古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

新弟子が3人

 明日は池袋マンガ教室の後期日程の最終回で、多分朝まで打ち上げします。前期日程だけだった人もぜひ飲み会いらしてくださいね。後期に申し込んでいない人も毎回の飲み会に参加してくださったり、教室が始まる前に教室の前のスペースでしゃべっているのに顔を出してくれたり、気に入っていただけているようで嬉しいです。

 また4月から10回のコースが始まるんですが、すでにリピーターで申し込んで下さっている人もいるようで嬉しいな! 確定申告したら去年はマンガの売り上げが200万割れだったのを教室がヒットしたおかげでちょっと頭が出ました。東京を行き来する回数が増えてアパートの家賃も入れたらその経費が100万円も掛かっているんですよ。家賃が2万5千円でもそんなに掛かるわけで、だったら8万円くらいのアパートでずっと東京にいっぱなしにしてもいいような気もします。どっちがいいのかな。今はこうして高速インターネット通信でブログを書いておりますが、それというのも銭湯が休みだったからマンガ喫茶に来ているんです。来なかったらまたずっとほったらかしだったかもしれません。なのでいろいろと良し悪しですよね。

 マンガ教室のよさをさりげなくアピールしたいんですよ。商売っ気まんまんだと引くじゃないですか。あんまり物ほしそうにしている様子もみっともないし、無様じゃないですか、だけど教室の存続は死活問題なんですよ。家賃とちょっとした交通費くらいは東京の用事でペイできるようになりたいんです。

 なので毎回夜7時からの教室なんですが、オレは5時半に行って本気でマンガ家を目指している人の相談を受けたりネームを見てアドバイスしたりしております。ほかにもアンケート作ったり、自分で出した宿題を自分でやったりもしております。つまりそれくらい本気だってことなんですよ。料金分は絶対に元を取がとれる講座にしようと思っております。オレは実家が商売していてそういう環境で育ったので、そういうのとても気にするんですよ。

 元々は初心者向けのマンガ教室で、趣味の一環でマンガを描いてブログや何かで発表したいとか、ちょっとしたチラシにマンガを描いて楽しいチラシにしたいとか、最近の出来事をマンガで描いてみたいとか、そういうのをお手伝いするつもりでした。その軸足はずらすつもりはないですし、その延長でプロのマンガもあると思っています。

 ツイッターの質問で迷っている人から「初心者向けじゃなかったら受けたかった」というような@をいただいたこともあって、その際は参加者が5人を割る勢いで開催の危機だったので「プロも大丈夫です!」なんて答えようか真剣に悩みました。結局その人は申し込んでいないと思うんですが、でもね、実際佐藤秀峰さんやピョコタン小田原ドラゴンさん、深谷陽さん、藤枝奈美絵さんといったプロの方がお金を払って受講してくださっているんですよ。それは何かと言うと初心者向けであっても何かしら学ぶものがあると感じてくださったと思うんですよね。オレのノウハウは全部公開するつもりです。どこまで伝え切れているか分からないですが、質問いただいたら全部お答えしてますよ。

 おかげで受講生の中から弟子が3人できました。一般にマンガ家の弟子はアシスタントで仕事を請け負いながら師匠の技術を学ぶというものですが、オレの場合は一人で仕事をしているのでそれができなくて、なりたいと言ったらなれるシステムです。そのせいで仕事をぜんぜん教えていないんですよね。でもせっかく弟子と名乗りをあげてくれた以上、一人前になれるようにバックアップしますよ。彼らがプロになったら担当編集者を紹介してもらうのが目的です。あと、「師匠は古泉智浩」と言ってもらう事で、オレの株を上げてほしい。村田君、依鳩くん、宮川くん、プロフィールに古泉の弟子って書いてもいいんだよ!

 師匠として聞かれたらマンガのアイディアも思いつく限り考えてあげます。そんなことでは一人でアイディアを思いつく能力が身につかないじゃないかという意見もあると思います。でも、そんなのは気にしても無駄だと思うんですよ。マンガ家としてやっていくのに何が必要かと言えばもちろん才能が必要だと思いますが、それだけでもぜんぜんダメですよ。才能なんか全然なくたってオレよりはるかに売れて立派にやってるマンガ家なんかいくらでもいます。そういうのをオレはダメだなんてまったく思いません。実際オレだって大島弓子さんのマンガをぱくってデビューしているしまったく偉そうに言えないんです。とにかく世に出て継続できるかどうかが大問題で、結局のところなるようにしかならないんです。どうなるかなんか後で決めればいいと思っております。

 依鳩君のネームが今ひとつ面白くなかったので、こうしたらいいんじゃないかとアドバイスしたら、ますます面白くなくなったり、依鳩くんに偉そうにアドバイスしたら、その内容が宮川くんのアドバイスとまるっきり同じだったり、まだあんまり師匠としての能力を発揮できておりません。それからオレはマンガ家で、でもマンガ家だけではあまりに心もとないので大喜利や自主映画活動などにも精を出しているんですが、そういうのは興味あるのかな。あるなら誘うけど、トータルで弟子なのか、マンガ家だけの弟子なのかどっちがいいかな? そして最終的にものにならなかったら実家のお菓子屋で雇ってもいいよ。

 フリーターの村田君はマンガ家になるしかないかもしれないですが、他の会社員の人には仕事をやめないように勧めております。なるにしてもマンガで貯金が100万円になるまでやめないようにしてほしいです。でもみんなとてもいいものを持っているのでマンガ家になって欲しいですが、でもなったらなったで地獄もあるというのでぜひどうぞともあんまり言えないです。オレは大した地獄は見てないですし、おかげでヒットとも無縁なんですよね。

 とにかく、オレが持っているものは全部教えますので、よかったら4月からのマンガ教室申し込んでね!