古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

コミティアとよるのひるね

 5日は東京コミティアで、アックスの皆さんと原画展や紙芝居や自主映画の上映をさせていただきます。『甘いおなら』の販売もします。規模が新潟の30倍と言うではないですか、創作で?本当にそんなのが成立するのか非常に半信半疑です。新潟のコミティアはとてもこじんまりしていて、本当に可愛らしい感じですよ。その30倍と言えばガタケットよりすごいじゃないですか! 尺度が新潟に限定されていて、オレにはとにかく計り知れないです。先日の新潟コミティアでは異例の15冊販売を達成したわけなので、その30倍なら450冊売れるってことですか。そんなの真に受けないですよ。オレはこれまで何度、そういう皮算用で帰り道荷物の重さにガッカリしたか、大変記憶に鮮明です。金儲けより楽しいといいなと思って行くとしますが、アックスの皆さんが一緒なのでそこは全く心配がないです。

 6日は阿佐ヶ谷のよるのひるねで、枡野浩一さんと「セックスと子供と女と男」というテーマでトークイベントをさせていただきます。枡野さんの苦悩に比べたらオレなんて大した事ないのですが、同じく出版業に携わる者として似た境遇にあります。また、そんな人生を作品に投影するのも、ためらいがあまりありません(枡野さん済みません)。作品と人生や実生活との距離に興味のある人ぜひともご来場いただけたらと思います。当日オレも枡野さんもNGはなしです。

よるのひるね
15:00open 2000円
ご希望の方はお早めにご予約下さい。
yoruhiru@jcom.home.ne.jp or 03-6765-6997

 一昨日ですが、新潟テルサBerryz工房のコンサートを見ました。メンバーはすっかり大人っぽくなっていらっしゃって、熊井ちゃんはでかいと聞いていたけど須藤まあさちゃんも負けないくらいでかい!りさ子の太もものたくましさ!誰これ?かわいいんだけど、キャプテン?とそんな事が頭をぐるぐる回っていたらあっという間に2時間経過していたわけです。イベントはたいてい、映画でもよっぽど面白くないと「早く終わらないかな帰りたい」という気持ちになってしまうオレには本当に異例で、ハローイベントの強靭なエンターテイメント性は素晴らしいなあと改めて思いました。ヲタの皆さんが手にするサイリウムが、ゲルググの槍のように両端が強烈に光を放つものになっていたり、それがさらに十字になっていたり、円になっていたりとどんどん派手になっていて面白かったです。

 それで帰宅して戦極を見ました。これが!とても面白い大会でした。そうは言ってもトラビス・ビューが金的で悶絶しているところなど早送りで見たからかもしれないですが、追っかけ再生で見ていたので。小見川選手がネオ柔道を標榜して柔道技を前面に出しているスタイルもとてもかっこいいです。総合向きに柔道を進化させているってことじゃないでしょうか。その通り見事なテイクダウン力でした。全体的に総合の選手が多くなっていて、個性はあるんでしょうけど、そういう分かりやすさがあるとグッと来るじゃないですか。秋山選手なんて「柔道最高!」と言いながら、そんなに柔道っぽくないわけです。とにかくフェザー級GP面白い。

 その夜は『チェイサー』をレイトショーで見ました。Berryz工房と戦極でもうお腹いっぱいだったのですが、前から友達と約束していたので、連絡してみたら、彼女連れで来ていてそんなに見たいわけではなさそうで、もう一人からは断られてなんだかなあと思ったらこれが、またしてもすごい面白い映画でした。『殺人の追憶』の系列になるんでしょうね韓国映画としては、でもエンターテイメント性は2割り増しくらいでした。犯人も分かっていてすぐ解決しそうで、でもどうやってドラマ性を盛り上げるのかと思ったら、そこか!というような面白さがありました。すごくよかったです。オレが求める韓国映画の良さが爆発していました。上映館もあまり多くなさそうですし、きっと期間も短いのでぜひとも劇場で見た方がいいですよ!

 そんなやって一日遊びほうけていたら忌野清志郎さんが亡くなっていてとてもビックリしました。忌野さんを初めて見たのは『い・け・な・いルージュマジック』で坂本龍一さんとザ・ベストテンでのご出演でした。小4くらいだったのですが、とにかく衝撃で「男の人なのに化粧している!」と魂消てとての怖かったんですよ。忌野さんや坂本さんって化粧しているけど女装ではないじゃないですか。どっちかと言うとドスが効いていましたよね。しかも忌野さんと坂本さんがキスするじゃないですか!世の中には恐ろしい人がいるのだと、音楽もとても退廃的で聴いてはいけないような感じでした。でも当時オレはベストテンを60分テープで録音していました。ラインじゃないんですよ、部屋を静かにしてラジカセのマイクで録音していました。それで、あれは一体なんだったんだと何度も何度も聴きました。レコードは怖いから欲しくありませんでした。でもカセットは何度も聴いていました。

 この調子でオレは一歩引いたファンでした。中2くらいの時に土曜日の午後からRCサクセションのライブ中継がNST(新潟総合テレビ)でありました。当時はまだビデオがなかったので学校が終わると大急ぎで帰って見ました。『気持ちE』をその時初めて聴きました。「またこんな悪い歌うたってる!」と思いましたがどうにもその悪の魅力に引きつけられて抗えませんでした。田舎のクソ童貞のガキに強烈に訴えかけるものがあったのです。『夜のヒットスタジオ』の騒動も翌日大学の先輩に録音したテープを聞かせてもらって魂消たくらいです。コンサートも行ったことないですし、CDは何枚か持っていますが熱心に聞き込むほどではなかったです。最近はテレビに出てもチェックしなくなっていました。オレの父も55歳でガンで死にました。その人にとって死がどういうものなのか計り知れないので、軽々しく言いたくないですが、またガンで闘病なんてとてもしんどい事だったり、絶望感に打ちひしがれたりしたかもしれません。素晴らしい音楽をたくさん残してくださってありがとうございました。お疲れさまでした。