古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

12月に読んだ本

 喪中なので新年の挨拶を控えさせていただきますが、今年もよろしくお願いします。

 

 年末に風邪を引いて、と言っても熱はなく声が変になったのと咳と淡くらいで全然元気だったのですが、咳が長引いていて今もちょっとあります。特に朝の寝起きは喉に濃い淡がからんで、それが切れるまで咳が強めに出ます。のど飴ばっかり食べていたら口の中が痛くなって嫌になりました。多分子どもにもらった風邪だと思っていたので、子どもを隔離しなかったのですが、特に問題はありませんでした。

 

 よくなかったのが、咳が出始めて4日目でランニングをしたことで、それからちょっと悪化したような気がします。走り終えた後、お風呂が沸くまでけっこう寒くて体が冷えた。あの時走りに行かなければ、お風呂を沸かしてから行けば、と後悔しました。それが25日でそれからずっと休んでいました。その間29日しか天気がよかった日がなくて、昨日2日に久しぶりに走りに行くことにして、トンネルで走ろうとしたら雨が上がっていて今だと思って走り始めたらまた降り出して、途中で折り返し地点の駅からちょうどよく電車があったので、それに乗って戻りました。

 

 体調が悪いまま新年を迎えて、久しぶりに走ったら走ったで雨に降られて、今年も幸先が悪い。大した年にはならないでしょう。5歳の長男がベッドからベビーベッドにジャンプで飛び乗ったら、ベビーベッドの床板を固定している木の棒が折れました。車が壊れたり、事故を起こしたり、怪我をしなければ御の字です。後は、面白い映画が見れて本を読んで、たまに釣りでそこそこ大きな魚が釣れたらいいなあ。今年はスマホも買い替えの予定なのだけどポンコツを掴まなければいいな。

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 さて、去年の12月の読書ですが、和山やまさんの『夢中さ、君に。』がとても面白かったのですが、それ以上にどこの雑誌に掲載されたわけでもなく勝手にピクシブなどに描いていた漫画であることが衝撃でした。僕も変にプロ崩れみたいな意識があって、商売を優先させて結果的にボツにしている漫画がたくさんある。そういうの、本気で描きたかったらちゃんと形にしないといけないと思いました。もう人生も長くないのだし、純粋な創作意欲がいつまでもあるわけではないだろうし、気持ちが萎えたらそれこそ終わりだ。商売にこだわっていると気持ちが萎えることばかりです。お金は後からついてくるとは最早到底思えなくなっているのだけど、そんなの関係なくちゃんと面白くて描きたい漫画を描いていかないとどうしょうもないと思いました。和山やまさんの素晴らしい姿勢に打たれた12月でした。

 

11月に読んだ本

 恐ろしいことに最早年の瀬。11月は何をしたかと言うと、目立つところでは、BSNという新潟のテレビ局の依頼で法廷画を描きました。何の気なしに滅多にないお仕事を依頼されたので二つ返事でお受けしたのですが、それが全国でも大注目の事件の裁判員裁判でびっくりしました。テレビ朝日系のニュースの法廷画の人がめちゃくちゃ自由に描いていて、そんな構図では見えないだろうとか、被告人が全然似てないとか、むしろ似せる気がないだろうというレベルで衝撃を受けました。前回の裁判では僕の隣の隣にその人がいたので、手元を見て「また、あんな絵描いてる」とはらはらしました。僕は至って真面目にクロッキーを描いて、ipad proでフォトショップの水彩画アプリで色をつけています。ipad proは第2世代のをケチって10.5インチのをアップルペンシルつきで6万6千円でヤフオクで買って、使い道がなくて困っていてようやく活用できた。今週はいよいよ判決です。

 

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 なかなか本を読む時間が作れなくてあんまり読めませんでした。小説は小野寺史宜 さんの『ナオタの星』だけで、とても面白かったです。10月からコミックレンタルで読んでいた南勝久さんの『ナニワトモアレ』をようやく読み終えました。面白かったけど大阪が怖くなりました。『なにわ友あれ』も早く読みたい。

 

 枡野浩一さんとやっている自作ラジオ、本と雑談ラジオ友の会が始まりました。

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 課金制で申し分けありませんが、僕が漫画教室が中止の際の交通費の足しになったらいいなと考えております。漫画教室が中止になると上京が中止になり、本と雑談ラジオも延期となるのです。楽しい内容になるよう心がけますのでぜひともご加入ください!

 

10月に読んだ本

 いつの間にか11月って、年末だぞ。10月は台風19号のせいで、マラソン大会が中止で、こうなったら仕方がないから一人でマラソンを走ってやろうと思ったんだけど、そんな根性はなくていつもの10キロで嫌になってやめた。その代わりに毎日走ろうと思ったのだけど、それも続かなくて一日おきになって、それが二日おき、三日おきになって現在に至ります。その代わり、月に100キロ走ることはどうにかできた。そんなペースで走っていたら痩せるかと思ったけど、全然変わらなかった。今年は絶対に5時間を切ることを目標に取り組んでいたので気持ちの持って行き場が無くて、しょうがないので、4月の佐渡ラソンに申し込んだ。来年は、新潟マラソンが台風になったら困るので、柏崎マラソンも一緒に申し込むことにする。

 

 本当はどこか別の県で開催されているマラソン大会に申し込めばいいのだけど、去年の新潟マラソンでのダメージがあまりに深刻で、日帰りできるところでないと心配でどうにもならない。もうちょっとマラソンに慣れたら、それこそ関西や九州や四国や外国に旅行を兼ねて走りにいけたらいいけど、それはまだずっと先の話だ。せめて5時間をきらないと話しにならない。佐渡ラソンはアップダウンがあるから無理かもしれない。

 

 さて、10月はずっと読んでみたかった増田俊也著『七帝柔道記』が予想通り面白くて、予想以上に不発で感動的な物語で素晴らしかった。オレの眠たいマラソンの話なんかの100倍くらいの苦行に取り組んでいた若者のお話で、海兵隊の映画みたいに人生で地獄のような修行を耐え抜いた人たちは本当にすごいと改めて思った。年をとったからできないというのも単なるいいわけで、オレは根性がないし根性を試したいとすら思わないほどの根性なしなので、本当に尊い

 『殺人犯はそこにいる』も超絶に面白かった。現実にある凄惨な事件のルポルタージュなので面白がってはならないような気もするのだけど、読書での興奮ボルテージがすごい。

 

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 10月は天気が悪くてあまり釣りに行かなくて今年もアオリイカは釣れなかった。でも、何時間もエギを投げてやっとの思いで1匹つれるかどうかみたいな釣りは、根性が試されるのでやる気が起こらない。そういう意味で、未だにまともなシーバスは釣ったことがない。時期さえ合ってればバンバカ釣れる、サゴシやカマスがいいのだけど、今年はカマスの入れ食いシーズンを逃してしまい、ちょっとしか釣れなかった。子ども一緒に豆アジを釣りに行ったり、ハゼを釣ったりしていたせいだ。それはそれでとても楽しかった。ちょうど、今秋の青物シーズンが到来しているそうで、堤防に行きたい。でも仕事をだらだらしているせいで時間が全然作れません。

9月に読んだ本

 10月も半ばで今更9月の本についてもいかがなものかというところですが、そんな事を気にしていると更新がなくなっていしまうので気にしないことにします。 

 

 いつか読もうと思って買っていた矢沢永吉著『成りあがり』が評判通りめちゃくちゃ面白かったです。そしてこういう本は本当に若い時に、これから人生を歩んで行こうと言う時に読むべき本で50歳にもなって読むのは残念極まりない。でも一番気になっていたキャロルについてはほぼスルーで、ジョニー大倉著『キャロル 夜明け前』を読めばいいのかな。

 

 増田俊也著『七帝柔道記』も素晴らしかったです。高専柔道の猛特訓に耐えた青年は、こっちから見ればすごい根性の猛者に決まっているのだけど、本人目線では弱音ばっかりで本当につらそう。絶対に真似できないけど、だからこそ強くあこがれる。

  

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 そんな素晴らしい本に触れることができたのだけど、映画『ジョーカー』がすごくて見てからずっと毎日『ジョーカー』の事を考えている。主人公アーサーが、中年も相当いい歳なんだけどコメディアンを目指している。舞台に立ったこともない。ネタも全然面白くない、センスが全然ない、風貌も不気味で、さらに最悪な事にいじられ耐性がない。どう考えてもコメディアンに向いておらず、本当にただの危険人物。しかし、そんな彼に優しくよりそった映画で、切ない。

 

 台風19号で新潟シティマラソンが中止になってショック。去年は初めてのフルマラソンで気合を入れすぎて、普段ひと月にせいぜい50キロしか走らないのに9月に180キロも走り込みをしたため、マラソン疲労骨折を起こすという惨事を招いた。今年は普通に毎回の10キロ走のみで、マラソンをこなせるかを試すつもりで、中3日か4かペースで10キロずつ走ってきた。タイムは5時間を切りたいなと思っていたのだけど、そんなのが全部台風で飛んでしまった。堤防が決壊して洪水に見舞われた人にはお悔やみを述べるしかないのだけど、翌日きれいに晴れて全然マラソンできるじゃんと思った。

 一人マラソンを開催するか、どこかの何かの大会に申し込んで遠征するか、どうにかしないと気持ちが治まらない。

 

 それからファミレス映画館で毎月4本ずつ『男はつらいよ』シリーズを見て、北書店の佐藤店長と話すというのをやってきていたのだけど、とうとうシリーズ48作を全部見終えました。1年がかりでした。僕が生まれた頃からシリーズは始まって、物心がついて小学校、中学校、高校、大学と、寅さんの甥っ子の満男とほぼ同じ時期の人生を送っていて、昭和平成の日本の社会と歴史を再体験するような感覚もありました。

 佐藤店長どうもありがとうございました!

 今回で『男はつらいよ』シリーズは最終回の予定でしたが、山田洋次監督が原作の寅さんの少年時代のドラマが今月から始まるのでそれも感想を話して、ベスト『男はつらいよ』や2代目寅さん総選挙、ベストマドンナの選定などもしなければなりません。それから12月には第50作『お帰り寅さん』もあるので、それもやらないといけません。

 

sanpeieigakan.seesaa.net

8月に読んだ本

 8月は暑くて全然釣りに行かず、8月の終わりに豆アジを5歳の子どもと漁港で釣りました。土日で2日連続で行って、たくさん釣れたのに漁港に住み着いている猫に食べさせていたけど、子どもは猫1匹につき、豆アジ1匹以上あげようとしなくて、猫は6匹いて、ところが鈍い猫は横取りされて食べられず、僕がさらにあげようとしたら「もうダメ」とケチっていました。うちでも食べきるのが大変な数、60匹くらい釣れてしまったのでもっとあげたかったのに、変に渋ちんでした。

 

 ランニングは走り方を変えたせいか暑さのせいか遅くなるばっかりだったのだけど、回数を増やしてみました。中3日ペースで走ってみたところ、痩せると思ったら逆に太り出して止まりません。どうしたものでしょう。多分走って帰ると食事がおいしすぎるせいかもしれません。

 

 それから7月に受けた健康診断の結果、高血圧気味であることが分かって、内科で薬を処方してもらいました。たまに町の体育館の機会で測定したら140とか150だったので不安ではあったのだけど、特に自覚する健康問題もないため気にしないようにしていました。今朝は飲み忘れてしまった。夕方に帰宅してから飲んでもいいのだろうか。

 

 小中高と同級生の南場浩一くんが、町の祭りの時に一昨日亡くなったと聞かされて、祭りの翌日の告別式に出席しました。胃がんで手術をしてから体調が回復しなくてそのまま亡くなってしまったそうで、そんな年齢です。一方9月に入ってから、祖母が100歳で亡くなって、今年はお葬式ばっかり。5月に叔父、6月に自主映画でお世話になった、花岡慎治さん、8月に同級生の南場くん、9月に祖母。みんなみんな、もうちょっと会っておけばよかったと後悔しています。

 

 さて、9月に入って最近はアオリイカも釣れ始めているそうで、何年も挑戦しているけど未だに一匹も釣ったことがない。一杯かな、イカだから。ただ、ろくに釣れない釣り場でやっているせいであるという気もしていて、アホみたいに釣れる場所で釣ってみたいです。アオリイカが釣れ始めると、カマスも釣れるので、カマスは毎年楽しく釣っています。時期がほんの2週間くらいなので、タイミングを逃したら終わりだ。

 

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 本は、『自伝 安藤昇』がすごかった。めちゃくちゃ破天荒で実在の人物とは思えないほどで、映画も見なければならない。現役引退直後に、本人の伝記映画を本人主演で作られていて、しかも監督が田中登! 田中登作品は大分見ているけど、まさにこのタイミングで見る用に残していたかのようだ。

eiga.com

7月に読んだ本

 7月は子どもが何回か熱を出したり手足口病になったりしたくらいで、特に大きな怪我もなく過ごすことができました。

 

 ずっとランニングしていて、足に痛みが残ってそれが4~5日続いてその間走るのを休んで、時には痛いまま走って、走っているうちに気にならなくなって走り終えてまた痛い、なんて状態を繰り返しておりました。つま先着地からかかと着地に戻して、ガニ股にならないように足の裏をかかとからつま先まで、かかとから親指と人差し指の間に抜ける感じで、まっすぐ地面に転がすように心がけて走るようにしたら、痛くならなくなった。ただ、ペースがどんどん落ちる。つま先着地では10キロを1時間切れていたのが、この暑さもあってなのか、1時間5分も掛かっており、それが毎回走る度に遅くなる。でも痛みが残るよりずっといいので、しばらく続けてみようと思いました。

 

 7月に豆アジの泳がせブッ込みでアカエイを釣り上げて小さいクーラーにギリギリ入るくらいのサイズで、毒針をハサミでちょんぎって持ち帰ることにしました。

 その後にもタモアミにも入らないくらいの巨大なアカエイが掛かって、堤防の上からではどうにもならず砂浜まで歩いて引きずりあげることにしました。なにしろでかくて、こんなでかいエイの毒針が刺さったら死ぬんじゃないかと恐ろしく、自分が掛けた魚でも過去最大です。ちゃんと測ってないけど絶対にそう。靴を脱いで海に入ってえらの部分に指を突っ込んで持ち上げようかどうしようか、でも毒針怖いなんて考えているうちに糸が切れて逃がしてしまいました。ホッとしたんだけど、でも仕掛けが口に刺さったままの魚は死んでしまうだろうからかわいそうな事をした、逃がすにしてもきちんと釣り上げて針を外してあげるべきだったと後悔しました。でもとにかくでかくて怖かった。これがヒラメだったら迷うことなく大喜びで海に入っていただろうと思うと、恥ずかしい。

 持って帰ったアカエイは、ヒレを一夜干しして、身も焼いて食べたけど、どっちもあんまりおいしくなかったです。まずいってこともないけど、特に美味しくもなくて、もっとおいしい味付けをすればよかったのかもしれない。ゴミがたくさん出て、なんだかもったいない魚でした。

 ここ最近は暑くて全然釣りに行く気が起こらない。

 

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booklog.jp

 町山智浩さんの『トラウマ映画館』はちょうど『かわいい毒草』を見るタイミングで読んでいて、とてもよかった。全部見てから読もうと思っていたら、永遠に読むことができないところだった。三部けいさんの漫画『僕だけがいない街』と近藤ようこさんの『アカシアの道』も素晴らしかった。

 

 

6月に読んだ本

 7月もいよいよ半ばで、いまさらですがブクログ本棚の6月に読んだ本はこちらです。

https://booklog.jp/users/koizumi69/chart/2019/6

 

 特に面白かったのが今村夏子さんの『むらさきのスカートの女』でした。本と雑談ラジオの課題本にしたいと思っております。 

 それから、アマゾンでの取り扱いのない白鳥千夏雄さんの『全身編集者』(おおかみ書房)は、ブクログ登録ができずリストに入れられません。ガロ分裂騒動が扱われており、僕も薄く当事者であったこともあってのめりこんで読みました。闘病の様子が壮絶で、そんな中仕事に対する姿勢に読んでいて背筋が伸びました。僕の背中はまたすぐ曲がるのですが、白鳥さんと劇画狼さんの師弟関係も素敵で胸が熱くなります。そしてガロ元編集長の山中潤さんのあとがきが読んでいて声がでるほどすごい。ものづくり本としても最高だし、ミステリーの要素まであってガツンときました。

https://booth.pm/ja/items/1316273

 こちらから通販で買ったら送料がけっこう高かったのですが、タコシェに在庫があればそっちの方が送料安いみたいですよ。

 

 3月に小さい車に変えたら釣り道具を車に乗せっぱなしにできなくなって、10フィートの釣竿を乗せるのもぎりぎりです。なかなか釣り場に足を向けなくて、やっと行ったらサゴシが季節はずれでつれました。今年はイナダの群れがこなかったみたいで、キスもGW明けくらいが一番釣れていて、豆アジもそんなに釣れない。冬に雪がなかったせいか、全体的に変です。でも海に行くと気持ちがいいです。

 

 6月は子どもが風邪を引かなくておかげでもらうこともなく寝込まずに済みました。ランニングする度に脛の裏側あたりが両足とも痛みが残って、歩く分には大丈夫なんだけど走ると痛みます。4~5日休んでも痛みが抜けないけど、走り始めてちょっとすると気にならなくなる。3年も走っているのに全然強くならないし、早くもならない。毎回10キロ走っていて負荷が大きすぎるのだろうか。アマゾンですごい体重計を買ったら、筋トレを無駄にしていたせいで筋肉量が多すぎて、ちょっと自慢気で嫌ですが、体重が重いのも原因かもしれない。今82キロもあって筋量が60キロで、重すぎる。それで足に負担があるのではないでしょうか。ゲソゲソのランナー体型になりたいです。

『悪魔を憐れむ唄』3巻は電子書籍のみ

 2013年くらいから2年間コミックビームで連載していて、2巻まで発売となった『悪魔を憐れむ唄』の3巻の電子書籍を作りました。2巻までは紙の書籍と、電子書籍で出していただいていたのですが、売れ行きがさっぱりで、完結の3巻が出ずじまいでした。電子書籍では出してもらえるとのことだったのですが、なかなか発売にならず、それも採算の見込みのない本をわざわざ作るのもモチベーションが上がらないのだろうと思って、「3巻は自分で作ります」と伝えると、3巻のみ発行元が違うのは都合がよろしくないようで、電子書籍全体の契約が解除となりました。なので、本当は1巻と2巻も自分で作らないといけないのですが、文字を打ち直したり、表紙を作ったりするのはけっこうな手間ですぐにというわけには行きません。 

悪魔を憐れむ唄 3 (日本海わくわくコミック)

悪魔を憐れむ唄 3 (日本海わくわくコミック)

 

 

 とりあえず、ここでは1巻と2巻をお読みいただいている方、もしくは1巻と2巻を紙で入手していただいて電子書籍の3巻を読んでいただくしかない状態です。

 

 

 

 しかし、自分で作ると言ったのですが、この通りモノグサであるため、3年くらい掛かってしまいました。同時期に単行本が紙で出なかった連載はとっくに電子書籍になっている。変な事言わなきゃよかった。そうなら、今も電子書籍の1巻と2巻は存在していて、こんな歪な状況に陥ることもなかったのです。

 

 ただ、改めて作業しながら読み返したら、ピン芸人のとーごさんと阿佐ヶ谷のカーボーイで作った劇中の漫才がけっこうおもしろかったし、当初の予定ではもっとダラダラした展開だったのが、打ち切りが決まったたため、ホラーの側面が強くなってストーリーがタイトになって、けっこうスリリングで面白かったです。

 

 この連載より後に始まったのにずっと売れている似たタイトルの漫画も存在して、そっちの読者さんが間違って買ったら申し訳ない状況なので、タイトルを変更しようとも思いましたが、そうすると3巻のみ違ったタイトルでますます混乱が生じてしまいそうで、そのままにしました。実は初めからあまりしっくり来てなくて別のタイトル案があります。もし、奇特な出版社さんが改訂版を出してくれることがあったら変更しようと思っています。

 

 描いている当時、地下芸人さんと親しくしていて、とても楽しかったのが思い出されます。ちょうどこの連載の最終回のあたりで、初めて里子を引き取ってそれから上京してもすぐ帰らないといけなくなってしまいました。それから更に下の子も引き取って、結果的に僕は今とても幸せなので、何ら不満はないのですが、もしこの漫画がもっと売れて続いていたらどうだったのだろうと考えることはあります。

 

 もっと売れたかったら売れている芸人の話にすべきだったのではないか、しかし負け惜しみみたいだけどそんな漫画は全然描きたくない。中野大喜利皇子という地下芸人の大喜利イベントに漫画家で出てそこで知り合った皆さん、ヨージさんとかすごい論とか、阿久津大集合さんとか、たけいともひろさんとか虹岡誠くんとか、きみえちゃんとか二階堂旅人くんの様子を描きたかった。阿佐ヶ谷プロットライブとか、客がオレ一人だったモストデンジャラスピンという中野TWLのイベントの感じを描きたかった。誰に頼まれて芸人になったわけでもなく、「辞める」と言えば惜しまれることもない、存在するのか存在しないのか気にもとめる人もあまりいない、だけど確かに存在する、存在していた、今も存在する、そんな地下芸人の世界を、そういう意味ではけっこう描けました。ホラー要素は、ホラーを求めて読んだ人には物足りないかもしれない。しかし、類を見ない形になっていると思います。

 

 そしてオレがお笑いに求めている、わるふざけや狂っている感じも描けたと思います。お笑いブームが長く続いて、お笑い芸人さん達のスキルの高さや、そつのなさ、空気の読解力、ありとあらゆる能力の高さが広く伝わり、バカであることもきちんと計算した上でなければならない感じ、特に高い同調圧力に順応しなければやっていけないところがもう嫌になってしまいました。芸人さんだけが出ているバラエティ番組は見なくなっているうちに、どんどん芸能に対する関心までもが薄れてしまいました。ネタバレになりますが、芸人として派手に失敗していく主人公を描けたのは、今読み返しても気持ちがいいです。破天荒な行為を描けてよかったです。

 

 売れる気がないのか、と言われると、非常にあります。しかし、自分の絵柄ではもはや売れないであろうことが薄々分かってきた。これまで手を変え品を変えやって来たけどダメだった。売れている芸人の漫画を描いたとしてもダメだと思う。これまで売れるつもりで描いてダメだった。これから先は売れないことを覚悟して描かなければならない。とてもつらい。そんな漫画を採用してくれる漫画雑誌はあるわけがない。ということは原稿料をもらわないで描かなければならない。でもまあ、もう50だし、これから先は老後ということで、ライフワークとして採算度外視でやればいいのか。いやでも、まだ下の子は1歳だし、そういうわけにもいかない。例えばnoteなどで自分で販売しながら描いてどのくらいの所得になるのだろう。ネットの漫画なんてお金払って読む人どのくらいいるのだろう。

 

 ……そういうわけで、長編漫画では最長の分量の作品となりました。まだまだ描いてみたい長編の企画はあるのですが、実際描けるかどうか分からないし、せいぜい1巻か2巻分ではないでしょうか。自分としては、なかなかの、かなりうまく描けた自信作であります。

 

 

悪魔を憐れむ歌 1巻 (バンチコミックス)

悪魔を憐れむ歌 1巻 (バンチコミックス)

 

 こちらの読者さんが間違って買ったら申し訳ありません。

 

暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌

暗黒映画入門 悪魔が憐れむ歌

 

お世話になっている高橋ヨシキさんの映画本。 

5月に読んだ本

 ブクログという読書を記録するサービスで、毎月読んだ本をこちらのブログに貼り付けているのだけど、それをまとめたのをHTMLにしてくれるのが終わってしまったのか、先月から案内がなくなってしまった。

 

https://booklog.jp/users/koizumi69/chart/2019/5

5月に読んだ本

https://booklog.jp/users/koizumi69/chart/2019/4

4月に読んだ本

 

 今年に入って積読状態になっていたKAMINOGEがようやく追いついた。4月は中原昌也さんの『パートタイム・デスライフ』がとても面白かった。本と雑談ラジオでも紹介した。

 

 4月から釣りを再開して、サゴシを何回もふっくしたのにバラしたり、竿が折れたりして2匹、5月に1匹つることができた。コンロのグリルをつかってじっくり弱火で長く焼いたら、小骨も食べられてとてもおいしかった。45センチのサゴシは家族みんなで食べられる。イナダが毎年同じ時期に釣れていたのだが、今年は来なかったと思ったら最近ポツポツ釣れているようだ。イナダも弱火で焼いて食べてみたい。

 

 3月と5月にハーフマラソンに出た。去年の秋に疲労骨折をしてからもう無理はやめることにして、ダラダラ走っていて、全然速くならないし、痩せもしない。体力もついているのかどうか全く分からない。大会はとても疲れたが、これまでに比べると翌日以降のダメージは少なかったようだ。

 

 今年に入って長く続いたPASマガジン『ところでここどこ』と、難波meleのフライヤーの四コマ『これがロックだぜ!』が終わってしまった。PASはずっと隔月連載になっていた。そして6月からVコミの『うちの子になりなよ』が隔週連載から月1になってしまうため、暇になる。さっぱり釣りにも行けないほど忙しかったからちょっと休みたい気持ちと、終わりの始まりではないかという恐怖がある。そろそろ長編漫画の準備もしたい。

 

 下の子が4月から保育園に通うようになって、あんまり風邪を引かず強い子だな~と思っていたら5月になったとたん風邪、リンゴ病、アデノと立て続けに風邪を引きっぱなしで、オレも風邪とアデノをもらって下痢したり寝込んだり、全身が尋常じゃない倦怠感と関節痛に苛まれてしんどかった。今もちょっと咳が出る。それというのも、子どもが「はい!」と言って食べかけのバナナや手づかみのうどんなどを差し出すので、無下に断って、他者に譲る精神の育成を阻害したら悪いと思ってのことで、健康と差し引きしてどっちがいいのだろう。まいった。

3月に読んだ本

 1歳の娘が保育園に通うことになりまして、とても生活が楽になりました。
 
 5年乗った日産マーチをこれからもずっと乗っていこうと思っていたのだけど、ちょうど10万キロの節目で中古のS660を見かけたらたまらなくなってしまって乗り換えてしまいました。長い釣竿が入らないし、荷物がまったく載せられず非常に困ったことになっております。でも運転がかつてない感覚で楽しいし、駐車場の軽自動車のスペースにとめられるのもいいですね。
 
 去年に続いて新潟ハーフマラソンに出ました。集合時間にもぎりぎりだったため最後尾からのスタートだったこともあってか去年よりタイムがさがった。ちんたら走ることに決めていたので当然の結果なのだけど、向上するどころか下降している事実が重く感じられ、悔しい。50歳になったばかりなのに50代の部で642位で全然よくもなんともなく、実力がまったくない。しかし50代はトータルで何人なのか不明、どうなっているのかよくわからない。来月は白根ハーフマラソンなので、もうちょっと気合をいれて取り組みたいです。
 
 読書は村上龍さんの『オールド・テロリスト』を買ったまま放置していたのを文庫本が発売されて、これではいけないと思って読みはじめたらとても面白くて、引き込まれました。かつては日本の全てを蔑むような視線で描いていた村上さんが弱者に優しいので驚いた。主人公が弱々しくてヒロインに手を出さない。
 
 
 
koizumi69の本棚 - 2019年03月 (5作品)
KAMINOGE 86
KAMINOGE 86
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読了日:03月27日
評価4
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