古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

2013映画ベストテン

 映画秘宝のベスト&トホホ10のアンケートに参加させていただいています。去年はテレビでの録画も入れたら300本くらい見てました。東京のアパートでテレビ東京午後のロードショーを録画して見ることにしたら飛躍的に本数が増えたんですよね。どんな映画も80分ほどに編集するので、異常ににテンポがよくなって大体の映画がそこそこ面白いので困ります。特にジャッキー映画はくどいギャグが苦手で、多分それをばっさりいっているせいでアクションにつぐアクションでとても面白い。

 

映画秘宝 2014年 03月号 [雑誌]

映画秘宝 2014年 03月号 [雑誌]

 

 

 映画秘宝ベストテンを踏まえて川崎タカオさんとやっている映画の感想ラジオ、三平映画館でも特別篇映画ベストテンを開催しました。ゲストは菱沼康介監督で、会場は枡野浩一さんのやっている枡野書店の隣の白い家の2回でした。お客さんも4人いらしてくださって、公開録音とユーストリーム中継をしました。ところが、配信と録画が3位までで止まってしまっており、音声版を早目に編集して配信しますね。

 


Video streaming by Ustream

 

 

オレの2013ベストテンはこうでした。

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命

②ペーパーボーイ真夏の引力

③スプリングブレイカーズ

セデック・バレ

⑤ゼロ・グラヴィティ

エンド・オブ・ホワイトハウス

⑦共喰い

世界にひとつのプレイブック

⑨シュガーラッシュ

ジャッジ・ドレッド

 

 どれだけオレの心に響いたかでランキングしたつもりだったんですが、⑤『ゼロ・グラヴィティ』は3D吹き替え、2D字幕で見ての順番で見て、吹替えが凄くオレはダメでした。そしてアンケートを提出した後にIMAX3D版をユナイテッドとしまえんで見たんですよね。するとそれまでこの映画は「IMAX3Dで見ないと意味がない」と言われている事に、新潟にはそんなもんねえよとムカついていたのに、そう言われても全く仕方がなかったと非常に納得するほど別物だった。圧倒的大迫力で、映像のみならず音響がスピーカーが椅子に仕込まれているせいでビリビリするほどで、本当に凄かったです。

 

 それでも、3回見てやっぱり後半出演者が一人きりで、ドラマが薄いなと思ったし、ジョージ・クルーニーの掛ける音楽のセンスとジョークのセンスはないし、かっこいいけど、もしニコラス・ケイジだったらもっと感動するんじゃないかと思った。あんな困り顔で頑張って冷静さを保っていた方が余計に泣けると思いました。

 

 どう考えても歴史的に凄い作品であることは間違いないんだけど、自分の心に響いたかどうかで言えば『ラストスタンド』『横道世之介』『アウトロー』の方がずっと深く感動していたんですよね。『みなさん、さようなら』とか『フライト』『キャプテンフィリップス』『ルーパー』の方がずっとオレにとっては重要でした。

 

 そういった反省を踏まえて今考え直すならばこうなります。

 

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命

②ペーパーボーイ真夏の引力

③スプリングブレイカーズ

セデック・バレ

エンド・オブ・ホワイトハウス

⑥共喰い

世界にひとつのプレイブック

アウトロー

⑨シュガーラッシュ

ジャッジ・ドレッド

 

 それで、11位以下はこう。

 

ラストスタンド

横道世之介

⑬みなさん、さようなら

⑭フライト

⑮ルーパー

キャプテン・フィリップス

エンド・オブ・ウォッチ

⑱ゼロ・グラヴィティ

⑲クロニクル

パシフィック・リム

 

 他に推すべき映画がありすぎて『ゼロ・グラヴィティ』は18位がしっくりきました。オレは評論家じゃないので、作品の質そのものよりも重視すべきポイントがあるんですよ。でも、こんなのは見逃した作品もこれから見たらいくらでも変化するし、そもそもその日の気分でいくらでも変わります。

 

 あと、2013年もやもやした映画

 

風立ちぬ

パシフィック・リム

③悪の法則

④クロニクル

かぐや姫の物語

⑥ジャンゴ 繋がれざる者

⑦バレット

 

 目利きの皆さんが高く評価していて、きちんと説明してくれているにもかかわらず、その説明が全然心に入ってこないとか、余計な要素が邪魔して物語世界を堪能できなかった映画です。とても寂しい気分になりました。

 

 タランティーノ作品は、『レザボアドッグス』からずっと見ていて伝記本も読んだし、実際ファンであるにもかかわらず、毎回すんなり腑に落ちたことがない。本当のところ好きじゃないのかもしれない。『ジャンゴ』もピュアにワクワクできなかった。オレが一番面白かったところは、覆面がずれて悪者たちがもめるところだった。