古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

雪でひどい目に会っている

 BSアンテナが完全に埋もれてしまった。全く衛星放送が受信できない。日本海側はどこもこんな調子なのかと思ったら、全国ニュースになるレベルで、新潟が特にひどいみたい。
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 除雪の雪が土手のようになっていて、車でうちから道路に出るときは勢いをつけて、土手を破壊して出るのですが、カーアクション映画でバリケード封鎖を突き破るような気持ちがしてちょっと面白い。雪道でタイヤがズルズルすべるのも、でこぼこ道になっているのもちょっとしたパリダカラリー気分が味わえます。

 コンビニは配送が取りやめになっておにぎりやサンドイッチがすっからかんになっていました。12年やっていてこんなのは初めてだとおじさんは語っていました。

 いつもはうちの手伝いなんて滅多にしない分、こんな時に頼まれごとをしたら従わざるをません。横越の集会施設に花をもらいに行くことと、祖母の着替えを取って来る事を母に頼まれた。サンウィングという施設でナビで分かるかなと思ったら、出ないので母に地図を描いてもらって行くと、一面雪原でそんな建物は見当たりませんでした。電話番号を聴いてナビに入力してみると近くが表示されて、裏道を走っていくと、そこもやっぱり雪原だった。電話でよくよく場所を聞いたら地図が完全にデタラメだった。

 裏道を走っていると、立ち往生している車があっておじさんが運転席で、女の子が車を押していた。困った人がいたら助けるのは当然ですよね、といった雰囲気で車に積んだショベルを出してタイヤの下の雪をかき出して、娘さんと一緒に押したらすんなり車が動いた。娘さんは潤んだ瞳でオレを見つめて笑顔でお礼を述べたので「名乗るほどの者ではございません」みたいな感じで立ち去った。実際は小太りなおばさんでした。

 それで、どうにかサンウィングを探し当てて、花をもらって祖母の入っている介護施設に行った。祖母は昨日今日と温泉に泊まりで行く予定だったのだが、雪で取りやめになっていた。「本当は行きたくねかったんろ?」と聴いてみると、しまった!というような笑顔を浮かべて強く頷いていた。一緒に行く予定だった祖母の姪と友達が、先日見舞いに来て、自分の家族の話を二人で盛り上がっていて「早く帰ってくれとも言われないしね」と言っていた祖母は90歳です。

 洗濯物を取って帰宅しようとしたら、母から電話があって母の分の花を友達が持ってきてくれたので、オレが運んでいる花を戻してくるように言われました。ここまで2時間半掛かっている。普段だったら1時間も掛からないのに。別に暇でもなんでもなく、むしろ忙しいのに、雪道をだらだら走るのは堂々とゆっくり走れて楽しいんだけど、なんという徒労だ。

 それで、帰宅して夕食のあと長谷川穂積の試合を見て一旦寝て起きてネームをしました。明日は作画なので筋トレできないので、早朝6時だけど道場に行く事にしました。ところが、道場の前が除雪の雪が壁のようになっていて、これをカーアクション映画感覚で突き破ろうとしたら車が大破するレベルの壁で、諦めて帰宅しました。仕方がないのでうちの前の除雪をしたらけっこうな運動になりました。むしろ、力持ちになるために筋トレをしているので、こういう形で現実に役立てられてよかったのではないだろうか。右腕ばっか疲れて、腰にはあんまり良くなさそうなムーブでした。