古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

9月に読んだ本

 10月も半ばで今更9月の本についてもいかがなものかというところですが、そんな事を気にしていると更新がなくなっていしまうので気にしないことにします。 

 

 いつか読もうと思って買っていた矢沢永吉著『成りあがり』が評判通りめちゃくちゃ面白かったです。そしてこういう本は本当に若い時に、これから人生を歩んで行こうと言う時に読むべき本で50歳にもなって読むのは残念極まりない。でも一番気になっていたキャロルについてはほぼスルーで、ジョニー大倉著『キャロル 夜明け前』を読めばいいのかな。

 

 増田俊也著『七帝柔道記』も素晴らしかったです。高専柔道の猛特訓に耐えた青年は、こっちから見ればすごい根性の猛者に決まっているのだけど、本人目線では弱音ばっかりで本当につらそう。絶対に真似できないけど、だからこそ強くあこがれる。

  

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 そんな素晴らしい本に触れることができたのだけど、映画『ジョーカー』がすごくて見てからずっと毎日『ジョーカー』の事を考えている。主人公アーサーが、中年も相当いい歳なんだけどコメディアンを目指している。舞台に立ったこともない。ネタも全然面白くない、センスが全然ない、風貌も不気味で、さらに最悪な事にいじられ耐性がない。どう考えてもコメディアンに向いておらず、本当にただの危険人物。しかし、そんな彼に優しくよりそった映画で、切ない。

 

 台風19号で新潟シティマラソンが中止になってショック。去年は初めてのフルマラソンで気合を入れすぎて、普段ひと月にせいぜい50キロしか走らないのに9月に180キロも走り込みをしたため、マラソン疲労骨折を起こすという惨事を招いた。今年は普通に毎回の10キロ走のみで、マラソンをこなせるかを試すつもりで、中3日か4かペースで10キロずつ走ってきた。タイムは5時間を切りたいなと思っていたのだけど、そんなのが全部台風で飛んでしまった。堤防が決壊して洪水に見舞われた人にはお悔やみを述べるしかないのだけど、翌日きれいに晴れて全然マラソンできるじゃんと思った。

 一人マラソンを開催するか、どこかの何かの大会に申し込んで遠征するか、どうにかしないと気持ちが治まらない。

 

 それからファミレス映画館で毎月4本ずつ『男はつらいよ』シリーズを見て、北書店の佐藤店長と話すというのをやってきていたのだけど、とうとうシリーズ48作を全部見終えました。1年がかりでした。僕が生まれた頃からシリーズは始まって、物心がついて小学校、中学校、高校、大学と、寅さんの甥っ子の満男とほぼ同じ時期の人生を送っていて、昭和平成の日本の社会と歴史を再体験するような感覚もありました。

 佐藤店長どうもありがとうございました!

 今回で『男はつらいよ』シリーズは最終回の予定でしたが、山田洋次監督が原作の寅さんの少年時代のドラマが今月から始まるのでそれも感想を話して、ベスト『男はつらいよ』や2代目寅さん総選挙、ベストマドンナの選定などもしなければなりません。それから12月には第50作『お帰り寅さん』もあるので、それもやらないといけません。

 

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