古泉智浩の『読書とお知らせ』

マンガ家の古泉智浩です。ココログより引越ししました。

ジンバルラジオ

 亀田と新潟の境界線のあたりに刑務所があるのはご存知ですか? それが新潟刑務所です。

 それはいいのですが、その刑務所のすぐ近くにポピーというゲームセンターがあるのはご存知ですよね。そう!あのバーチャファイター全国大会の地方会場にもなった有名店です。オレは『転校生 オレのあそこがあいつのアレで』というマンガを描いている時に、麻雀格闘倶楽部に大はまりして、毎晩のように通っておりました。その前から中学生くらいの時から親しんでいた店で、オレの同級生は中学時代からず〜っと通い続けている男が何人もいます。自主映画の撮影をさせていただいたこともあります。

 そんな亀田のボンクラたちの憩いの場であるポピーの店長が、最近ネット力を注いでおります。こちらの「新潟情報図鑑」というユーストリームページなのですが、ここでオレも番組を持たせていただくことになりました。

 オレの単行本デビュー作『ジンバルロック』の第四話で赤金と横野がゲームセンターのクレーンゲームで女のパンツを取るという場面があるのですが、その舞台が何を隠そうこのポピーなのです。めぐりめぐってポピーさんで番組を持たせていただけることになるとは、一体なんという縁だと自分でも魂消ているのです。そんな縁もあって番組名を『ジンバルラジオ』にしました。

7月17日(日)22:00くらいから
古泉智浩、帆苅智之
ゲスト:吉原悠博
「新潟情報図鑑」

 中継用のカメラが5台もあるとか、ユースト用のソフトもあるとか、えらいネット中継の環境が整っているそうなのです。そうは言っても作りこんだものをやるほどのなかなか知恵も企画力もないので、ここは最初から気負うと失敗してやる気がなくなるじゃないですか。まずは適当な企画でだらだらと継続することを目標に頑張りたいと思います。

 新潟で暮らし始めて12年目に突入しているわけですが、サブカルの根付かないんですよね。音楽を鑑賞する会や、映画上映を愛好するグループがあってそれはそれで非常に楽しいです。しかし、新潟から全国に発信するような何かは特にないです。90年代にあったイギリスのマンチェスターや、アメリカのシアトルみたいな感じにならないもんかな〜とずっと思っていました。80年代の博多にもありました。でも今やネットだったら別に東京じゃなくてもいい面が非常にあります。山形や長野、富山、福島など隣県で頑張っている皆さんとも連携するのもありですよ。そんな非東京での可能性が、それは何かは分からないですが、魅力的なところあります。車で移動するとか、映画館が空いているとか、自主映画を作るにもあんまり怒られず撮れる場所がいろいろあるとか、家賃が安いとか、間取りが広いとか……書いていてつまんなくなってきましたが、あるんです。最終的には東京も新潟もない!何か面白くやってる人がいるみたいだぞ!と思っていただけるようにしたいです。

 新潟での活動12年で知り合ったとても素晴らしい活動をしている人をこの『ジンバルラジオ』では紹介していこうと思います。最初は月一くらいでやります。最低3年はやります。ポピーさんに断られたらやめます。ユースト中継はカメラが入ってテレビですが、トークメインでやるのでラジオってことでお願いします。ラジオだと思ってご覧いただいた方がこっちも気楽です。

 地元が誇るサブカル・ファッション誌『パスマガジン』でお世話になっていた帆苅智之さんと一緒にやります。帆苅さんは、これまで無数にミュージシャンのインタビューをこなしてきた猛者なので安心です。モンスターハンターの名人でもあります。大変な片手剣使いで、オレの大学の先輩でもあるんですよ。

 初回ゲストは、90年代に現代美術やオペラの空間演出で東京やニューヨークを沸かせ、地元新発田で実家の写真館を営んでいらっしゃる吉原悠博さんをお迎えします。吉原さんは今回の原発事故以前より原発への警鐘をならす活動を、熱心な左翼というわけでもなく一般人の感覚でやっていらっいました。高校生の時に、8ミリ映画を撮って、ニューヨークへの留学時代には『1・2の三四郎』を読みために少年マガジンを送ってもらっていたというボンクラの大先輩ですよ。

 BSNで『NEXT!』という番組があって何度も出させていただいていたんですが、その番組が終わってしまって、地元の知っている面白い人がよく出ていたんですよ。地上波のしばりや時間的な制約があって、なかなか掘り下げたりしにくいところもありました。女子アナを間近に見たりできてよかったんですけどね! 『ジンバルラジオ』ではそんなところも気にせずやれると思います。新潟でもこんなに面白くできるんだよ!というのを示すことができるといいな〜。これから知り合いの皆さん、番組に誘うので出てね!