『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』祭りの輪に入れない
今年見ておくべき映画ナンバー1であることは間違いない『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』がとても盛り上がっている。新潟は今週で公開が終わるから、見てない人は急いで見に行った方がいいよ。映画秘宝でも今年のベストワン取るんじゃないかな。
そんな盛り上がりに水を差すようで非常に申し訳ないんだけど、オレは正直なところ、心の底からもろ手を挙げて面白いと思えなかった。去年の『パシフィック・リム』が二人操縦で、意識や記憶を共有してしまうというとても気持ち悪い設定がどうしても受け入れられなくて、あと、怪獣もさっぱり魅力的じゃなくて、ダメだった。今年の『GODZILLA』も人間ドラマのフォーカスのずれがどうしてもダメで、心の底から好きになれない。面白いところやいいところはたくさんあるんだけど、物語の根幹の部分がダメだとやっぱりダメだ。
ロケット、友達が一人しかいないところ好きだ
スターロードはとにかく気持ちのいい人物で、憧れるほどだったし、アライグマのロケットがすごく好き。キャラクターや音楽や、雰囲気はとにかく最高で、一回目見た時は期待しすぎ問題なのかなと思って、itunesでサントラを買って聞いて、映画秘宝の特集もじっくり読んでもう一回見に行ったら、やっぱりダメだった。苦手なところがとても分かって、自分の了見の狭さが嫌になるほどだった。
ウィークエンド・シャッフルのムービーウォッチメンのコーナーで宇多丸さんも大絶賛。楽しそう。
【WOWOWぷらすと】ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーが好き過ぎる!|W流
ダイノジの大谷さんや花くまゆうさくさんが熱く語っていらっしゃる。楽しそう。
そんな楽しそうな祭りの輪にオレは入れない。寂しい。
新潟版49『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』: 三平映画館
初見の感想を南拓郎くんと語っております。やっぱり不満を漏らしている。
そういうわけでもう皆さん『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は見てますよね。ここからネタバレですよ~。
・ストーリーがあんまり面白くない
超巨大な力が手に入る玉を奪い合うんだけど、そんな万能の力なんて信じられないし、玉を取り合うような話も苦手だ。『スターウォーズ』が引き合いに出されて語られるけど、『スターウォーズ』は戦争が舞台なので、争い事として全然すんなり腑に落ちる。せめて金の奪い合いの方が断然グッとくる。
・負け犬感が足りない
主人公チームの5人は「オレたちは負け犬だ」と語るのだが、みんな各々勇敢で命知らずで、能力も高く、自由だ。オレには、まばゆく見えるほどで、全然額面通り受け取れない。もっとせこくてどうしようもないクズがよかった。
・敵が気の毒に見える
敵の怖い顔の人、暗い宇宙船で威張っているけど、虚勢を張っているようにしか見えず、玉を手に入れて惑星ザンダーを破壊したがっていたのだが、破壊してその人にそれほどメリットがあるように思えなかった。ザンダーの地表に立って、その場にいる人に演説を始めるのだが、ザンダーの代表でもないその辺にいる人に対して何をやってんだろうと思った。かわいそうな感じしかしない。孤独でひねくれて、精一杯虚勢を張っている気の毒な人だ。スターロードか誰か話を聞いてあげて!
敵を思いっきり憎らしく思えないのが物足りなかった。
・ロケットの行動に納得がいかない
どんな事情があるのか、アライグマの姿にさせられているロケットと言う登場人物が、機械改造の能力や作戦立案の能力が非常に高くて、しかも性格が非情で自己中心的でとてもかっこいい。そんな彼が友情にほだされて、仲間になって巨悪と闘うのがすごく残念だった。そんな行動取らない人物だと勝手に思っていたのはオレなのだが、仲間に入るにしても、もうちょっと利己的な事情で協力して欲しかった。物語の流れに押し込まれているような感じもした。
・クライマックスのアクションが眠くなる
ザンダー星の軍の飛行機が組み合わさってネット状になって敵の巨大戦が地上に落ちるのを食い止めようとするのは、どうせ破られるんだろうなとしか思えず、破れた時もほらねって感じだった。もうちょっと、もしかしたらうまくいくんじゃないかと思わせるような何かがあって欲しかった。全体的にスリルが足りず2回目は本当にウトウトしてしまった。
とにかく思うのは、オレはもうピュアじゃなく、欲張りで不平不満が多い。もっと素直にいろいろ楽しめた方が人生がずっと豊かに過ごせるはずだ。こんなお祭り的に盛り上がっている楽しい映画で余計に寂しい思いをせずに済む。
こんなオレのひねくれ文章に惑わされず、まだ見ていない人は絶対に見た方がいいですよ。