古泉智浩の『オレは童貞じゃねえ!!』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

銀杏BOYZをBOSEで聴きたい

 80年代にFMブームというのがあって、当時の中学生はこぞってFM雑誌を買って放送される曲目を調べて洋楽をラジカセで録音したものでした。その後レコードレンタルが始まってFMブームは収束していった。そんな当時、オレは小学館のFMレコパルという雑誌を買ってました。サンデー系の漫画家が洋楽ミュージシャンの適当な伝記漫画を描いていて楽しい雑誌でしたよ。ジョンクーガーを望月三起也先生が、カルチャークラブを上條淳士先生が描いていらっしゃったんじゃないかな。そんな時代で、オーディオの記事もたくさんあって、マニアのお宅のオーディオセットを訪問して紹介していました。そんな中サイズが小さいのに一際存在感のあるスピーカーがBOSEの101MMという製品で、1台だったか1組5万円もしてました。オレは昔から小さい製品が好きなんですよ。101MMはお店などで天井からよく吊るされていて、その場で耳を澄ませても特に音がいいか悪いかは分からなかった。とにかくちょっと憧れの製品でした。

 

 何年か前にヤフオクで1台5千円くらいで買ったまま廊下に放置してありました。パソコンに接続して使おうと思っていたんだけど、それにはアンプが必要でどんなアンプを買ったらいいのか分からなくてそれっきりになっていた。

 

 この度、銀杏BOYZが9年ぶりに新作のアルバムを2枚同時に発売して、サンプル盤を送っていただきました。オレはGOING STEADYの時に『童貞ソーヤング』のジャケットを描かせていただいたりして、それ以来送っていただいておりました。

 

光のなかに立っていてね *通常仕様

光のなかに立っていてね *通常仕様

 

 

BEACH

BEACH

 

 

 メンバーが心血を注いで作った作品を心して聴かねばならぬと、これまでは4千円くらいの2.1chのパソコンスピーカーで音楽を聴いていたんだけど、いよいよBOSEのスピーカーを稼働させるタイミングが到来したと思いました。アンプもせっかくだからBOSEにしようと思ってちょっと古いのを7千円で落札できて、ヤフオクをいろいろ見ていたら101MM用にサブウーハーが存在することが分かり、せっかくなら重低音も再生してド迫力で銀杏BOYZを鑑賞すべきであると思って5千円くらいでウーハーも落札しました。家に届いたらびっくり、ちょっとでかい流木くらいのサイズというか小さ目の丸太みたい。ヤフオクの情報では101MMの裏のジャックに接続すればいいとのことで鳴らしてみたらとても音が小さかった。鳴ってはいるんだけど耳を近づけないと聞こえないくらいで、ド迫力の重低音とは程遠かったです。

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 向きの関係で逆さまみたいだけど仕方がないのです。 サイズの参考に白いUSBメモリをロゴの横においてみました。

 

 調べたら、どうやらその製品は専用アンプに対応しているものだそうで、それを買わないとどうにもならなかった。接続端子を改造すればどうにかなるそうだけど、そんな専門的な知識や技術はない。専用アンプは、アンプというよりCDの再生とチューナーもある総合的な製品でした。発売当時10万円の定価で、そうは言っても10年以上前の製品で、落札相場は2万円くらいでした。これを買うと7千円で買ったアンプが無意味になってしまうので、ちょっと嫌だったんだけど、丸太みたいなウーハーの実力を試したい衝動に抗えず即決2万円のを落札した。ジャンク品でCDが聴けないというのでもよかったんだけど、どうせPCからしか音は出さないので、でも他の部分が壊れていると困るなと思って程度のよさそうなのにした。

 

 お金が掛かってますよ。3万5千円くらい掛かった。それで、いよいよスピーカーを天井に取り付けたり、アンプの下にすのこを強いたりしてパソコンから音が出るようにセッティングしました。10年前なら希望小売価格15万円以上もするのがこの値段ならまあ、時代の流れありがたい!

 

 スピーカーケーブルが昔は1m100円くらいで電気屋で売っていたような記憶があるんだけど、買いに行ったら全然売ってなくて、やっと見つけたらどえらい高かった。すっかりマニア向けになっていた。詳しい人にスピーカーケーブルもしょせんは銅線に過ぎないので、太めの電源用のケーブルで充分だという事を聴いて、ムサシに行ってみた。すると大昔買ったのと同じような赤黒のケーブルが1m50円で売られていて、それより一回り太いのも同じく50円だったので太いのを7m2本買った。

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 それで銀杏BOYZのアルバム、スタジオ録音盤『光のなかに立っていてね』とライブ音源のリミックス盤『BEACH』を元々の安物パソコンスピーカーとBOSEのシステムで聴き比べてみました。

 

 パソコンスピーカーも別にダメな音というわけではないんですよ。これでここ数年音楽を楽しんでおりました。それを基準にBOSEの音がどうかと言うと、まず音の解像度が全然違った。ひとつひとつの楽器の音がくっきりしていました。村井君が懸命にドラムを叩いて、峯田君が叫んでつばが掛かるんじゃないかってくらいな感じ! それになんとなく音が甘い。スピードワゴン風に言えば「あま~~~い!」って感じがする。特に『BEACH』の前半なんて強烈で音が尖りまくったノイズなんだけど、それすら甘美でうっとりするような感覚がある。骨盤と背骨の接合部分がウズウズする。ライブハウスのでかいスピーカーがステージの左右に並んでいるけど、それの小さい版みたいな感じもした。とにかくパソコンスピーカーとは全く違ってました。音楽や音を言葉で説明するのは難しい。

 

 これまでオーディオマニアだったことは一度もなくて、ともすればラジカセで充分だと考えていたんだけど、まさかこんなちょっと麻薬的な耳障りがオーディオでもたらされるとは、今まで損をしていたような気分になりました。これまで聴いてきた音楽を全部聴き直して評価し直さなければいけないんじゃないかな。

 

 そうは言っても5万円も掛かってないオーディオで、世の中には100万円を超えるシステムや真空管アンプなんてのもあります。それにむしろ蓄音機の音こそやばいなんて話もKAMINOGE甲本ヒロトさんがしてました。音の世界はそれこそどもまでも深くて広い、そんな感じがするので深みにはまらないように気を付けたいなと思いました。

 

  ミュージックマガジンの特集もすごくよかった。新幹線で読んだ。