古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

映画秘宝オールタイムベストテン

 発売中の映画秘宝2月号の「オールタイムベストテン」という特集にアンケートで参加させていただきました。『ロボコップ』をどうにかベストテンに入れたかったのですが、惜しくも11位でした。結局2位の『ブレードランナー』しか総合とは被らなくて残念でしたが、そこは確かに残念でしたが、命がけで10本を選びましたので、何か面白い映画見たいなと思っていらっしゃる人がいたら、是非とも御覧戴きたいです。ただし、『ツインピークス ローラパーマー最後の7日間』はテレビ版を見た上じゃないと、あんまり面白くないです。オレも劇場公開時にテレビ版をスルーしたまま見たら全く面白くなかったです。テレビ版を苦行のように全部見てから見たら、滅茶苦茶よかったです。リンチはこっちか『ワイルドアットハート』か迷ったのですが、こっちの方がよりリンチ的だと思って選びました。

 『ロボコップ』はジャンクハンター吉田さんと藤木TDCさんも1位に推していらして、共通の魂を感じました。意外だったのは全体のベスト30に『未来世紀ブラジル』や『スターシップトゥルーパーズ』が入っていなかったことでした。この中でオレが見てないのは『まぼろしの市街戦』と『大脱走』なので早急に見たいと思いました。

 ベスト10を選ぶに当たって、相当数記憶があやふやな映画を見返しました。以前は絶対に重要な欠くべからざる作品だと思っていたのが案外そうでもないのがけっこうありました。『未来世紀ブラジル』は主役が公務員な事にイライラして好きじゃなくなりました。『ホテルニューハンプシャー』『ドラッグストアカウボーイ』などけれんみが気になって評価が下がりました。

 解説が300字なのですが、とてもじゃないけど語り切れずこの10倍くらい書きたかったです。ところが、さらっと10本選びましたみたいな解説の人がたくさんいて、なんだかなーと思いました。それでも、この記事はご飯何杯でもいけるというか、何時間見ていても見飽きないです。いよいよ来月号は2007年ベストテンで、そっちも参加させていただいてます!

 年末はテレビも面白いですが、出版も面白いです。『このマンガがすごい!』や『このマンガを読め!』が楽しみで仕方がありません。オレも『このマンガを読め!』の19冊ある51位に『ライフ・イズ・デッド』を入れていただきました。やっぱり連載が継続してないと不利なのだろうかとも思ったのですが、単行本一冊ものでも福満しげゆきさんやいましろたかしさんは全然上位に入ってくるので、そんなケチな戦略みたいなのは関係ないです。オレも褒められたい。そんな事より、呉智英さん、鈴木繁さんご評価いただき本当にありがとうございます! それから武富健治さん、注目マンガで『ライフ・イズ・デッド』を上げていただき、ありがとうございました!

 『ハチワンダイバー』が『すごい』で1位『読め』で2位とすごい評価でした。今年1番のマンガです。オレは将棋がよく分からないので、確かに面白い感じが伝わるのですが、盤面で何が行われていて、どう緊張しているのか理解できず、疎外感が気になってあんまり楽しめなくて1巻で読むの止めました。山本直樹さんの『レッド』は『すごい』で7位、『読め』で5位、学生運動マンガということで、連合赤軍好きのオレとしては読まずにはいられません。明日買ってきます。

オレの今年の大興奮マンガベスト5
1位 『GANTZ』大阪編の大興奮
2位 『バカボンド』1人対70人に大興奮
3位 『ジパング戦艦大和に原爆を積んで米海軍への突入に大興奮
4位 『僕の小規模な生活』マンガ界の内部告発ぶりに大興奮
5位 『フリージア』溝口の死に様に大興奮

 読んでいるマンガは毎年あまり変わらないです。『GANTZ』の結末が読めるまでは死ねません。それに『エヴァ』の映画も最後まで見たい。来年も楽しみです。