古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

ネット漫画活動

 発売中のコミックビーム5月号で、地下芸人の漫画『悪魔を憐れむ唄』が最終回です。本当はもっとダラダラと長く続けたかったけど2年近く、22回の連載は最長記録でした。どうもありがとうございました!

 

○ぽこぽこ

 さて、『悪魔を憐れむ唄』ではここ数年出演させていただいている中野大喜利皇子という大喜利イベントでの経験や、そこで一緒に出ているお笑い芸人の皆さんをほぼ実名で描かせていただいておりました。特にピン芸人のとーごさんには、一緒に漫才を考えるのを手伝ってもらったりしております。そんな皆さんのネタを丸々漫画で再現するようなこともやってみたかったです。ここまでどっぷり漫画家がお笑い芸人さんと癒着して漫画を描いているケースも珍しいんじゃないかな。結局不人気で終わってしまったわけですが、お笑いブームが下火になっているこの状況で題材に採用するのが問題だったのかもしれない。

 

 しかしせっかくお笑いの表現に慣れたのに、これで終わりにしてしまうのももったいないじゃないですか、ブームの下火と表現としての面白さやドラマ性は比例するどころか反比例するくらいに考えております。状況が厳しければ厳しいほどドラマ性は活性化するもんじゃないでしょうか。オレの漫画が厳しい状況だって?うるせえよ! ほら、一人乗りツッコミまでできるようになりました。

 

 そういうわけで、『悪魔を憐れむ唄』で主人公だった長谷川と渡辺のマジボンバーという漫才コンビがゾンビになる連載『無名のお笑い芸人がある日ゾンビに噛まれた結果』が太田出版の漫画サイトぽこぽこで始まっております。

www.poco2.jp

 悪魔の次はゾンビ、お笑いホラーシリーズというわけではないですが、ゾンビの世界観は菱沼康介監督に映画にしてもらった『ライフ・イズ・デッド』を踏襲しております。噛みつきと性交渉で感染して、ゆっくりゾンビ化が進行する難病ものでもあります。全5回の予定です。

 

マンガonウェブ

 漫画家の佐藤秀峰さんが主催する、マンガonウェブという電子雑誌で『からっぽのホール』という漫画を掲載していただいております。この漫画は随分前にパニックセブンゴールドというパチンコ、パチスロ雑誌に第1話を掲載していただいたきり、宙ぶらりんになっていたシリーズです。今回掲載していただいたのは第2話で完全に未発表作です。掲載してもらえるつもりで作画したのに、どういう行き違いかボツになってしまった漫画でした。調べたら2009年の漫画です。

 

 単行本デビュー作『ジンバルロック』が高校生の漫画で、その続編に当たる予備校生の話で連作にするつもりだったんだけど、一話掲載、二話未掲載で、第3話はネームの準備がありました。予備校生なのに勉強もせずに宙ぶらりんでパチンコしたり海に行ったりグズグズしている話にしようと思ったら、連載自体がグズグズでこのように消化不良状態だったのですが、佐藤秀峰さんのお陰で陽の目を見ることができました! これを10本くらい描いたら、その次は大学生の漫画も描きたいんですよね。ちなみに中学生の漫画は加納隼監督に映画化していただいた『死んだ目をした少年』です。

 

 マンガonウェブ創刊号、佐藤秀峰さんの漫画家漫画、『Standbyme描クえもん』絵が凄い、やまもとありささんの女性器が人格を持って語り掛ける漫画『あいこのまーちゃん』、堀内夏子さんの美術サスペンス『EVIL ~光と影のタベストリー~』すごく面白い、頭からまだここまでしか読んでないんだけどどれもすごく面白いですよ! 

mangaonweb.com

 

○四コマ映画

 映画を四コマ漫画で紹介する、四コマ映画というネットサービスで毎月2回ずつ四コマ漫画を掲載していただいております。初回がニコラス・ケイジの『リービング・ラスベガス』で2回目が大林信彦監督の『転校生』です。

4koma-eiga.jp

 花くまゆうさくさんや大橋裕之さんも描いていて、とても面白いですよ!

 

 ネット漫画も非常にありがたいのですが、やっぱり長編連載を漫画雑誌でやらせていただきたいです!次こそそこそこヒットしてなんとかしたい。もう50手前なんですよ、46歳でもうあと10年描けるかといったら無理じゃないかな。もう終わってるって?うるせえ! まだまだもうあと4年くらいいいじゃないですか、チャンスがあると思っているので、釣りのゾンビ漫画とかヒットを狙って頑張ります。釣りのゾンビ漫画じゃなくて、もっとちゃんと売れそうなの考えておりますよ。