古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

『笑う警官』は本当に面白くなかった

 昨日友達がおごってくれるというので、のこのこと『笑う警官』をユナイテッドで見てきました。これがびっくりするほど面白くなかったです。北海道警の裏金事件の鍵を握る刑事が、同僚の女性警官殺人の濡れ衣を着せられて、警察のトップから射殺命令が出て、主人公は彼を助けて包囲網をくぐり抜けようとする、というような話でした。おごってもらったのに申し訳ないことにさっぱり面白くなくて魂消ました。

 ここからネタバレですので、これから見ようと言う人は絶対に読まないでくださいね。

・刑事の松雪泰子と大森南朋がもったいつけてしゃべってる場面ばっかりで、しかも会話の内容がまるで面白くない。しかも聞いてるとむしろ何が謎なのかよく分からなくなる。
・イケメンの若手刑事が突然怒り出す理由がよくわからない。
大森南朋が自ら「俺達は心が傷ついた」と語る。
・「冷たく冷遇されるぞ」というセリフ。
・日本の警察は銃を所持した立てこもり事件すら発砲できないのに、SATが出動してやたらとサブマシンガンを構える。
・オシャレだろ言わんばかりの甘ったるいサックスのジャズ。
・証人の宮迫をかくまうバーテンが黒幕の手先で、いくらでも殺すチャンスがあるのに、わざわざ狙撃で命を狙う。
鹿賀丈史の高笑いがサラウンドで四方八方から響く。
・オープニングとエンディングに英文のタイプライターが文字を打つ。

 「150万人動員できなかったらもう映画を作らない」と角川春樹さんは宣言してましたが、夜の回でお客は8人でした。むしろもう作らない方がいいと思います。見終わるとぐったり疲れました。原作もこんな内容なんですかね。20社くらいから映画化の依頼が殺到したとか言うじゃないですか。ここまで今年のトホホ映画一位は『ノウイング』でしたが、完全に『笑う警官』の方が上でした。