古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

月乃光司さんの活動

 月乃光司さんは元アル中でひきこもりで、自殺未遂も何度かされて、そういった経験を通して現在は『こわれ者の祭典』という活動をしておられます。精神や身体にいろいろ困難な側面を抱えて生活している人がステージでその苦労話やパフォーマンスを行うというイベントです。この新潟で始まったイベントは東京でも大うけで、テレビにも紹介され、本も出版し大変なものです。

 新潟は何年か前までずっと自殺率が全国2位で不動の地位を築いていたのですが、ここ数年どんどん下がって去年は7位にまでなりました。オレは月乃さん達の活動の功績であるとにらんでおります。『こわれ者の祭典』をぜひ秋田に輸出して、秋田の人々の手助けをするといいと思います。

・こわれ者の祭典HP

 そんな月乃さんがなんと亀田で雨宮処凛さんを迎えて自殺防止イベントを行います。自殺を考えている人、ぜひ行ってみたらいかがでしょう。オレも見に行こうと思います。

こわれ者の祭典〜ストップ・ザ・自殺!作家雨宮処凛さん特別参加!」

■出演:雨宮処凛月乃光司・Kacco・木林おず・アイコ・
     DAIGO,周佐則雄(脳性マヒブラザーズ)
     Cold Joker・羽豆和幸・畑山保夫・渡辺浩一(ゲスト)
■司会:エグチアユム(NAMARA)・松井弘恵
■日時:10/7(日) 開場12:30 開演13:00(16:00終了予定)
■会場:新潟ふれ愛プラザ(完全バリアフリー対応・休憩30分有)
 (950-0121 新潟市江南区亀田向陽1丁目9番1号・TEL025-381-8110)
■参加費:1500円(障害者手帳持参者は500円)要約筆記付き
■問い合わせ:TEL070-6456-9262(RGI)

NAMARAの江口さんのブログよりコピペしました。

 月乃さんの活動は、かいつまんで言うと、その当人の抱えた問題をあけすけに発表して、同じような苦しみを抱えている人に対して、「あなただけじゃないんだよ」と孤独から開放させてあげるものです。違っていたらごめんなさい。

 自殺は大変な問題で、年老いて、金もなくて病気で働けなくて身よりもなくてという人は、これは仕方がないかなと思いますが、特に若くして自殺してしまう人はちょっと考えてみた方がいいと思います。特にいじめなんて、学校が終われば解決するじゃないですか。学歴なんて後から取り返しつくし、そんなので死んじゃうなんて100円の借金で100万円払うようなもんですよ。大損です。自殺したところでいじめてた連中は屁とも思わないので、せめて一番憎たらしい相手の家に放火くらいしてから死んだ方がいいと思います。そういう計画練っているとだんだん楽しくなって来るかもしれないです。ネットに悪口書き込むとかすべきです。鬱病が入ってくるとそんな気も起こらないかもしれないですけどね。とにかく何が言いたいかと言うと犬死だけはして欲しくないです。

 生きてたっていいことなんかないですよ。欲深さが何より心をさいなんでいると思います。大体こんなもんだろと思っておけば間違いないです。それで時々何かいいことがあったら、素晴らしく嬉しいなと思えばいいんじゃないですか。オレなんてマンガ描いてお金もらって本まで出してさぞ幸せだろうと時々ひがまれる事ありますが、全くその通りで、それは上を見れば切りがないですけど、本当に出来すぎだと思います。いつまでも今の調子でやって行きたい。でも諦めていることもたくさんありますし、直接言わなくてもマンガ読んでもらえば分かると思いますが、オレなりにげんなりしたりとか結構深刻な問題もあるんですって。自殺を考えるほどのものはないですけどね。

 自殺未遂とか深刻に死んでしまいたいと思った事は多分ないですし、大体人の痛みは分かりません。リストカットも怖いです。外耳炎や眩暈の痛みなら分かります。これでもオレは常日頃、強くありたいと思っているので、正直なところ月乃さんのような活動にはあまり賛同できません。問題を抱えてそれでにっちもさっちもいかないのなら月乃さんような活動で元気になるのはとてもいいことだと思います。オレはそこまで深刻な状況じゃないのであんまり自分の弱みをさらけ出すような事はしたくないです。男子たるもの強くなければいかんというような古臭い考えもあります。マンガで結果的に出てるかもしれないですが、出すにしても何かちょっと笑えるような形で提示したいです。

 友達が助けになると言うじゃないですか。オレが友達になっても何の助けにもならないと思います。まず泣かしますもんね。「何でも言い合えるのが友達である」という理念をオレは実行しますので、空気なんて読まないです。完全にKYです。「そんなのお前が悪いんだろ」と平気で言います。以前に周佐さんという『こわれ者の祭典』の脳性まひで車椅子の人に「友達になりましょう」と言われたのですが、「どうやって付き合ったらいいのか分からない」と断っちゃいました。大人だったら「いいですよ」と言ってやんわり距離を置くとかすると思うんですが、その時は全く思いつきませんでした。車椅子の人が困っていても、オレがしんどかったり不機嫌だったら、露骨に冷たくする自信があります。なので、繊細な人とオレが友達になったら助けになるどころか、むしろ自殺に追いやると思います。新潟で友達づきあいしてるって言える人は二人くらいしか思いつかないです。その人らも多分裏で泣いてるでしょうね。