古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

『童貞の教室』を読みました

 大分前に読み終わっていたのですが、きちんと文章で感想をお伝えするとなると手前味噌な部分もあって、気合が必要で先送りにしておりました。松江さんの性体験に重点を置いた自伝的な物語が展開されます。童貞時代に女の子を旅行に誘って車で雑魚寝しようとしたら一緒に居た男といちゃついていることに気づいて一睡もできないまま朝を迎えた場面!なんというむごたらしさ!! 本当に残念としか言いようがなく、時空を超えて慰めてあげたい、そしてその男女にバケツの水をぶっ掛けてやりたい!

 それで、先日大阪に行った際にデシンセイというバンドのムッケンさんに鶴橋に連れて行っていただきました。日本最大のコリアンタウンということで、『童貞の教室』で在日コリアンである松江さんが、訪れる場所です。ムッケンさんはキムチを買いにたまに行くそうですが、でも本当にキムチを買うだけなので入り口の辺りまでしか行った事がなかったそうで、オレと一緒に奥まで入ったのは初めてだったそうです。記念にTシャツでも買おうと思っていたのですが、ヤクザっぽいデザインのド派手なものばかりで買わなかったです。韓国風海苔巻きとチャンジャを買って帰りました。海苔巻きはとても辛くて、口が痛くて痛くて大変でした。チャンジャは新潟にお土産で持って帰ると母がおいしいおいしいと言って食べてます。

 山形の佐藤広一監督もお読みになったそうで、山形ドキュメンタリー映画際で『あんにょんキムチ』を上映しに松江さんが来て「最近ははめ撮りに凝ってるんだよね!」と言っていたけど、あれは嘘だったのか!と言ってました。松江さんが必死に童貞を覆い隠そうとして過剰な嘘をついていたエピソードの裏が取れてとても面白かったです。オレはそういうのすごくいいと思います。むしろ、こいつ童貞じゃねえの?と思ったら「彼女とはどんなセックスしてんの?」と聞いてあげるべきだと思います。そうして童貞としての筋力を鍛えてあげると、後々きっと面白い人物になるんじゃないでしょうか。

 ただオレにはとても耳の痛い部分もあります。もう40にもなって童貞童貞いつまで言ってるんだとみんな呆れているのではないかと薄々感じていますよもちろん。なのでこのブログのタイトルも「童貞じゃねえ!」とうたっているわけです。そんなのはどうでもいいです。実際一番この本でずきんと来たのは、松江さんがオナニーのしすぎで彼女とのセックスでいけなくなってしまったというところから続いて、本当に彼女と理解し合えたその時にこそ、セックスで射精ができるというような感じのことをおっしゃっていたところです。それは本当に素晴らしいことです。

 オレもコンドームすると全然いけないので、生でやるか、自分で手で出す以外に射精ができません。フェラでもいかないので、風俗でも最終的には自分でオナニーをします。女の子にはおっぱいを舐めさせてもらったり顔の真上に性器をもってきてもらったり、キスしてもらったりしながらオナニーをするのです。僕は子供が欲しいので、子供を作ってもいいと言ってくれる彼女とは生でやります。でもそんな彼女とも付き合いが随分長く性的な刺激の減退が著しく、生でも全然いけません。セックスをしたらしたで、こんな苦い現実が待っているので、世の中は厳しいなあと思うのですが、それ以前にオレが残念なわけであります。