読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

古泉智浩の『オレは童貞じゃねえ!!』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

日米鉄男映画対決

映画・テレビ

 昨日はユナイテッドがメンズデーだったので『アイアンマン2』と『鉄男 THE BULLET MAN』を続けて見ました。鉄男(てつおとこ)映画2本立てです。

 『アイアンマン』は前作が面白かったんだけど、不満もあってラスボスが結局身内の信頼していた人で、「どうですかこういうの意外でしょ!」という感じが嫌だった。最近の映画じゃそんなのとても普通だから!でも「今まで散々尽くしていたのに!」と恨みがましく文句を言いながら攻撃するところは面白かったです。

 それで、今回の続編は後付でこしらえた設定の割には面白かったです。ミッキーロークが悪者なんだけど、汚い自宅で一所懸命バトルスーツを自作しているところや鳥を可愛がっているところなんかピュアな感じがしてよかったです。最初に言っていた鳥は結局なんだったんですかね?オレは前からアクションヒーロー映画は主人公もさることながら敵の重要さを口を酸っぱくして主張しているんですよ。その点、ミッキーロークは顔の怖さがハンパなくてよかったです。

 『アイアンマン』の1がオレはまあまあくらいで、2は大抵それより落ちるじゃないですか。お金払ってガッカリするのもどうかなと思っていたんですが、全然面白かったです。なによりDIY精神がこんなに描かれるヒーロー映画もないですよね。トニー・スタークはパソコンの自作で言えばCPUを自作するようなレベルで、ベンチマークを上げて大喜びしてると思えば理解しやすいかな。

 それで、日本の鉄男映画『鉄男 THE BULLET MAN』ですが、その前に『鉄男』をちょっと振り返ってみましょう。せっかくだったので20年ぶりにDVDで見返して見ました。

 この映画は、その昔インクスティック芝浦というライブハウスの上映イベントで見ました。ゲストが田口さん率いるばちかぶり、筋肉少女帯だったかまんが道だったか、大槻ケンヂさんのライブとトークもあるイベントで、シーツみたいな垂れ幕に上映されたのを見ました。当時、大槻ケンヂさんのオールナイトニッポンが好きで、ライブも見れるんだったら行くしかないと、ナゴムギャルにまじって体育座りしながら見てました。それから続編の『ボディハンマー』も見てそれ以来です。

 それっきりチンコのドリルしか思い出せなかった『鉄男』は懐かしいニューウェーブ感満載の映画でした。当時のケラさんみたいな髪型とか、目をひん剥いて小首をかしげて無表情で体をガクガクさせる動作などなど、すごく時代を切り抜いていたんですね。地面で足を止めたまますーっと滑るコマ撮りの動きも懐かしい。映画の内容もわけも分からず、女が発狂して襲って来て戦いになったり、小さい謎の男がいつの間にか実物大になって襲ってきたり、自分の体が鉄の化け物になったりと、なんの説明もなくて悪夢みたいです。恐ろしくてなにより全編にみなぎる圧力がすごくて面白かったです。

 それで『鉄男 THE BULLET MAN』は、男が鉄の化け物になるのは同じなのに変に意味がしっかりあるけど、その説明が腑に落ちないし大して面白くもないんですよ。とても困ってしまう感じでした。主人公が外人で英語だし、あんまり人間に対して踏みこんで描こうというつもりはないんじゃないかと感じました。それなのに子供や家族が死んでしまうのが嫌でした。

 肝心の鉄男が、顔や寄りの映像ばっかりで、しかも激しくカメラが揺れ続けていてどんな変形をしてどんな武器があるのかさっぱり不明でイライラしました。それが見たいんだよ。鉄の質感がアイアンマンのメタリックな感じとは全く違って、産業廃棄物みたいなゴツゴツしていて、全然羨ましくなかった。

 でもやっぱり圧力はすごかったです。塚本監督自身が演じていらっしゃる敵の存在感はすごくよかったけど、でも一体どんな人でなんでそんな行動を取っているのか不明なままでした。だったら一作目みたいに端からなんの説明もなしでやればいいのに。それから音楽がナイン・インチ・ネイルズでかっこよかったです。


 それから本日29日ポレポレ東中野で城定秀夫監督の『新宿区歌舞伎町保育園』の上映が20時30分よりあります! その上映の後のトークショーに出させていただきます。子供がたいへん可愛らしい映画ですよ。ドキュメントでホストが出ると不幸になれ!と思ってしまうんですが、ホストに好感を持ってしまい、そんなのは初めてです。11時からのワールドカップ日本対パラグアイには間に合うように終わるので安心してご来場ください。