古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

『ザ・シネマハスラー』の単行本

 いまや入手困難となっている宇多丸さんの『ザ・シネマハスラー』の単行本を送っていただいて、ちょっと遅くなったのですが読ませていただいております。しまおまほさんも出演されている『ウィークエンドシャッフル』というTBSラジオの番組での映画批評コーナーからの単行本です。このコーナーはポッドキャストでも流れているので、番組をネットしていない新潟でも聴くことができるのです。

 宇多丸さんの映画解説がとても面白いです。容赦なくダメ映画にダメだしするところがとても痛快で面白いのですが、でもそこにはただ毒を吐くだけでなく、こうだからよくない、そしてそこには社会に蔓延する悪い風潮が背景にありそれが映画での表現として露出しているという指摘があります。オレもイライラしたのはそういうわけかと膝を打つのです。

 ただダメ出しだけでなく、例えば『ランボー最後の戦場』みたいに、オレなんかはただ引く程人が殺されてただ残虐描写がしたいだけの映画だろうと思っていたら、宇多丸さんはそれこそが、そこにこそスタローンの映画人としての誠実さがあるのだと主張されていて、なるほど!と見方が180度変わるほどの衝撃を受けました。でもこの回はなぜか単行本未収録でした。あれこそオレは宇多丸さんの凄さを実感した最高の回だったので是非とも2巻には収録していただきたいです!

 とは言え、オレも全部読んだわけではないんですよ。と言うのも『シークレットサンシャイン』『リダクテッド 真実の価値』『おろち』など絶賛されている映画は現物を見てから読みたいじゃないですか。もう見た映画や『カンフーくん』など絶対に見ないであろう地雷映画の記事から読んでます。

 それでなくても見ないといけない録画した映画がHDDをひっきりなしにパンパンにしているので、大変で仕方がないです。最近は仕事の休憩に1本見るようになっていて、どれだけ休んでいるんだよオレ。その場合は100分くらいのを選んでます。一日2〜3本見ないと回らない状況に直面していて、ロクに他にテレビを見てないので、世の中の事がだんだん分からなくなって来ました。これでいいのか。

 そんな中、先日、報道特集で東京に住んでいた時に毎月一緒に麻雀していた安藤さんが、ネトゲ廃人として実名顔出しで登場していて度肝を抜かれました。あのアパート行ったことある。セガサターンを取りにだか貸しに。2年前くらいにモンスターハンター2ndをくれるというので、亀戸で待ち合わせしてサイゼリヤでお礼にご馳走しました。その時はバイトしていて、廃人じゃなかったしそこまでだとは思ってもいませんでした。でも番組で、今年になってからゲームの時間はすっかり減って復帰しつつあると言っていて安心しました。大学を出てからプライベートで友達はいなかったと話していて、確かにオレも麻雀くらいでの付き合いだったので偉そうな事言えないですが、でも伊集院さんのラジオの面白さを教えてくれたのは安藤さんで、深夜の馬鹿力の過去の放送データでは時折安藤さんのファックスやハガキが採用されているとドキドキしたものでした。TBSラジオの懸賞で当たったHDDレコーダーを安く売ってもらった事もありました。なので、安藤さんはハガキ職人でもありネトゲ廃人でもあり、すごい男でとても感謝しています。上京の際には食事でもおごらせていただこう。新潟に住んでいれば一緒に映画見たりできるんだけどなあ。深夜の馬鹿力ネットしてないからなあ。

 この4月の改編で、オレが世間を知るために聴いているTBSラジオのアクセスや、サンデープロジェクトが終わってしまうというじゃないですか。これではたかじんの委員会と報道特集しか見るのがなくなってますます映画を見てしまう。映画もね、数が多すぎるんですよ。どこまで見ればとりあえず落ち着くって事ができるんですかね。数えたらこれまで見たのが1600本くらいでした。2000まで行ったら後は新作だけ抑えておけばOKみたいになるのかな。まいっちゃうよ。