午前十時の映画祭
名作映画を週代わりで上映する「午前十時の映画祭」が始まって、新潟では『羊たちの沈黙』が第一弾です。来週は『薔薇の名前』次が『パピヨン』『ブリット』『大脱走』と続きます。3月27日からの『ワイルドバンチ』、4月24日からの『ライトスタッフ』が特に楽しみです。
『羊たちの沈黙』は劇場公開された当時、大学生で蛾のドクロの模様がよくみると全裸の女が数人でかたどられたポスターが印象的で、「なんだこりゃあ」と興味を引かれて見に行った覚えがあります。その後もVHSやテレビでも見たと思うんですが、いつ見ても面白く、今回もまた度肝を抜かれたわけです。平日の朝なのに、かなりな入場者数でした。その後『ハンニバル』や『レッドドラゴン』といった続編も見て、場面場面の記憶がゴチャゴチャになっていたところもあり、今回はなるほどと改めて思ったところがいつくかありました。
ネタバレも含む感想です。大昔の映画なので気にする必要ないかもしれないですが、念のため。
今40歳で見返すと、クラリスがFBIの研修生でまだまだヒヨっ子で頼りない存在である事に気づきました。当時は自分が学生だったので、自分なんかよりはるかにしっかり者にしか見えませんでした。それでレクター教授は見せ場としてはそんなになくて目覚しい活躍するわけでもないのに凄まじい存在感を発揮していました。直接的な派手な殺人場面はほぼ皆無なのに不気味で凄惨な印象が強く残ります。推理ものとしては、結局レクター教授が犯人と元々知り合いだったので、あんまり大したことなかったです。被害者は美女ばかりだと思っていたら、太った女ばっかりでした。
先日、80年代を舞台にした読みきりマンガのネームを描くのに、映画のデータベースのサイトを調べていたら、ついつい熱中してこれまで人生で見た映画のリストを作ってしまいました。お陰でネームは3日も掛かって散々です。随分前に芸術家の吉原悠博さんに教えてもらったサイトです。約1300本見ていて、劇場で見たものと、テレビで見たもの、レンタルで見たもの全部ごちゃ混ぜです。見たかどうか記憶が定かでないのもたくさんあって、そういうのは外しました。確実に見たのに、見たという記憶しか残っていなくて内容をすっかり覚えていないのもあります。見たいとずっと記憶に残っていて、見たような気持ちになっているような感じのものもあり、漠然としたものがとてもたくさんありました。
中学生までは、よっぽどの事がない限りテレビで見ていたものばかりで、ブルースリーやジャッキーはテレビで散々見ていました。『ET』とか『スターウォーズ』『ブッシュマン』などは親や親戚のおばちゃんに映画館に連れて行ってもらって見ていました。
高校になると熱心に映画館に通うようになって、市川昆監督の『ビルマの竪琴』や『鶴』とかそんなのまで見に行ってました。『ターミネーター』や『プラトーン』などはちゃんと見に行ってます。大林監督の尾道三部作は『さびしんぼう』しか映画館で見ていないです。予備校の時も熱心に映画館に行っていて『オネアミスの翼』などを見ました。ウッディアレンもよく見てました。
大学に入って上京すると、毎週末どこかでSF映画やホラーのオールナイト上映をしていてそこで『ブレードランナー』や『ファントムオブパラダイス』『時計仕掛けのオレンジ』などを見る事ができて、大学の美術研究会の友達に『爆裂都市』や『ロッキーホラーショー』などを教えてもらってVHSで見ました。『羊たちの沈黙』は新宿の映画館で見ました。
働くようになって、下北沢に住んだ辺りが一番映画離れしていました。20代の後半で、蔦屋やドラマでレンタルして見る事が多くなっていました。宮崎アニメやタランティーノ、アメリカのヒーロー映画だけは劇場で見るといった具合でした。その為『ニンジャタートル』や『スーパーマリオ』など本当にどうでもいい映画を劇場で見て『スターシップ・トゥルーパーズ』をビデオで見るという大間違いをしていました。『セブン』もビデオでした。
新潟に30歳で戻ってからは、シネコンができていて映画館には割りと行くようになったのですが、テレビドラマを熱心に見るようになってました。『マトリックス』は映画館で見たけど『ファイトクラブ』はビデオで見ました。大失敗。
テレビドラマを見るのをやめたここ数年は映画を見る本数が激増して、特に去年からテレビで録画して見る事も初めたので本当に大変な事になっております。
午前十時の映画祭ですが、オレが劇場で見逃した90年代後半の映画を厚くしてもらいたかったです。『ショーシャンクの空に』はとても嬉しいですが、『ファイトクラブ』『スターシップ・トゥルーパーズ』『セブン』を映画館で見たいです。一時期はレンタルでも何でもいいやと思っていたんですが、やっぱりスクリーンで見ると印象に強く残っていいですよね。
