古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

頭脳警察のライブに行った

 90年の再結成の時は頭脳警察電脳警察サイバーコップの区別も付かないくらいだったのですが、その後あれこれCDを聴いてパンクが始まる前の歴史でこんな過激なロックバンドがあったのかと大層魂消たわけでした。そんな頭脳警察の皆さんが新潟にライブでいらっしゃって、12月5日から映画『ドキュメンタリー頭脳警察』が万代シネウインドで上映される事になり、そのPR映像の撮影に立ち合わせていただきました。

 ライブハウスの楽屋で撮影となり、PANTAさんが予定の2時にいらっしゃったのですが、TOSHIさんがなかなか現れず、PANTAさんは曲目をファイルに整理することに一心不乱で取り組んでおられ、挨拶のあと我々撮影スタッフの3名はどうしたものか気まずく佇むばかりでありました。

 しかし挨拶の際に持参した『頭脳警察1』にPANTAさんにサインをお願いすると快くしてくださり、「あとでTOSHIにももらってね」となんという優しい気遣いを頂戴し、感極まったわけです。

 映画秘宝の12月号に映画『ドキュメンタリー頭脳警察』についてPANTAさんのインタビューが掲載されております。

 しばらくするとTOSHIさんがいらっしゃって、ソファーに座っていただいてコメント撮影をしました。オレはわざとらしく音声スタッフをしていました。TOSHIさんにもサインをいただいて、自己紹介をした時にマンガを描いていると名乗ったらPANTAさんが「今度マンガ見せてね」なんて事までおっしゃってくださったので、いったん帰宅してマンガを持ってまたライブの時間に会場に行きました。

 本当は『ワイルドナイツ』を読んでいただきたかったんだけど、長いしツアーの最中に邪魔じゃないですか、まさか1巻をPANTAさん、2巻をTOSHIさんへなんて風にお渡しするわけにもいかないです。なので熟考して『チェリーボーイズ』をPANTAさんへ、『転校生』をTOSHIさんにお渡しすることにして、蔦屋で封筒を買って宛名を書いてマネージャーさんに渡しました。読んでくれたかなあ。「ダサくてもオリジナリティに満ちた音楽を堂々と演奏する」という頭脳警察のモットーに オレも共感してそんなつもりでマンガを描いているので、気持ちが伝わったら嬉しいなあ。でもパクりも多いからそんなのがバレて怒られるかな。

 しかしPANTAさんはダサいどころか、かっこいいロック風の洋服を颯爽と着こなしていらっしゃって、スタイリッシュでいらっしゃいました。

 ライブは前座が響というユニットで、どんなのかと思っていたらPANTAさんとギターの人の、ギターデュオのユニットで「前座の響です。この後、頭脳警察っていうおっかないバンドが出るらしいけど」と惚けたMCをされていました。とてもストレートなメッセージのバラード曲が多く、大変胸に染み入りました。日本赤軍重信房子さんの詩にPANTAさんが曲をつけて演奏していました。

 頭脳警察は響にTOSHIさんが入った形となりました。ニューアルバム『俺たち明日はない』からの曲を中心に演奏されていました。PANTAさんの声の優しさったらハンパじゃなかったです。アンコールを3回もされて、2回目のアンコールで『ふざけるんじゃねえよ』を演奏して、大爆発でした。『銃を取れ』も『コミック雑誌なんかいらない』もなかったですが『万物流転』『最終指令”自爆せよ”』『赤軍兵士の歌』など名曲が聴けてよかったです。

 映画のコメントは新潟での上映のみのプレミアム映像なので、ぜひ見に来て下さい!