古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

2007年は遊びすぎた

 長編のネームを8ヶ月掛けてやって、それができたらとてもすっきりして気が済んでしまい、後はこまごまとした締め切りに対応するのを言い訳にすっかり怠けてしまいました。少ない枚数でもどれもやりがいと意味のある大切な仕事なのでおろそかにできません。

 夏は自主映画も作って遊んでたし、3月と12月にフィーバーズでライブできた。地元テレビにちょいちょい出させていただけて、映画のイベントは『転校生〜さよならああなた』と『ゾンビーノ』やらせていただきました。山形の佐藤監督に竹夫の映画を作っていただいて、あまりの出来のよさにブッ魂消た。無理だからとか面倒だからと自分で制限を設けてその中で作るのが自主映画だと思っていたけど、それが怠け者の言い訳である事が分かった。オレもいつか精一杯の力を注いで作品を作ってみたいです。

 去年が異常に単行本を出してもらい、4冊も!そのため一冊一冊を大切にしなかった。なので、今年は『ライフ・イズ・デッド』だけでいいやと思っておりました。来年は4月にエロマンガ集を出していただく予定があります。振り返ると大変楽しい一年でした。長編しなかったので所得は激減です。来年は心を入れ替えて目一杯原稿を描いてラジオのデータやMDを消化したいです。ラジオ!この秋はオールナイトニッポンもジャンクも改編がなかった。前代未聞じゃないでしょうか。

 11月に祖母が骨折して加圧トレーニングでリハビリを施そうと思っていろいろ調べたが、そのまま疎かにしてしまった。見舞いにもさっぱり行っていない。他にも不義理を働いているはずだが不義理すぎて思い出せない。

 とにかく来年は頑張る。年末までには長編を終わらせてまた忘年会でアイドルを見たいし、できればちょっとした自主映画も作りたい。

・最近見た映画
『蕾の眺め』(★★)
『セキ★ララ』(★★★)
『ドリームガールス』(★★★)
『ベオウルフ3D』(★★)
『ボビー』(★★★)
どろろ』(★)
『松が根乱射事件』(★★★)
『300』(★★★★)
『酔いどれ詩人になる前に』(★★★)
『レミーのおいしいレストラン』(★)
アポカリプト』(★★★★)
『アイアムレジェンド』(★★★★)
ダーウィンの悪夢』(★★★)
『エイリアンVSプレデター』(★★★)
亀は意外と速く泳ぐ』(★★★)
運命じゃない人』(★★★)
『おいら女蛮』(★★★★)

 井口昇監督の『おいら女蛮』は女みたいな顔がきれいな男が、喧嘩ばっかりしているので、更正のため女子高に入るという永井豪先生原作の映画で、主役の亜紗美さんがバンカラで男らしいセリフ回しが大変かっこよく、またセリフ自体も、男になるクスリを注射されて「ナイスバディになっちまったじゃねえか!」などなど、一々決まっていてかっこよかった。変な演出や場面も世界観に馴染んでいて余計に面白かった。

 『アイ・アム・レジェンド』に魅かれる理由は、オレの無人島好きに由来するのではないだろうか。無人のニューヨークの美術が大変すばらしく、実際気楽なものではないだろうけど、オレも無人の東京に暮らしてみたい。

 『300』のアクションシーンは見せ場をスローモーションにするという、最近の流れに逆らったものでとてもよかった。今年見た『トランスフォーマー』『ボーンアルティメイタム』『キングダム』などアクション映画は、カメラをやたらと動かしたり近かったりで迫力を演出していたけど、何が起こっているのか非常に分かりづらく、誤魔化されている気持ちがした。それに、自主映画みたいにカメラが小刻みに揺れているのも流行っていて、それもあんまり好きじゃない。ドキュメンタリーっぽい生々しさを演出しているのだろうか。それに比べて『300』の堂々たるアクションのかっこよさったらない。画面もレンブラントの油絵のような美しさだった。