古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

10月11月12月に見た映画

 今年中は大変お世話になりました。12月はマンガの作画とモンスターハンターと自主映画を撮影するイベントでバタバタして更新が滞りがちで大変申し訳なく思っております。ツイッターも何かやってる時にやるもんだと思うんですが、うちで暇な時に見たり書き込んだりする習慣になってしまってあんまり活用できておりません。

 単行本の準備もしていたんですよ。去年の3月までCool Transというファッション誌で2年半くらい連載していた『僕はセックスがうまい』というマンガと、今月のアックスで掲載された『限りなく童貞に近いブルー』というマンガを収録したオシャレ高校生のマンガです。単行本タイトルは『僕はセックスがうまい』か『限りなく童貞に近いブルー』のどっちにしようか迷っていたんですがセックスや童貞というショッキングな言葉がタイトルに入った単行本は売れない傾向にあるという恐ろしいデータを教えていただき、あわてて方針を転換しました。『フェイク』というタイトルにしました。1月25日あたりに青林工藝舎より発売です! 買ってね、面白いよ!

 それでは10月から今月まで見た映画を振り返っていきましょう。今月は本当にちょっとしか見ていないんですよね。映画の時間がモンスターハンターに食われてしまって、お陰でソロのジエンモーランというラスボス的なモンスターを退治するのに成功しました。ほんとに面白い!

○10月に見た映画
ガフールの伝説』(★★★★)
十三人の刺客』(★★★★)
『レッドドラゴン レクター博士の沈黙』(★★★)
スウィングガールズ』(★★★)
『パプリカ』(★★★)
『キャデラック・レコード』(★★★★)
『荒野の七人』(★★★★)
『パイレーツロック』(★)
ランボー3怒りのアフガン』(★★★)
『ナイト&デイ』(★★★★)
『エクスペンタブルズ』(★★)
ハンニバル・ライジング』(★★★)
『ヤギと男と男と壁と』(★★★★)
ショーシャンクの空に』(★★★★)
ガントレット』(★★★)
『プランゼット』(★★)
『3時10分、決断の時』(★★★★)
『モンスターVSエイリアン』(★★)
帰ってきたウルトラマン』(★★★★)

○11月に見た映画
『樺太1945年夏 氷雪の門』(★★★)
フロスト×ニクソン』(★★★)
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』(★★)
『ミックマック』(★★★★)
『ロストチルドレン』(★★★)
『デイ・オブ・ザ・デッド』(★★★)
『ウンタマギルー』(★★★★)
『おまえうまそうだな』(★★★★★)
『アメリカンティーン』(★★★)
『クレイジーズ』(★★★)
海炭市叙景』(★★★★)
マチェーテ』(★★★)
『アルティメット』(★★★)
『ロフト.』(★★★)
燃える闘魂アントニオ猪木50年の軌跡』(★★★)
『ブレックファストクラブ』(★)
『縞模様のパジャマの少年』(★★★)

○12月に見た映画
『ドアーズまぼろしの世界』(★★★★)
『実録ブルース・リー/ドラゴンと呼ばれた男』(★★★)
『ヤマト BATTLE SHIP』(★★)
『GAMER』(★★)
『血まみれギャングママ』(★★★)
『ぼくのエリ 200歳の少女』(★★★★)
キック・アス』(★★★★★)
『瞳の奥の秘密』(★★★)
『ファンタスティック・ミスターフォックス』(眠)

 10月のことなんてもう忘れかけてしまっているんだけど、こうして振り返ると2本に1本は面白い映画に当たっているのでいい月だった、確かギブスをまだしていてろくに仕事をしなかったからこんなに見たんですね。


『ファンタスティック・ミスターフォックス
 ウェスアンダーソン監督の新作はコマ撮り人形アニメで、この監督は低温でスタイリッシュなところが正直苦手だったんだけど、CGアニメよりずっと面白く見ることができた。低温でスタイリッシュなところすらなんだかとてもよく感じた。試写会で見させていただいたんだけど、試写室の椅子がとてもフワフワで気持ちよくてちょっとウトウトしてしまいました。大失敗。劇場公開されたら絶対見に行くぞ!

海炭市叙景
 熊切監督の新作は新潟では3月の公開なんだけど、いち早く試写会に参加させていただきました。不思議な見たことのない感覚の映画でショッキングでした。すごく地味な日常を丁寧に描写しているんだけど、その抑制された感じに逆に魂消ました。後で映画芸術の特集を読んだら、一般人を多くキャスティングされていたそうで、すごい存在感のおばあさんとか本当にすごかったです。オレが特に好きな場面はスナックみたいな飲み屋の場面で、ホステスがガールズトークをしているところです。本当に腹立たしい感じが活き活きと描写されていました。その直後の展開もすごくて面白かった!

キック・アス
 期待で胸をパンパンに膨らませて見に行くと普通に面白くてもちょっとガッカリすることってよくあるんだけど、この映画は期待していたにもかかわらず更に積み上げて来たので本当に畏れ入りました。何から何まですごくいい。敵がヤクザっていう地に足のついたところとか、超いいじゃん!こんな映画を作られてしまうとなんだか商売上がったりだよ!根こそぎ持っていかれた感じで才能やその他もろもろに嫉妬しました。オレもこんなの作りたいよ!面白すぎて可愛げがないってくらいしか欠点が思いつかない。新潟は1月1日から上映、みんな絶対見に行った方がいいよ!!! ムカついたので今年の映画で5位にしました。本当は1位でもいいくらいなんだけど、オレには推すべき映画があるので。

『おまえうまそうだな』
 子供向けだと思ってなめていたら、今年一番の大感動作で涙を流しすぎて皮膚がかさかさになってしまいました。しかもアクションもすごい。迷ったけど今年の4位にした。みんな絶対に見て欲しい。


 まだまだ何か言うべき事があるような気がするけど、来年もどうぞよろしくお願いいたします。