古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

平均点を下げたい

 空手の道場に通い始めて10月で2年になろうとしています。通い始めた当初は、ちびっ子やオレより年上の人、女子高生といった人ばかりで、なんとも気安い牧歌的な雰囲気でした。オレが初心者だから手加減してくれていただけかもしれませんけどね。ところが、次第に人の入れ替わりがあって、強化選手のような人が出てきたり、10代20代のバリバリの男たちが新たに加入し、実際問題、非常に肩身が狭くなっております。

 そうは言っても他所と比べても格安の月謝と、24時間自由に使っていいというジム設備などたいへん魅力たっぷりの道場です。ここからが大事な話なのですが、ここは知り合いを一人紹介するごとに500円月謝が下がるというシステムを採用しているので、ぜひとも「古泉の紹介で」ということで、お近くにお住まいの皆さん、一緒に空手習いませんか? 場所は北越製紙の近く、東新潟自動車学校の斜向かいです。

越道会ホームページ

 後から加入した若い人たちは、年齢的なことも去ることながら情熱も高く、めきめき強くなって、こっちはもう40に手が掛かろうとしていることを言い訳にだらだらしていると、瞬時に追い越されていくわけです。しかも昇級審査や大会前の練習が本当にきつくなってきていて、翌日の仕事に響きます。本来追い込まなければいけないのに、むしろ練習が億劫でしかたがない。なんとかフィットネスクラスも作ってもらいたいんですよね。

 ライトスパーと言って、軽く当てっこする組み手のような練習メニューがあります。以前はそれが文字通りライトだったのが、現在はライトのつもりでいるとハードヒットされるのが普通となっております。初めは「なんというお行儀の悪い」とむかっ腹を立てておりましたが、現在は全体の風潮としてハードが普通なので、改めるのはこっちなのかと勇気を持って遠慮なく行かせていただいております。でも本当は嫌なんですよね。

 このままどんどん過激な道場になるとますます居場所がなくなります。こういった風潮になんとか歯止めを掛けるためには、自分も熱心に頑張って強くなるのが一番なのですが、それができれば苦労はありません。 全体練習が終わってみんなが帰った頃合を見計らってこっそり自主練に行く……そんなの嫌だ。ここは是非とも、ちびっ子、女子、へなへな男、メタフォリックな中年など、確実にオレより弱そうな人に大量に加入していただいて、全体の平均点が下がったら、オレの肩身の狭さが軽減されるんじゃないかと思った次第です。

 前にも書いたかもしれませんが、オレが運動を始めたのは30になってぎっくり腰をしたのがそのきっかけです。それ以前はちょっとずつ太っても来たし、これも年だし仕方の無いことかと諦め半分でおりました。運動しようなんて微塵も思ってませんでした。エグザスでフィットネスを始めて、その延長で空手に至って、現在はそこにプロティンと加圧トレーニングも加えております。

 街でヤンキーに出くわしても無条件にびびることもなくなりました。どこまで強くある必要があるのかというと、ちょっとしたストリートファイトなら勝たないまでも一発食らわすことは多分できるので、もう充分なような気もします。だからと言って辞めてしまうと、限りなく下降線をたどって、腰痛も再発してくるだろうし、一気に老け込むこともあるだろうし、なのでやり続けないといけないんです。特に、30を過ぎた男性の皆さん、私利私欲ではなく言いますが、絶対運動はした方がいいですよ。でないと本当に衰えて行く一方なので。