古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

『うちの子になりなよ』発売中

 実はずっと不妊治療に取り組んでいたのですが結果に恵まれず去年の末より、里子を預かって養育しています。不妊治療と同時に里親研修も受けておりました。だんだん、自分の子供でなくても、子供なら誰でもいい、子供がいないことにはにっちもさっちもいかないという気持ちになっていたので救われた気分です。

 

 男の子の赤ちゃんを預かって暮らしております。赤ちゃんと言うのは変化が目まぐるしく、うっかりするとちょっと前の事をすっかり忘れてしまうので、これはいかんぞと成長の様子をフェイスブックに友達までの公開でだいたい10日に一度くらいのペースで記録していました。それを枡野浩一さんがすごく面白がってくださって、本にすることを勧めてくれて、それを見たイーストプレスの編集者の圓尾さんが声を掛けてくださいました。大半は文字の本です。 文字の本は自費出版の『オレは童貞じゃねえ!!①』以来となります。

うちの子になりなよ (ある漫画家の里親入門)

うちの子になりなよ (ある漫画家の里親入門)

 

 

 里親は守秘義務があって、赤ちゃんの出自などは一切漏らしてはならないし、個人が特定できるような情報も出してはなりません。フェイスブックで友達までの公開でも、それらには触れないようにしています。そんな状況でありながら本にするというのはいかがなものかと躊躇いはあったのですが、『悪魔を憐れむ唄』の単行本の売れ行きがさっぱりで最終巻が刊行されない状況にあり、自分の漫画の市場価値が地の底に落ちているような感覚があり、藁をもすがる思いでありました。文字ベースの本なら図書館で置いてもらえるかもしれない、そしたらそれだけでも初刷り分は大分捌けるのではないかと、文字の本を出してもらえるのは嬉しかったです。エピローグ、プロローグの漫画と、子育てエッセイ1本につき、1本ずつ4コマ漫画も描いております。

 

 発売から2週間くらい経過していて、これがありがたいことにかつてない売れ行きなんですよ! 大半は子育てエッセイで、里親になったいきさつや、その段取りなども書いております。アマゾンでは「里親制度についての本かと思ったら普通の子育て本でがっかりした」というので辛口の星一つのレビューがついていますが、本当にその通りで、もうしわけない気分です。大半は子育て本です。しかも里親制度についても本に描いた以上で言えることが大してあまりないんですよね。お住まいになっている自治体の里親研修に申し込むくらいしか説明のしようがなく、赤ちゃんについても詳しい事情を述べるわけにはいきません。里親に関心がある人はぜひ、お住まいの地域の児童相談所にお尋ねください! 疑問に思っている事があったら、言える範囲でなんでもお答えしますよ。ぜひご質問ください!

 

 漫画は出せば、自然とそのうち増刷になるものだと思っていたのに、ここ10年くらいそんな声を聴いておらず、本当に久しぶりに、まだこれからなんですが増刷が掛かりそうで、もしそうなったら、弟子とサイゼリヤで忘年会をしようと思います。枡野さんにも食事を、肉か何かをごちそうさせていただきたいです。

 

 家に子供がいて、かれこれ1年になりますが毎日とても楽しく暮らしています。

 

 ウートピという女性向けのサイトで取材していただきました。どうもありがとうございました!

wotopi.jp

 また、『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』で、しまおまほさんが、秋の推薦図書特集でご紹介くださいました。まほちゃんどうもありがとう!

www.tbsradio.jp