古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

上京してきた

 渋谷の映画館で『童貞放浪期』という大変勇ましいタイトルの映画を見ました。30歳くらいの童貞の男の精神を実に丁寧に描いたすばらしい作品でした。童貞らしい、相手に自分の都合を押し付ける感じがすごくイライラするんですが、それがまさに童貞なんだよなと痛感させられました。一方相手の女の嫌な感じもすごくリアルでよかったです。今時の映画らしくなく、おっぱいがたくさん見れてそんなところもよかったです。

 ゴジゲンという劇団の『ハッピーエンドクラッシャー』というお芝居を見ました。なんと、この劇団を主宰されている松居さんは劇団を運営していて演出をして脚本まで書いていながらにして童貞というすごい男です。でもこんな人はどうせ持てるからそのうち女優やアイドルとセックスするに決まっているので、そんなに同情はしないですが、お芝居はイケてる風な登場人物が散々な扱いで大変好感が持てる感じでした。お芝居は自殺を遂げた同級生の謎を巡って浪人や大学生が一同に会して夏の数日を過ごすというあんまりハッピーじゃない内容でした。でもコミカルに描かれていて面白かったです。平日の昼間の回にもかかわらずギュウギュウにお客さんが入っていました。すばらしいことです。

 大田出版の『エロチックスF』がなんと創刊10周年だそうで、オレはほんの初期に2回か3回掲載していただいただけなので非常に恐縮なのですが、10周年記念パーティにお邪魔してきました。すると中央のテーブルにボードが2枚置いてあって、漫画家が寄せ書きをするという趣向でした。こういうのは照れていないでさっさと済ませてしまおうと、オレは引きニートの絵を描いたら、榎本俊二さんがチンコの絵を男らしく描いていらっしゃいました。もう一方のボードは美少女や美女の絵が次々描かれて行く中、我々が描いたボードは誰も描き込まなくなって大層焦りました。しばらくするとオノナツメさんが芸術的なタッチで絵を描いてくださったお陰で、中和されて他の皆さんも描いてくれるようになりました。オノさんのお陰で本当に助かりました! 寄せ書きはエロチックスF本誌に掲載されるそうです。

 10月に漫画家バンド大戦という去年もあった、漫画家が趣味でやっているバンドのライブイベントがあるので我々フィーバーズも練習しないといけないということで、上京のついでにスタジオに入ってきました。なにしろ楽器をいじるのが去年のこのイベント以来なので、非常に気まずいのですが、それでもなんとか年一か年二で演奏ができているのでありがたいことです。主催してくださる三本さん、バンドの皆さん本当にありがとうございます!

 そんな三本さんから4月にあった紙芝居イベント『紙-1GP』のDVDを送っていただきました。このDVDは販売もしているそうで、オレは自分のが恐ろしくて見れないのでまだ見ていないわけですが、特に川崎タカオさんやキクチヒロノリさん、羽生生純さんの紙芝居は大変面白かったので、ぜひ皆さんご覧ください。今回の漫画家バンド大戦ではなんと小田原ドラゴンさんまでもが紙芝居をご披露くださいます!普通のバンドイベントと違って、バンドの入れ替えの時間に漫画家の紙芝居が見れるのが、漫画家バンド大戦のいいところです。10月11日の開催なのですが、また改めて詳細をお知らせいたしますね!