古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

石田純一か!!

 先日アピタの食堂で読書していたら食堂の隣のゲーセンでバイトしているX君が来て、休みは彼女と食事に出かけるのが楽しいという。「ファミレスって歳でもないんで」と言うので、ファミレス愛好家のオレとしてはこれは聞き捨てならんと思いあれこれ詳しく話を聞いた。

 すると雑誌で紹介されているレストランなどに行くそうで予算は大体1万!お前は石田純一かと思ったのだが、この前は彼女と温泉に行ったそうで、テーブルの端から端に料理が並び仲居さんがご飯をよそってくれて内湯もあってと、その際は5万掛かったという。石田純一か!!!! オレがその立場だったら、支払いの時やその後笑顔を作れる自信がない。

 20代後半とは言え時給だってせいぜい800円とか900円とかそんなバイトの男がそんな高額な食事や宿泊をしていいのか。その支払いと自分の労働の代価が釣り合うのか。釣りあったとしてもそんな儚い泡沫の楽しみに人生の時間と労力と引き換えに手に入れた貴重なお金を浪費してしまっていいのか。男らしすぎる。5万もあったら、パソコンを組んで全世界と繋がることもできるじゃないか。オレはせいぜい二人で5千円が限界だ。いい歳こいて、こんなケチな考えだから持てないのだな。オレはアピタの食堂で210円飲み放題のコーヒーで何時間も読書をする男。溜め息。