古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

誰でもいいから殺したい人は『タクシードライバー』を見た方がいいよ!

 今年に入ってから茨城の事件といい、先日の秋葉原といい、通り魔事件や凶悪殺人事件が多発しています。彼らは口々に「誰でもいいから殺したかった」と動機を語っています。そして死刑で死にたがっています。「自殺は怖いから死刑になりたかった」なんて人まで現れる始末で、死刑制度そのものが殺人事件を誘発するというとんでもない事になっております。通り魔殺人を犯す人は死刑を全く恐れていないどころか望んですらいます。

 年間自殺者3万人とも言います。殺人と死刑と自殺が結びついているケースまで現れました。社会そのものがせっかくの命を軽んじさせている面も考慮しないといけないですが、命という金銭に変換したら何億円かに見積もられる大切な宝をあまりに安く見積もっています。あまりにmottainai! 死を覚悟するほどの大事業を人様に迷惑を掛けて汚名を被って税金も投入させて無駄以上にリスクばかりをこうむるなんて、オレは本当にバカげていると思います。

 そんな死を乗り越えようという皆さんには行動を決する前にぜひとも『タクシードライバー』という名作映画を御覧いただきたいです。

 マーチンスコセッシ監督、ロバートデニーロ主演の1976年制作のアメリカ映画です。主人公のトラビスはタクシーの運転手で猛烈に働いているのですが、今で言うワーキングプアで女にも全く持てず鬱々と毎日を過ごしていたのですが、ある日大統領候補をぶっ殺してやろうと思い立ち拳銃を買い込んだり肉体を鍛錬し始めます。いろいろあって大統領候補の殺害はあきらめて、替わりに売春宿に殴り込みをかけます。映画史上に残る画期的なかっこいい銃撃戦の場面を経て、売春宿の従業員をぶっ殺して働かされていた少女を救出します。そうして彼は新聞で讃えられるほどのヒーローとなり好きだった女からデートに誘われるまでになります。

 まあ、生き残ってヒーローになれたら相当な儲けものですが、無関係な人や、秋葉原に集うヲタ仲間を殺すより、全然いいじゃないですか。老人たちが爪に火をともすような気持ちでためたなけなしの貯金を狡猾に奪い取る詐欺商法をやっている人とか、振込み詐欺の人らとか、豊田商事の人とか、他の通り魔とか、悪い宗教で人々を苦しめている人とか、悪いホストとか、とにかく悪い人を殺した方がいいと思います。家族が殺されたり娘を強姦されたりした人に代わって殺人を代行するでもいいと思います。刺し違えてもかっこいいじゃないですか。感謝してくれる人も多いと思います。オレは絶対に応援しますよ。死ぬにしても本人的にもそっちの方が気持ちいいじゃないですか。最後に立派な事を成し遂げて気分よく死んだらいいと思います。