古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

最近見た映画

 劇場とDVDとで何本か映画見ました。

『復讐者に憐れみを』
ユナイテッド93
下妻物語
『スーパーマン リターンズ』

 全部ネタバレなので、これから、これらの映画を見ようという方は絶対にここから先を読まないでください。

『復讐者に憐れみを』
 ド名作映画『オールドボーイ』の監督なので期待して見たところ、これでもかというくらい、けれんみにまみれた内容なのに、エンターテインメントとして描かない奇妙な作品でした。『グエムル』で好きになったペ・ドゥナちゃんがかわいらしいおっぱいを見せてくれてます。この監督は『オールドボーイ』でもヒロインを脱がせていたので、本当に素晴らしい人です。信用できるとは、こういう人のことですね。オレはそんな素敵な場面はスロー再生でじっくり楽しむ事にしております。DVD万歳! ペ・ドゥナちゃんは『グエムル』の方がかわいかったです。ということは、『グエムル』の監督にももうちょっと頑張ってもらえたらなおよかったんですね。ドラマは誰が正しくて誰が正しくないかといったことがテーマにあって、そういうの全然興味がありません。みんな悪いでいいじゃんと思います。

ユナイテッド93
 9・11テロで旅客機を奪ったアラブのテロリストが飛行機を墜落させるまでをとてつもなくリアルに描く。オレは映画では最後には負けると分かっていても絶対に悪者を応援する癖があり、今回もアラブ人を始めから最後まで応援していた。この映画はしかも、おかしなことにアラブ人をとてもかっこよく描いていて好感が持てた。すごく真面目でインテリな感じで描かれていた。パイロットを殺して、飛行機を操縦していると乗客たちが勇気を振り絞って操縦席に乗り込んでくる。このアメリカ人の乗客たちもまた、実に勇敢でかっこよく描かれていて、最後にはどっちも頑張れとしか思えなくなった。お互いが生命の火花を散らす様が大変に美しく、しかもそれがほんの数分後に儚く消滅してしまうことに陶酔感を覚えた。あえて文句を言うなら管制塔の場面がだるくてちょっとウトウトした。

下妻物語
 ロリータとヤンキーが出てきてなんだかわいわいする程度の、見てくれ合戦みたいな薄っぺらい、反対側が透けて見えるような映画だろうと思ってあんまり見たくなかったのだが、評判だったので仕方なく見たところ、あまりの面白さに度肝を抜かれた。外観を題材にしながら、しっかりとその人の生き様をテーマにした骨太な作品でした。冒頭の相当長い時間、ドラマが全然動かなかったのに、深きょんと土屋アンナの人物描写だけで充分面白く構成していたのがすごかった。土屋アンナの芝居のうまさ足るや! マンガみたいな演出も楽しいし、何から何まで本当に素晴らしかった。韓国人に見せて日本負けてないぞと示したい。

『スーパーマン リターンズ』
 今回のスーパーマンは不倫に悩むという妙な話になっていた。しかし、スーパーマンとその周りの連中は昔と変わらずいい子ちゃんで、御立派な活躍して御立派な就職先で、大層な給料ももらってそうな嫌みったらしい連中なので、どうにも丸っきり感情移入できなかった。ということで、やっぱり悪者を応援して見ていたところ、スーパーマンがクリプトナイトで弱らされて、悪者の手下にリンチされ、水溜りに顔を突っ込まれたりしていた場面が最も面白かった。クライマックスの後が非常にだらだらと長く膀胱が張り裂けんばかりで、辛かった。


 極楽の山本さんの一件以来、『めちゃイケ』はほぼ早送りで見ていたのですが、この前のシャ乱Qに、喉自慢のお父さんが加入する回は滅茶苦茶面白かったですね。お父さんの歌が何語なのか分からないくらいに崩れていてしかも楽しそうに歌っているのが素晴らしかったです。企画は『ナイトスクープ』のパクリでも実際にシャ乱Qと共演させる力技は『めちゃイケ』ならではでしょう。くわばたと河本の企画もすごく濃くてよかったです。秋の特番もバカ女を背負っての辻ちゃん登場で楽しみ!