古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

音楽の作り方が分からないお

 バンド暦は13年くらいのはずなのですが、とっかりがラップとノイズだったので未だにメロディとコードの関係とかがあんまりよく分かりません。

 自主映画で歌謡曲か演歌みたいな主題歌を作りたいと思って、鼻歌で楽譜を入力できるフリーソフトを試してみて、鼻歌で歌って再生しみると自分が歌っているのとは全くちがうふにゃふにゃしたメロディが演奏されて途方に暮れます。元から音痴で同じ歌を二度歌えない男と言われていたせいであることは間違いないのですが、これではにっちもさっちも行きません。できればつんく♂さんみたいに胸に染み入るような素敵なメロディと演奏で歌を作って、上手な人に歌って欲しいのです。

 普通はバンドとか始める時にコピーをするじゃないですか。オレは自信を持って断言できますが、オレがそんな事をしていたら一切何一つ形にできずに終わってますよ。オレの場合はラップとノイズから入ったのがよかった。後にそこにテクノが加わります。今にして思うと全部誤解で、自分に都合のいい解釈なんですよね。

 ラップもノイズもメロディとかいらないじゃないですか。ノイズを聴いていると最初は刺激があって面白いんですが、だんだん飽きて退屈になります。ここにロック的な4拍子で、4小節の倍数単位で展開があったら随分聴きやすくなるのではないかと思いました。ラップはメロディがないからオレでもできるんじゃないかと思いました。当時、まだレッドホットチリペッパーズがおふざけバンド扱いで、他にもリンボーマニアックスなど、ラップ=ふざけた人たちというイメージをオレは抱いておりました。ビースティボーイズなんて本当に楽しそうで羨ましかったです。テクノはこんな単純なリフで曲が成立して、いいのかと驚きました。テクノからは勇気をもらいました(誤解)。

 こうしてやって来て現在に至るのですが、ずっと自分には無理だし不必要であると思ってきたメロディの創作とコードの理解をいざ、きちんとやろうとするとハードルです。思えばマンガもコマ割りってどういう意味や法則があっての事で、どう構成したらいいのかよく分からないまま描き出した。描いてみたら応えは「適当」だった。それで言葉が悪ければ「なんとなく」だ。もしくは「よっぽど変でなければいい」です。メロディやコードももしかしたら、適当かなんとなくなのか。

 例えばパンクは3コードで一曲成立させると言いますが、そこで歌とどう係わっているのか、どうにも霞が掛かったようで構造が見えません。ここは銀杏BOYZブルーハーツなどメロディのきれいなパンクバンドをコピーしてみれば分かるかな。何年か前に新潟でコピーバンドをちょっとやっていた事がありますが、やっぱり続けていればよかったなー。その時はザ・フーの『サマータイムブルース』を練習しました。弾き方ももう忘れてしまいました。