まで席を立ってはいけないですよ。

 そうは言っても、かなりな勢いで圧倒されてしまったので、噛み砕いて検証できる状態ではないので、あれですが、本当に良かったんですよね。新キャラのマリも、誰だよそれメガネっ子ってさ!なんて思っていたのですが、アスカとも綾波とも違って、ちょっと大人な感じがグッと来るキャラでした。どんな女の子なの?この人、とすごくバックボーンが気になります。なんでいきなり2号機に乗れちゃってるの?ネルフのセキュリティ大丈夫?という気になる点もあるのですが、マリのエヴァに乗った時の歓喜に満ちた感じがすごくいいのです。マリが気になるので早く続きが見たい!

・渚カオルは肩透かし。
・アスカは死んだのか?
綾波は結局助かったのか?
・シンジは大丈夫か?

 そして何より、人類補完計画を真剣に描こうとしているふしが見られます。テレビははっきり申し上げて、あんな感じだったじゃないですか、人格改造セミナー的なちょっと「うーん」ってところだったわけです。映画も結局神話にしてお茶を濁した形ですよね。うろ覚えなので違っていたら済みません。きちんと腑に落ちるような、膝を打たせてもらえるような形で収束するのではないかと大いに期待します。

 度肝を抜かれたのは、考えてみると前もそうでいつもビックリするのですが、エヴァの野蛮なまでの激しいアクションですよね。黒澤映画の三船敏郎か、『仁義なき戦い』の千葉真一を思い出しましたよ。関係ないですか。

 そうは言ってもシリーズ3部作の真ん中作品なので、最終作を見ないことには全体的な評価は分からないです。しかもテレビシリーズや前の映画を見て、そういうのを踏まえてこの作品を見ているわけですよね。単体の映画として位置づけるのがとても困難です。作者である庵野監督の実人生までも作品鑑賞に影響を及ぼすまでになっているのです。パチンコ台や何かも含めてこの映画じゃないですか。祭りとして盛り上がっているところもあります。そんなの差し引いたとしても、すごく充実したサービス精神も旺盛で素晴らしく面白い映画なんだと思います。よかったです。

 新しいアレンジの『Beautiful World』もよかったです。エンドクレジットの後で予告があるので、最後の最後まで席を立たなくてよかったです。ちょっと落ち着いて、もう一回行こう。今も思い出すと余韻ではーはーしちゃいます。仕事ができない。